【2025年9月18日】日本パッケージデザイン協会(JPDA)はこのほど、第4回となる学生パッケージデザインアワード「日本パッケージデザイン学生賞2025」の1次審査を終了。応募858点のうち252点が2次審査に進んだと発表した。
最終審査は10月下旬に実施され、今年度の大賞や金賞など各賞が決定する。
同アワードは「FUN」をテーマに、食品や菓子、飲料、化粧品、家庭用品、文具雑貨、医薬品、電気製品など生活者向け商品のパッケージデザインを対象に学生からアイデアを募るもの。
JPDA会員審査員と外部特別審査員がデザイン性や創造性を審査し、大賞・金賞・銀賞・銅賞・特別審査員賞などを選出する。入賞作品は『パッケージデザイン年鑑2027』に収録される予定である。
2次審査はモックアップの写真や3Dデータを用いた画像審査で行われ、最終審査員には資生堂や味の素、森永製菓、カゴメなど企業のデザイナーやクリエイティブディレクター、さらに文筆家の甲斐みのり氏やコクヨのアートディレクター佐々木拓氏ら計15名が参加する。
贈賞式は11月26日に予定されている。
スケジュールや詳細は応募専用サイトで確認可能。
応募専用サイト
https://student.jpda.or.jp/
【2025年9月18日】竹尾は10月10日(金)から12月7日(日)まで、大阪・淀屋橋のショールーム「竹尾 淀屋橋見本帖」で、企画展「PAPER & TRIAL ─GMUND COLORS MATT & KAKO FUJITA─」を開催する。
「PAPER & TRIAL」は“紙とデザインと実験”をテーマにした企画展で、今回が第五弾となる。展示の中心となる「グムンドカラーマット-FS」は、ドイツのグムンド社が製造するファインペーパーで、全48色のカラーバリエーションを持ち、同社独自のカラーシステム「Gmund Colors」に基づき調和のとれた色設計がなされている。
本展ではアートディレクターの藤田佳子氏が手掛けた、グムンドカラーマット-FSを用いたVカット加工の貼箱を展示する。Vカットは芯材にV字の溝を入れて折り曲げる加工方法で、シャープな角を持つ箱が形成できる。藤田氏は溝の角度を再設計し、見る角度によって形が変化して見える造形を実現した。
また、10月10日(金)には関連トークイベントを開催。藤田氏とUMA/design farmの原田祐馬氏が登壇し、展示の見どころや制作の舞台裏を語る。会場は芝川ビル モダンテラス(大阪市中央区)で、参加費は無料(要予約・先着順)。
展示会名:「PAPER & TRIAL ─GMUND COLORS MATT & KAKO FUJITA─」
会期:2025年10月10日(金)~12月7日(日)午前11時~午後6時(会期中無休)
会場:竹尾 淀屋橋見本帖(大阪市中央区今橋4-1-1 淀屋橋odona 1F)
企画:淀屋橋見本帖、UMA/design farm
協力:江戸堀印刷所、テトララボ、名古屋芸術大学 印刷工房
☎06-6232-2240
【2025年9月17日】ラクスルは、パッケージ印刷に特化したECサービス「ラクスル パッケージ」を開始した。
チラシや名刺などの商業印刷に加え、ブランド価値を高める化粧箱印刷領域に参入し、中小企業のブランディング活動を支援する。
新サービス「ラクスル パッケージ」では、パッケージの幅・奥行・高さを指定すると、自動で製造可能かを判定し、納期やロット別の価格を瞬時に提示する仕組みを導入した。定型サイズの発注も選択でき、コストを抑えたスムーズな注文にも対応する。
また、常設のメッセージ機能を通じて、パッケージ印刷に精通したオペレーターへ無償で相談できる体制を整えた。寸法や仕様の検討段階から専門的なサポートを受けられるのが特徴だ。さらに、本番注文前に箱の試作を希望する声に応え、無地箱のサンプルを無料で提供する。サイズや紙質、印刷イメージを事前に確認できるため、完成品のイメージ違いを防ぎやすい。
従来の業者に依頼する際に必要だった打ち合わせや見積もり、サンプル制作といった工程を大幅に簡略化することで、発注の手間と時間を削減する狙いがある。ラクスルは順次、化粧箱以外のパッケージカテゴリへも拡充を進めるとしている。
国内のパッケージ印刷市場は約1.5兆円規模とされ、商業印刷や事務用印刷と並ぶ大きなマーケットとなっている。一方で、複雑な寸法指定やデザイン面の課題からEC化が進んでおらず、国内では未開拓領域が多い。欧州では既に一般化していることから、国内でも高い成長余地があると同社はみている。
利用者アンケートでは、「既存業者はロットが大きく価格が高い」「サイトで価格や納期が分かりにくい」といった不満が多く寄せられていた。これを受けて、同社は発注のしやすさを重視した専門ECを立ち上げ、まずは化粧箱カテゴリから展開する。
これらの仕組みにより、従来必要だった打ち合わせや見積もりの手間を削減し、短時間で発注できる環境を整えた。同社は今後、化粧箱以外のカテゴリにも順次拡大する予定だ。
ラクスル パッケージ
https://package.raksul.com/paper-box
【2025年9月17日】TOPPANデジタルは9月29日(月)~10月1日(水)まで、モナコで開かれる欧州最大級の高級包材国際展示会「Luxe Pack Monaco 2025」に出展する。
TOPPANデジタルは2019年から同展示会に連続出展し、IoTソリューションの提案を続けてきた。これまでに高セキュアなNFCタグやID認証プラットフォームを用いた実績を多数積み重ねており、欧州のラグジュアリーブランドとの導入事例も拡大している。
今回のブース(番号:RD13BIS)では、化粧品・香水ブランドが抱えるトレーサビリティや在庫管理、デジタルプロダクトパスポート(DPP)対応といった課題に向けたデジタルソリューションを紹介する。
背景として、化粧品業界は複雑なサプライチェーンを有しており、製品の動きをリアルタイムで把握する仕組みの必要性が高まっている。加えて、EU域内で段階的に導入されるDPP規制への対応も喫緊の課題だ。
TOPPANデジタルは、NFCタグを用いたID認証ソリューションにより、在庫最適化や効率的なリコール管理を実現し、こうした課題に応える。
ID認証プラットフォーム
NFCタグにデジタルIDを付与し、製造から販売までのトレーサビリティを確保。店頭在庫や消費期限切れ製品の可視化、リコール対象の特定を迅速に行える。
NFC機能内蔵型スマートパッケージ
紙器構造にNFCタグを内蔵し、デザイン性と機能性を両立。タグ取り出しを防ぐ脆性設計や開封検知機能を備え、真贋判定や流用防止に対応する。
LEDタグ
スマートフォンをかざすと光る仕様で、ブランドストーリーを演出し、顧客体験を高める。
金属対応タグ
金属製パッケージでも安定通信を実現。これまで利用が難しかった製品へのNFC対応を可能にする。
ミニタグ
直径7~10mmの小型サイズで、口紅やマスカラなど小型化粧品への導入に適する。
イベント概要
名称:Luxe Pack Monaco 2025
会期:9月29日(月)~10月1日(水)
【2025年9月17日】TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANデジタルは、金属素材のパッケージが混載されていても安定的に読み取り可能なインデックスICタグを開発した。
主に病院における医療製品のSPD(院内物流管理)業務への活用を想定し、11月から販売を開始する。
新開発のICタグは、長距離通信が可能なUHF帯タイプで、プラスチックや紙、アルミといった異なる素材のパッケージが密集している環境でも、数メートル単位の通信距離を維持できる。
ラベルの一部を貼り付け、先端部分を突出させる構造を採用。医療製品の入出庫や棚卸を効率化し、医療現場のDX推進に寄与する。
TOPPANデジタルは独自のアンテナ設計技術を活用し、金属による電波遮断の課題を克服。非金属と金属が混在する環境でも安定的な読み取りを可能にした。また、ICタグ同士が数ミリ間隔で密集した状態でも一括読み取りが可能となるなど、通信性能を高めている。さらにラベルは14.5×70ミリのアンテナ寸法で設計され、貼付作業の容易さも考慮した。
同社は医療機関や物流管理企業を中心に提供を進め、2026年度に関連受注を含め約20億円の売上を目指す。
【2025年9月16日】サトーは、複数のファイルや書類を積み重ねた状態でも高精度に読み取れる新型RFIDタグを開発した。11月から国内企業向けの提案を始め、書類・ファイル・書籍の効率的な管理と業務DXの推進を目指す。
従来のRFIDタグは積層状態で通信性能が低下する課題があった。サトーは独自のアンテナ構造を採用することで、厚さ0.2ミリのクリアファイル100枚を積み重ねてもハンディリーダーで全件を読み取れる性能を実現した(同社検証結果)。定置式リーダーでも50枚のファイルを積層した状態で全件読み取れるという。
開発にはスウォンジー大学栄誉教授であり法政大学名誉教授の中野久松氏の技術指導を受けた(特許出願中)。
新型タグは契約書や設計図などの文書管理に加え、棚や段ボール保管物の在庫管理、本やカタログ類の一括管理、さらには梱包箱や樹脂素材に貼り付けた状態での読み取りなど幅広い場面で活用できる。
対応プリンタは「スキャントロニクス CL4NX-J Plus(UHFモデル)」で、ラベル面への印字とRFIDデータ書き込みが可能である。
サトーは今後、企業や公共機関、教育機関を対象に導入を推進し、RFID活用による業務効率化と高度化を支援する方針である。
ハンディリーダー:クリアファイル100枚積層で全件読み取り可能
定置式リーダー:クリアファイル50枚積層で全件読み取り可能
【2025年9月11日】長崎県波佐見町でパッケージの企画・製造を手がける岩㟢紙器は9月19日、長崎県東彼杵郡に、複合施設「そとがわとなかみ」を開業する。
積み上げられた貼り箱をイメージした建物で、ショップやショールーム、ギャラリー、カフェなどを備え、ものづくりと人々の交流を促す新拠点となる。
同社は1960年(昭和35年)の創業以来、貼り箱を中心に地域と歩んできた企業。
「そとがわとなかみ」は、1階にはオリジナル商品や取引先製品を揃えた「Shop & BOX LAB」を設置。来場者が自ら紙やパーツを選んでオリジナルの貼り箱を制作できる「BOX LAB」では、機械の動きや職人の手仕事を体験できる。
2階には、これまでに製造した貼り箱や素材サンプルを展示する「BOX MUSEUM」と、長崎のブーランジェリー「JUNE COFFEE」が監修するカフェ「なかみcafé」を設ける。
ギャラリースペースでは国内外のアーティストやメーカーによる展示を開催し、オープニング企画展として「NONFICTION展」を11月3日まで行う予定。
また、工場見学ツアーを平日限定で実施し、製造現場を間近で見学できる機会を提供する。開業記念イベントとして10月11日には「そとがわとなかみ、そのあいだ」と題したトークショーを開催し、建築やデザイン、ディレクションを手掛けたメンバーが構想から完成までの裏側を語る。
同社では、新施設を通じてパッケージの新たな価値や可能性を発信し、地域資源を生かした産業観光やまちづくりへの貢献を目指す。
【2025年9月11日】SCREENグラフィックソリューションズとSCREEN GPジャパンは、10月7日から10日まで東京ビッグサイトで開催される「JAPAN PACK 2025[日本包装産業展]」に出展する。
今回のテーマは「パッケージに彩りを」で、最新のデジタル印刷機や関連ソリューションを披露する。
パッケージ市場では、ブランド価値向上や消費者への特別感の提供に加え、フードロス削減や環境負荷低減が重要課題となっている。
これに対応し、同社は「在庫削減」「多品種小ロット対応」「テストマーケティング」を可能にする印刷技術とともに、「環境負荷低減」「作業環境改善」「モノマテリアル対応」などのニーズに応える展示を行う。
主な出展機は、フィルム軟包装向け水性インクジェットデジタル印刷機「Truepress PAC 830F」と紙軟包装向け「Truepress PAC 520P」。
いずれも食品包装の安全規制に準拠した水性インクを搭載し、環境性と安全性を両立する。また、シール・ラベル市場向けには「Truepress LABEL 350UV SAIシリーズ」を紹介し、高速・高品質な印刷に加え、白インクや広色域対応による差別化提案を行う。
さらに、欧州で環境配慮型装置を展開するCOMEXI社の印刷・加工機によるサンプル展示や、韓国Valloy社の省スペース・スキルレス設計のトナーデジタルラベル印刷機「BIZPRESS 13R」の実機デモも予定している。
同社は「最新のデジタル技術とパートナー各社との協業による幅広いソリューションで、サステナブルなパッケージの未来を会場で体感してほしい」としている。
展示会公式サイト:https://www.japanpack.jp/
SCREENグラフィックソリューションズ:https://www.screen.co.jp/ga/
【2025年9月10日】シンクイノベーションはこのほど、「缶バッジの高速自動機」や「ナスカン取り付け自動機」を含む7つの製品を自社開発し、機器や販売に関する説明会を9月9日、東京都港区の産業貿易センターで100人超を招き行った。
同社はアクリルキーホルダーやアクリルスタンド、Tシャツのプリントなどオリジナルグッズの制作と販売で知られており、缶バッジもそのラインアップの一つとして近年受注数を伸ばしていた。一方で缶バッジをはじめとしたグッズ作成やアセンブリ(袋詰め)は手作業が多く、コストアップの原因となっていた。
自動機の開発はユニテックス(長野)と協業で行い、今後も共同で開発と販売を進めるという。ユニテックスは2001年創業で、長野県駒ヶ根市に本社を置く自動化・省力化機器メーカー。加工や組み立て、検査、梱包の作業をロボットなどに転換する支援を行っている。
今回発表されたラインアップは以下のとおり。
缶バッジ量産型 高速自動機
缶バッジフレキシブル自動機
ナスカン取り付け自動機
OPP袋入れ自動機
ラベル貼り自動機
Tシャツたたみ自動機
ペット用3Dスキャナ
このほか、開発中の製品も多数あるという。
目玉となる「缶バッジ量産型 高速自動機」は、1時間に7000個の生産が可能。プリントから切り抜き、挟み込みまでを完全自動化し、人員を配置する必要がない。従来の缶バッジ自動製造機は、早いものでも1分間に20個程度で、オペレーターが素材を供給し続けるなど半自動のものが多かった。
「缶バッジフレキシブル自動機」は、その簡易型で、缶バッジ制作のコア部分を自動化する。
「ナスカン取り付け自動機」は、アクリルキーホルダーなどにチェーンを取り付ける際のナスカン作業を自動化するもの。
「OPP袋入れ自動機」「ラベル貼り自動機」は、袋詰めと封入を自動化し、これまで人員を多く割いていた部分を効率化する。
「Tシャツたたみ自動機」は、プリントしたTシャツを封入する前の折り畳み工程を自動化。従来も折りたたみ機はあったが、人がTシャツを置き続ける必要があった。同機では20枚程度をセットすれば、自動で折りたたむ。
「ペット用3Dスキャナ」は、同社が進めるフルカラー3Dプリント用に開発された撮影機器で、需要の多い中小型犬サイズに特化。従来機より大幅に小型化され、イベントなどへの持ち運び利用を見込む。
いずれも自社で使用した上で他社へ販売し、要望があればユニテックスと共同で開発を進める。同社は今後、機器販売事業を拡大させたい考えで、2028年までに100億円の売り上げを目指す。
一般向け披露は9月30日から10月1日、池袋サンシャインシティ文化会館で開催される「OGBS 2025」を予定している。
問い合わせはシンクイノベーション営業(052-212-859)まで。
1年間で7台の自動機を開発したが、これには理由がある。
日本では5年後、最低賃金が1500円となり、労働人口は300万人減少すると予測されている。時給が上がるということは、自動化する会社とそうでない会社でコスト差が生じることを意味する。
また、自動化により以下の効果が得られる。
これらにより、グッズ業界の自動化を進めていきたい。
【2025年9月10日】「JAPAN PACK 2025[日本包装産業展]」(主催:日本包装機械工業会)の事前登録が開始された。
同イベントは10月7日(火)から10日(金)までの4日間、東京ビッグサイトで開催される包装関連の見本市。今回で35回目を迎え、包装関連産業の最新技術・製品が一堂に会し、90を超える併催プログラムが展開される。
今回の特別企画は「包装×DX」「包装×GX」コーナーだ。DX分野では、生産性向上、リモートメンテナンス、人手不足解消、技術伝承に関する58のソリューションを紹介。GX分野では、環境配慮設計、省エネ・省資源、包材使用量削減、食品ロス削減に関する54のソリューションを展示する。
すでに9月1日から特設サイトが公開されており、各ソリューションの概要や現場課題に対する解決策がオンラインで確認できる(https://www.japanpack.jp/project/special/)。
会期中は展示に加え、見どころツアーや特別セッションを実施。10月9日には、プラスチック使用量削減包装システムや環境対応印字技術、非加熱殺菌方式などGX関連の発表が行われるほか、DX分野ではオンライン部品見積もりシステムや食品工場における検査工程の革新などが紹介される。
10日には、磁気浮上型搬送システムやリモートメンテナンス事例の発表も予定されている。
さらに新企画として「研究成果発表プロジェクト」を開始。愛知県立大学、日本女子大学、金沢工業大学など全国12大学の学生が参加し、AI、バイオプラスチック、地域循環型社会、食品ロス削減などをテーマに研究成果を展示・発表する。10月9日には伊早坂嗣会長と学生によるパネルディスカッションを開催し、日本の未来社会における包装産業の役割を議論する。10日にはミニプレゼン形式のポスターセッションも予定されている。
「JAPAN PACK 2025」ではこのほか、優れた新製品を表彰する「JAPAN PACK AWARDS 2025」や、業界を代表する講師によるセミナーも多数開催される。各プログラムの聴講には事前登録が必要で、詳細は公式サイトにて案内されている。
JAPAN PACK 2025[日本包装産業展]
https://www.japanpack.jp/
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