ランダの目指すもの
現在、ランダが目指しているのは、デジタル印刷機がアナログ印刷にとって代わるためのさまざまな仕掛け。
まずは水性インクを使っての「オフセット並みのコスト」を目指している。
「印刷サイズ」もランダは1m幅の大きいものから始め、後から狭い幅のものを作る。この方が簡単に技術を移転できるというのだ。
そして「印刷可能な被印刷体の種類を増やすこと」。
インクはナノ顔料を使うことでさまざまな変化がある。
インクは多くの水分が含まれており、印刷後にこれを蒸発させて乾燥させているが、ナノグラフィーは印刷前にインクの水分を蒸発させる。これにより、超薄膜厚を実現し、オフセットインキの膜厚の半分くらいで印刷できる。
ナノインクはブランケットに射出後に乾燥され、印刷本紙に転写する。このため水分の浸透が少なく、どのような被印刷体にも印刷が可能だ。
画質は確実に上がってきており、7色印刷の場合にはフルパントーンの75%の再現領域を持っている。
ランダ「S10」の標準仕様はCMYKの「4色システム」で、片面印刷。オプションにより7色と反転両面印刷、インラインコーターにも対応する。操作はタッチパネルで行い、だれでも簡単に運用できることを目指す。drupa2016では数台が展示される予定とのこと。
まとめ
オフセットだけでも、デジタルだけでも、印刷に対する要求を満足させることはできない。デジタル印刷には多くの課題が存在し、米国のある教授は「デジタル印刷がオフセット印刷の量を超えるのは2050年ごろ」と分析しており、しばらくはさまざまな手法を使いながらその時点で最適なものを選んでいくしかないだろう。
当社ではそのための最適な印刷前後の組み合わせ、最適資材の研究を行い市場に投入していく。
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