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【この人に聞きたい!】パッケージにもファン熱狂!?「明治ザ・チョコレート」・後編 明治 山下舞子専任課長


【2018年3月9日】明治が2014年に発売した「明治ザ・チョコレート」は200円超という一般的な板チョコの倍ほどの価格にもかかわらず、2016年にリニューアルしてから爆発的ヒットを記録した。

明治ザ・チョコレート

前編ではその開発コンセプトやその思い、農園から作り上げるきめ細やかな製法などについて紹介した。
後編ではいよいよ、社内でも反対があった…?というパッケージについて、また販売後にそのパッケージにファンが現れ意外な展開に…。
明治菓子用品開発部の山下舞子専任課長スペシャリティーチョコレート担当に話を聞いた。

明治ザ・チョコレート 山下舞子氏

【この人の聞きたい!】パッケージにもファン熱狂!?「明治ザ・チョコレート」・前編

 

上層部は反対?パッケージ決定秘話

――ヒットした要因の一つとしてパッケージデザインをあげる方も多く、箱のファンもいます。デザイン開発の経緯を教えてください
2016年のリニューアルで行ったパッケージデザインは、スペシャリティーチョコを幅広いお客様に知っていただきたいとの思いから「チョコレートのシンボル化」を目指しました。
このため、複数の社外デザイン会社に依頼し、十数種類のデザイン案をいただき、そこから現在のパッケージを選定しました。
デザインは中央部にカカオの実を配置し、そこに箔をあしらったもので、それぞれのフレーバーごとに色やパターンを変えています。

――シンプルでこれまでにないチョコレートのイメージと感じました
このパッケージはチャレンジでした。
従来のチョコレートの包装は、どちらかというと情報てんこ盛りが普通です。
「NEW」「〇〇味」などと表記され、赤、黄、金色など派手な色づかいで、一部に「裸品(らひん)」と呼ばれる商品の写真が入り「シズル感」を表現していました。
そして「パッケージを見れば中身もだいたいわかる」というのが大事なこととされてきました。

しかし、この「明治ザ・チョコレート」は、お客様に大事に食べていただきたいという思いから、カカオを象徴的に配置したこのデザインにしたのです。

パッケージ中央に配置したカカオのマークと箔押しに加え、包装に使われている紙も、テクスチャー感のあるザラっとした素材を使用し高級感を出しています。
また、封を開けると箱の内側と個包装にも、フレーバーを象徴する色でグラフィックパターンが描かれており、このデザインも楽しめるようにしました。

――このデザインにしたことで、販売時にどのような効果を期待しましたか
高級感と手作り感のあるパッケージは、コンビニやスーパーの棚に専門店のような雰囲気を醸し出すことを目的としました。お客様が棚に向き合った瞬間に気分が変わる「マインドスイッチ」の役割を果たすと考えています。
包装にも気を使うことで、最終的には作り手の気持ちや顔が伝わってほしいと思っています。

――社内からは「中身が見えない商品は売れない」との反対もあり、それを打ち破って発売したと聞いています
例の反対する会社上層部へ「あなたの年代がターゲットではない」と担当者が言い放ったという記事ですね(笑)。

実は担当者自身が「これは本当に売れるのだろうか?」と当初考えていたのです。
このため、ターゲットとする世代へアンケートを行ったところ、非常に好評な結果だったことから、その数値を上層部に見せて「私もそう思っていましたが、数値ではターゲット世代に良好な結果でした」「私やあなたの世代がターゲットではありません」と客観性を持ったデータを示したというお話です。
記事は、言葉の最後の部分を好意的に取り上げていただいた感じですね。

ですから、当社、上層部も納得して発売しています(笑)。

 

使って遊べるパッケージに!?

――商品のターゲットはどのような方でしょう
開発チームでは、メインターゲットを「50代女性」としました。
子育ても落ち着いて、自分の時間を楽しみたい、食に関する経験もあり、自分が使えるお金もある方というイメージです。このチョコの本質的な価値を理解していただく世代はこのくらいの方ではないかと思っていました。

――実際にはいかがでしたか
もっと幅が広く、サブターゲットと考えていた「感度が高い30代女性」や、もっと若い女性にも好評をいただいています。
また、思考や文化でいいますと「50代男性」もサブターゲットとしており、認知を広めていきたいと考えています。

――パッケージにはチョコレート文化を広める工夫もあるそうですね
パッケージの裏面には先ほど言った「花香」「果実香」「ビター感」「甘味」「ミルク感」「酸味」「ナッツ感」という分類を、チャートにして表現しています。

チャートはワインの表現を参考にしており、こういった分類から、より深く基本的なカカオのおいしさを、言葉に表して楽しんでもらう文化を醸成できればと期待しています。

――発売後に大変だったことなどは
売り場では商品を1種類か2種類並べるだけでは、世界観が伝わらないので、全種類を並べていただく棚取りをお願いしました。これが大変だったと聞きます。
当社営業も頑張り、流通各社にも協力いただき、その結果、しっかりと棚をいただくことができました。
商品のヒットは全社の頑張りと、取引先の力添えがあってのことだと思っています。

――中身は個包装でタブレット(板チョコ)が3枚入っている形です。ここにもこだわりが?
板チョコはシンプルな包装で、携帯性があり経済的な商品です。
ただ、1枚全部を1度に食べきるのは大きすぎるので、3枚に分けました。

また、チョコの生地を楽しむという考えから、1枚のタブレットのスリットも大きくカットしている部分と細かいスリットが入った部分あるという工夫をしています。
スリットは自分好みに割って食べられるという意味と味わいの違いを感じてほしいという思いも込めました。

――どういうことでしょう
チョコレートの形は1枚のタブレットの中に4つの部分が存在します。
丸みのある部分は「濃厚感」があり、ギザギザの部分は「香りが際立つ」。ミニブロックは「軽い口当たり」、スティック状は「力強い味わい」を感じるのです。

こういったことでも、自分がどういった香味を好きか分かっていただきたくきっかけづくりをしています。

――パッケージはSNSでさまざまに取り上げられたことも話題になっていますが、これは最初から狙ったものですか
担当者がそんなことではいけないのでしょうが、想定外でした(笑)。
そして思った以上の反響に喜んでいます。

パッケージを使って「イラスト」を描いたり、「ネイル」に使用したり、「ピアス」や「札入れ」を作った方もいます。面白いデザインとは思ていましたが、こんな風に使っていただけるのは想定外で、これらをインスタグラムやツイッターに画像をアップしていただくことは本当にうれしいことでした。
遅ればせながら、公式でもインスタグラムを立ち上げ、画像を共有したり、アップしたりしています。

なんとなく、メーカーなので「こういう方向に行っちゃいけない」というような考え方があったのですが、この反響から思い直したところはあります。

――昨年は「サロンドショコラパリ」のデザイン賞や「ジャパンパッケージングコンペティション」での受賞がありました世界で最も権威のあるチョコのアワードで「デザイン賞」や、有名な包装賞をいただいたことは非常に光栄です。
こういったことからチョコレート業界全体が活性化すればいいと思っています。

――今後の展開については
カカオ豆大事にし、この思いを身内だけでなく、お客様と共有でしていきたいと思っています。
産地や香味など、ワインやコーヒーのように楽しんでいただくそんなチョコレートの世界をしっかりと作っていければうれしいです。

【この人の聞きたい!】パッケージにもファン熱狂!?「明治ザ・チョコレート」・前編

 


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