【2016年3月29日】インバウンド市場が賑わいを見せ、さまざまな端末で多言語での対応やユニバーサルデザインが求められており、これらの課題を解決する自動認識を使ったアプローチが今後増えていくと思われる。一方、対応が遅れがちなバリアフリーでのユニバーサルデザインで自動認識を活用した新たな取り組みをサトーが始めた。
どこに何があるか、端末叩けばわかる
サトーは3月29日、視覚障がい者の「自立コミュニケーション支援システム」を、長崎県立盲学校(長崎県西彼杵郡時津町)へ提供した。
開発したのは1.6インチサイズの小型ウェアラブルデバイス「BL-01」とビーコンを活用したシステム。ビーコンは校内の障害物はもちろん、職員や生徒、来賓の名札に取り付け、BL-01を3回叩くと、骨伝導ヘッドセットから音声情報が流れ、どこに何があるのか、誰がいるのかといったことが分かるという。
これにより、従来は受け身であった視覚障がい者が、自ら能動的に情報を取得できる。
新しいコミュニケーションのスタイルに
今回の自立コミュニケーション支援システム導入は長崎県立盲学校から要望が寄せられ、これに応える形でサトーと協力会社がシステムを開発・提供した。
長崎県立盲学校の小笹俊則教諭は「社会的弱者に対して、『~してやる』文化から、『自力による情報獲得』文化への社会的成熟につながるシステムであり、視覚障がい者と晴眼者の新しいコミュニケーションスタイルの確立が期待できる。課題を改善することで、視覚障がいのある教師、生徒を喜ばせたい」と話す。
サトーでは「今回の長崎県立盲学校の例は、実証実験に近いもので今後の水平展開などの予定は決まっていない」としているが、このシステムが普及すれば、日本のバリアフリー化に大きく推進することが期待される。
問い合わせはサトーホールディングス広報グループ(☎03-5745-3412)まで。
サトーグループホームページ
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