【2025年6月19日】エプソンは、立体物への直接出力を可能にする「Direct to Shape Printing System」を、国際見本市「Automatica 2025」(6月24日~27日・ドイツ、メッセ・ミュンヘン)で初展示する。
海外での披露は今回が初めてで、これを機に本格的なグローバル展開を開始する。
同システムは、エプソン独自のPrecisionCoreプリントヘッド「S800」と産業用6軸ロボットを組み合わせたソリューション。S800はPrecisionCoreヘッドの中で最も小型であり、溝や曲面といった複雑形状へのプリンティングに対応する。さらに、ヘッドの独立昇降機構により、印刷物の形状に沿って精密に追従し、600dpi×600dpiでのプリントを実現した。
用途は、スポーツ用ヘルメットや自動車部品、家電、アパレル雑貨など、多様な立体物へのプリンティングとしており、加飾用途だけでなく、導電性インクを用いたセンシング機能の印刷やコーティング用途への応用も視野に入れる。
従来のアナログ印刷工程に比べ、人手を介さずに自動化が可能で、省スペース化と作業効率化を実現。また、必要な箇所に必要な量だけインクを吐出するインクジェット方式により、材料使用量の削減と環境負荷も低減する。
さらに版の不要化により、パーソナライズや少量多品種対応可能で、加飾表現の自由度も向上するという。
エプソンは、長野県富士見町の「インクジェットイノベーションラボ富士見」で本技術の開発を進めてきた。今後はドイツ法人Epson Deutschland GmbHに展示システムを常設し、顧客の基材でのテストプリントや性能評価を可能とする体制を整備し、グローバル市場に向けた社会実装を本格化させる。
また、装置単体の提供にとどまらず、インク選定や画像処理技術、アフターサービスを含むトータルソリューションとして展開し、最適なパートナーとの連携による導入支援も強化していく構えだ。
【関連リンク】
インクジェットプリントヘッドの詳細:https://www.epson.jp/products/inkjet/head/
PrecisionCore技術概要:https://corporate.epson/ja/technology/overview/other/precision-core.html
産業用ロボット情報:https://www.epson.jp/products/robots/
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