【2016年1月23日】日本フォーム印刷工業連合(フォーム工連)は1月21日、東京都文京区関口のホテル椿山荘東京で「平成28年新春講演会」を開催し120人が出席。「対談『ドイツと日本を語り合う』」と題して、ドイツ好きの日本人である日本ドイツワイン協会連合会の小柳才治会長と、日本好きのドイツ人であるメッセデュッセルドルフ・ジャパンのアンドレアス・メルケ社長が日本とドイツの文化や経済、歴史などについて語った。
小柳 私は声楽家を志したが挫折。叔父から「ドイツでワインでも勉強してくれば」と言われて、それから間違った人生が始まってしまった(笑)。現在はドイツワインの輸入と、その普及に携わっている。
メルケ メッセデュッセルドルフは世界のメッセ(展示会場)ランキングで5位、ドイツのメッセでは2位という会社。展示会場の大きさは東京ビッグサイトと幕張メッセを合わせたほどだ。
なんと世界の展示会の3分の1がドイツで行われる。ドイツの企業の展示会参加率は85%。展示会によって22万人の雇用がある。
2016年のdrupaは3Dプリント7社が出展、プリント4.0が話題になりそうだ。
6月7日に日本関連のイベントを行う。ぜひ来ていただきたい。
小柳 私が留学していたころには、日本の先発隊ともいえる企業がやってきて、デュッセルドルフにいた。
日本食を食べたいと思うとデュッセルドルフに行ったことを思い出す。
メルケ 三菱商事が最初たっだと思う。今は日本からの投資を維持するために市役所にジャパンデスクがある。
日本人がシェフの二つ星レストランや、日本人の学校もあり、お寺までがある。
日本人の人口はデュッセルドルフでは不可欠なものになっている。
小柳 欧州で信用できる国と言えば、まず義務教育で英語を習っているので、皆さん英国に行く。ところが、英国は島国で、ちょっと欧州では立場が違う。
実際、欧州を動かしているのは豊かなドイツ。最近はテロや難民の問題があるが、なんといってもドイツは欧州の中心国だ。
実はワインと印刷機は関係がある。あのグーテンベルクはワインを絞るプレス機を見て印刷機を思い付いたという。
親日家が多いドイツ。しかし、今は少し関係が浅くなっているのではないか。
メルケ 両国は明治の時代から親交を重ねてきた。
日本人とドイツ人は真面目なところ、仕事をしっかりするところが似ている。
確かに最近は少し、互いの関係は薄くなっている気がする。今、ドイツの若者は日本のポップカルチャーに興味があるようだ。
小柳 私はドイツワイン協会の仕事で、前駐日ドイツ大使のシュタンツェルさんには、非常に助けていただいた。大使は日本語学科を出ており、日本語がうまい。駐日大使で初めて日本語でブログを書いたのも彼だ。
彼は合気道を趣味にしており、それが日本との縁となった。文化を知ることが、国と国の関係を強くする。
メルケ 文化は人のつながりとなる。ベルリンにソニーの拠点ができたのは、大賀さん(典雄・初代社長)がベルリンフィルを好きだったから(笑)。
人間同士の関係は本当に重要。情報技術が進んでいる時代に「メッセは不要じゃないか」と言う人もいるが、ビジネスに必要不可欠な人間関係を作るのはメッセだと思っている。
小柳 欧州の展示会は買いに行くということを前提にしているから、発展していくのではないか。ワインでも同じ、何を、どこで、どう売るかということを欧州人は常に考えている。
ワインでは「ProWein(プロワイン)」という世界最大のワイン展示会が3月にあるが、これもメルケさんの会社のメッセが会場だそうだ。
メルケ 展示会はデジタルをリンク、インターネットを使ったものになっていく。日本ではそれが少し遅れている気がする。
日本の政治家の皆さんも産業の発展についての法律の整備をしていただきたい。
Drupaは3年に1度の開催に周期を変更し、他のイベントにも影響があったが、どんどん変えていく。
プロワインでは従来、日本酒が展示できなかったが、日本食ブームの中でこれも変えて出品できるようにした。
小柳 大きなワインの展示会は各国にあるが、あくまで国単位。その中で世界中が集う最大の展示会がプロワイン。その主催をメルケさんのところがしているというのは今日まで知らなかった。
これも人との不思議なつながりを感じる。
以前に青山学院大学がドイツで演奏旅行をし、私がそれを支援させていただいた。ほとんどお金がない中で人との縁を頼りに大成功を収めた。音楽は国境を越えた。文化を通じて行えば、正攻法ではできないことが可能になると感じる。
とにかく、ワインを飲めばどんな人とでも仲良くなれる(笑)。
メルケ 賛成です。音楽とお酒は国境を超える(笑)。
日本ドイツワイン協会連合会 http://dwgjp.com/
メッセ・デュッセルドルフ・ジャパン http://www.messe-dus.co.jp/
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