【2025年6月5日】ユニ・チャームは、6月5日の「世界環境デー」に合わせ、同グループが国内外で展開する環境配慮の取り組みの一部を紹介した。
中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」および「環境目標2030」に基づくもので、世界各地の拠点で資源循環や再生可能エネルギー活用などに取り組んでいる。
インドネシアのPT. UNI-CHARM INDONESIAでは、バイオ素材のみで構成されたオーガニックコットン配合ナプキンを発売。サトウキビの搾りかすや天然樹脂などを活用し、石油由来プラスチックの削減を実現した。
インドのUnicharm Indiaは、パッケージ廃棄物を農村女性の機織り技術で再資源化し、バッグとして再生。1つのバッグに約50枚分の廃棄パッケージを使用し、環境負荷低減と地域の雇用創出を両立させている。
アメリカのThe Hartz Mountain Corporationでは、工場の電力を100%再生可能エネルギーでまかない、全照明のLED化を実施。販売商品の約3割にリサイクル原料を用いている。
韓国のLG Unicharmでは、ベビー用紙おむつ『マミーポコ』のパッケージ素材を見直し、プラスチック使用量を約20%削減。年間で約1トンの削減効果が見込まれる。
フィリピンのUNICHARM (PHILIPPINES)では、『Sofy Natural Love』のパッケージにリサイクル素材を導入し、バージン石化プラスチックの使用量を約半分に削減した。
台湾のUnited Charmでは、社員のウォーキング歩数に応じて苗木を寄付する取り組みを実施。これまでに約130人が参加し、絶滅危惧種の生息地への植樹と社員の健康意識向上を図っている。
日本国内では、2015年から展開している「RefFプロジェクト」により、使用済み紙パンツの再資源化に取り組む。2025年には、構成素材すべて(パルプ、プラスチック、高分子吸収材)の再生技術を確立し、教材用紙粘土などへの展開も進めている。
ユニ・チャームは今後も商品やサービスを通じて社会課題の解決に取り組み、SDGsの達成に貢献するとしている。各国の活動内容はサステナビリティ特設サイト「えらぶ・つかう・めぐらせる」で公開している。
関連リンク:
Kyo-sei Life Vision 2030
https://www.unicharm.co.jp/ja/csr-eco/kyoseilifevision.html
ユニ・チャーム サステナビリティ
https://www.unicharm.co.jp/ja/csr-eco/special01.html
【2025年6月4日】大阪シーリング印刷は、6月10日(火)から13日(金)まで東京ビッグサイトで開催される「FOOMA JAPAN 2025」に出展する(小間番号:2G-29)。
同社はシール・ラベルやフィルム製品、紙器パッケージなどを製造するOSPグループ中核企業。
「FOOMA JAPAN」は、食品製造・加工向けの機械・資材分野における国内最大級の展示会で、大阪シーリング印刷は今回、省力化や環境配慮、パッケージ高付加価値化といった業界ニーズに応える製品・技術を披露する。
会場では、省人化と環境対応を両立した「サーマルトップラップ」などを実演しながら紹介するほか、日本酒ラベルに適した高耐摩耗和紙なども展示する。
主力展示となる「サーマルトップラップ」は、化粧ラベル・表示ラベル・封緘の3機能を1枚で実現するラップ型資材。型抜き工程が不要で抜きカスが発生せず、印字リボンも不要なサーマル発色方式のため、廃棄物削減にも寄与する。ブースでは装着機の「サーマルトップラップ機」による実演を行い、来場者に運用イメージを提示する。
さらに、結露が発生するチルド商品への貼付に対応する「チルピタ」シリーズ、プラスチック不使用でヒートシール可能な紙素材「ペーパック」、パームヤシ廃材を活用した「パームヤシックスラベル」など、環境配慮型資材も幅広く紹介する。
日本酒向けには、「ちぎり和紙」シリーズやクレープ加工紙といった、意匠性と高耐摩耗性を兼ね備えた特殊ラベルも展開。カラー印刷の上に透明インクを重ねることで立体感を演出できる「デジタルバーニッシュ」など、差別化を図る高付加価値提案にも注力する。
また、ラベリングシステムでは卓上型や円筒貼機など複数の実機を展示し、包装から物流までの省力化ソリューションを実演。加えて、奈良春日山酒造やでん六などの採用事例を通じて、企画から製造までのトータル提案力を訴求する。
名称:FOOMA JAPAN 2025
会期:6月10日(火)〜13日(金) 午前10時〜午後5時
会場:東京ビッグサイト 東1〜8ホール(東京都江東区有明3-11-1)
主催:日本食品機械工業会
https://www.foomajapan.jp/
【2025年6月3日】テンタックはプラスチック使用量を大幅削減したサステナブルパッケージ「フィルムレス」の新バージョン「フィルムレス Ver.2.0」をリリースした。
同製品は従来のプラスチックフィルムを使わず、紙製パッケージとして環境負荷の低減を実現し、ファスナー部分のみ生分解性のPLA素材を採用している。
PLAはトウモロコシやサトウキビなど植物由来の生分解性プラスチックで、持続可能な素材として評価されている。
Ver.2.0では印刷面のニスを刷新し、摩擦に強く色落ちしにくい仕様へ改良。接着糊も見直して耐水性と強度を両立させた。さらに大手検査機関による5項目のテストを実施し、高評価を得ている。
紙の自然な風合いを活かしつつ実用性と耐久性を兼ね備えた同パッケージは、環境に配慮した素材選びと品質追求を通じて持続可能な社会の実現に寄与する。
製品詳細
https://www.tentac.co.jp/filmless/
テンタック
https://www.tentac.co.jp/
【2025年5月30日】矢野経済研究所は、「国内外のバイオプラスチック市場に関する調査」の結果を公表し、2030年までの国内販売量予測を明らかにした。
同調査では、2030年には国産バイオマスナフサ由来の製品を含めた国内販売量が8万1,015トンに達すると予測している。
日本では従来、バイオPEやPLAなどのバイオプラスチックの多くを欧米から輸入しており、海外依存の傾向が続いていた。調査によると、2021年時点での国内販売量は4万2,000トンで、主にレジ袋や容器包装、農業資材、ストロー・カトラリーなどに利用されている。
近年、国土交通省が推進する持続可能な航空燃料(SAF)の導入により、その製造過程で生成される副産物のバイオマスナフサが注目されている。2025年から大手石油精製メーカーが国産SAFの製造を開始し、バイオマスナフサを原料とした国産バイオプラスチックの本格的な製造が始まる見通しという。
同研究所は、2030年までにバイオマスナフサの年間生産量が最大12万6,000トンに達すると見込み、これを活用したバイオプラスチックの市場成長を予測している。一方で、輸入バイオPEやPLAは減少傾向にあり、国産原料の導入が市場維持の鍵を握ると分析する。
今後は、CO₂由来化学品の活用なども視野に入れつつ、生分解性プラスチックのみに依存しない多様な技術導入が、日本市場における持続的成長に不可欠であるとしている。
調査期間は今年2月から4月まで。調査方法は専門研究員による面談・アンケート調査および文献調査を併用した。
詳細は矢野経済研究所の公式サイトで公開されている。
調査結果の詳細
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3826
問い合わせ
https://www.yano.co.jp/contact/contact.php/press
【2025年5月27日】TOPPANが開発した透過加飾フィルム「ダブルビューフィルム(海外名称:Dualsurf)」が、世界最大規模のディスプレイ学会「The Society for Information Display(SID)」の「2025 Display Industry Award, Display Component of the Year(年間最優秀ディスプレイコンポーネント賞)」を受賞した。
SIDは電子ディスプレイ分野の専門家・研究者で構成される国際的な学会で、同賞はその年に市場へ導入された最も優れたディスプレイ製品や技術に贈られるもの。TOPPANのダブルビューフィルムは、自然素材のような外観と高い透過性を兼ね備えた革新的な加飾フィルムとして評価を受けた。
同製品は、木目や石目といったリアルなテクスチャ表現を持ちながら、鮮明な映像表示も可能とする。通常の印刷技術では困難とされていた透過表示を、TOPPAN独自の光制御印刷技術によって実現した点が評価された。
現在、LCDやLEDディスプレイは店舗や公共空間、家電など幅広い分野で普及しているが、使用していない時の黒い画面がインテリアとしての違和感や、四角い画面形状がデザイン上の制約となることが課題とされている。ダブルビューフィルムは、こうした課題を解決し、ディスプレイが空間に自然に溶け込むスマートなデザインを可能にする。
同製品はTOPPANの建装材事業で培われた加飾技術をもとに開発されており、インテリア性と機能性の両立を図る製品として今後の展開が期待されている。
製品の詳細は以下から
https://forest.toppan.com/products/solution/double-view/
【2025年5月24日】東洋製罐グループホールディングスは6月下旬、「猫舌ふーふー」を販売する。
この製品は、同社グループが推進するオープンイノベーションプロジェクト「OPEN UP! PROJECT」の取り組みの一環として、2020年にユカイ工学と共同開発したコンセプトモデル「猫舌フーフー」を製品化したもの。
愛らしい猫型のデザインと熱い食べ物を冷ます機能を備えたこのロボットは、家庭向けだけでなく、飲食店や食品メーカー向けの展開も視野に入れている。
製品は市販の食器のフチに取り付けると、小型ファンが起動し、「ふーふー」と息を吹きかけるように風を送って熱を冷ます。風量は一定とランダムの2モードがあり、実用性と遊び心を兼ね備えた構造だ。
現在、国内外のクラウドファンディングプラットフォームを通じて先行販売中で、日本国内ではKibidangoとGREEN FUNDING、海外ではKickstarterを通じて支援を募っている。
開発を担当した東洋製罐グループ イノベーション推進室長の三木逸平氏は、「これまで『温める』技術を追求してきた当社にとって、『冷ます』という逆転の発想は初の試みだった。ユカイ工学との協業により、機能性と感性を両立するモデルを実現できた」と語っている。
同グループでは、「猫舌ふーふー」のBtoC販売をユカイ工学が担当する一方、飲食店での活用やノベルティ用途などBtoB市場向けの販路開拓を進める。今後も顕在化しにくいニーズを捉えた製品開発を通じて、プロジェクトのビジョンである「持続可能な未来の暮らしの実現」を目指す。
国内向け
Kibidango:https://kibidango.com/2749
GREEN FUNDING:https://greenfunding.jp/lab/projects/8838
海外向け
Kickstarter:https://www.kickstarter.com/projects/yukaienginnering/nekojita-fufu
【2025年5月8日】ブラザーが開発した新形状の小型軽量パルプモールド緩衝材が、世界包装機構(WPO)が主催する「ワールドスター2025」で「ワールドスター賞」を受賞した。
同賞は、包装分野における国際的なコンテストであり、1970年から実施されている。応募資格は、WPOが承認する国・地域レベルのコンテストで入賞した包装製品。
今回ブラザーは、同パルプモールドが「2024日本パッケージングコンテスト」で入賞していたことから、同賞への応募資格を得ていた。
「ワールドスター2025」には、40カ国から過去最多となる550点が応募され、そのうち260点が受賞。授賞式は5月30日にイタリア・ミラノで行われる予定である。
受賞対象となったパルプモールドは、緩衝性能を維持しながら小型・軽量化を実現したもので、製造や輸送時に発生するCO₂の削減につながる設計となっている。また、ブラザー独自の衝撃シミュレーション技術を活用することで、試作回数の削減と短期間での開発を可能にした。
同社では、パルプモールド開発の詳細やインタビューを紹介する特設ページ「ブラザー SDGs STORY」を公開しており、関連動画も日本語および英語で視聴可能である。
パルプモールド開発の詳細
https://sdgsstory.global.brother/j/customer/777/(日本語)
https://sdgsstory.global.brother/e/customer/778/(英語)
【2025年5月7日】サトーは、液体入りガラスボトルに対応したRFIDタグと連携する棚卸機能を、リレーションデザイン研究所が提供する業務用ワイン管理アプリ「winecode」内で実装し、提供を開始した。
同社は、自動認識技術を活用したソリューションなどを行う企業で、1940年の創業以来、90を超える国・地域で事業を展開し、2024年3月末時点での連結売上高は1,434億円。
新たに提供されるアプリはWeb、iOS、Androidに対応しており、RFID対応の棚卸機能を通じてワインや日本酒などの在庫管理をデジタル化する。試験導入を行った飲食店では、約200本のワイン在庫の棚卸を60秒未満で完了し、業務の効率化と省力化が見込まれている。
飲食店や酒販店では、これまでワインラベルの目視確認とExcelや紙帳票による手作業での在庫管理が主流であった。ワインはセラー内に1本ずつ保管されることが多く、銘柄の判別にも専門知識が求められることから、棚卸作業にはソムリエなど有資格者が多くの時間を要していた。
サトーが開発したRFIDタグと連携機能は、こうしたアナログな業務プロセスを改善するものであり、酒類を日常的に扱うインポーター、メーカー、飲食店、ホテル、酒販店などにおける業務DXを支援する。
winecodeアプリ内へのRFID棚卸機能の実装(Web/iOS/Android対応)
https://site.winecode.app/
サトー製の液体入りガラスボトル対応RFIDタグ
https://www.sato.co.jp/about/news/2024/release/09-11-1.html
RFID対応ラベルプリンタ「SCeaTa CT4-LX RFID」
https://www.sato.co.jp/products/printer/ct4-lx-rfid/
【2025年4月25日】ロッテは、家庭で廃棄されがちな箱アイスのパッケージを使った工作企画「ロッテ箱アイス企画」を公開した。
対象商品の空き箱を活用し、工作やゲームとして再利用できるコンテンツを展開している。
企画は3種のカテゴリーで構成されている。「つながるお部屋シリーズ」では、8種の商品のパッケージをつなげて室内風の立体工作が作れる。また、「あそびシリーズ」は6種のパッケージごとに「すいかばマンを探せ!」や「ちがいさがし」などのミニゲームが楽しめる仕組みとなっている。「ミニチュア部」では10種の箱側面を使用し、商品を1/6スケールで再現できる。
対象商品には「スイカ&メロンバー」「モナ王マルチ」「ミニ雪見だいふく」「クーリッシュ マルチ」などの定番アイスが含まれており、価格は税込453円~626円前後となっている。
ロッテは、本取り組みを通じて「捨てずに遊ぶ」体験の提供と、サステナブルな消費行動の促進を目指すとしている。
ロッテ箱アイス企画 特設ページ
https://www.lotte.co.jp/atelier/packagecraft/
【2025年4月18日】プラグが提供する「CrepoパッケージデザインAI」が、5月12日発売のピジョンの新商品「オレンジのぎゅぎゅっと野菜」「赤のぎゅぎゅっと野菜」でデザイン開発に活用された。
同AIは、デザインの生成から評価までをAIで支援するシステム。今回の事例では、従来2週間かけて5案程度だったデザイン開発が、1週間で約100案の生成できる。
今回は、ピジョンの各部門担当者とプラグのデザイナーが一堂に会し、生成案をもとに方向性を議論できる。初期段階でデザイン案を具体的に共有することで、認識のズレなく迅速な合意形成が可能になり、効率的な開発が進んだ。
生成された案をもとにデザイナーが再構築した後は、同AIの評価機能を活用。1,300万人分の消費者調査データを学習した評価AIが視認性や好意度を予測し、より効果的なデザインへとブラッシュアップされる。
同AIを使うことで、開発期間の短縮やコスト削減、業務効率化、情報漏えいリスクの軽減などが期待されており、既に複数のメーカーで導入実績がある。「第4回日本サービス大賞 総務大臣賞」や「スタ★アトピッチJapan」アトツギベンチャー部門賞なども受賞している。
サービス詳細
https://hp.package-ai.jp/
プラグ
https://www.plug-inc.jp/
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