【2025年7月30日】京セラドキュメントソリューションズジャパンが開発・販売するリアルタイム字幕表示システム「Cotopat(コトパット)」が、大阪市の生野区役所と阿倍野区役所に導入され、本格運用が始まった。
「Cotopat」は、会話音声をリアルタイムで認識し、文字や図解、翻訳結果としてスクリーンやタブレットに表示することで、円滑なコミュニケーションを支援するシステム。透明スクリーン型の「Cotopat Screen」と、持ち運び可能なタブレット型の「Cotopat Mobile」の2モデルを展開しており、対面での表情確認や設置場所に応じた柔軟な運用ができる。
大阪市では、「誰ひとり取り残さない」デジタル化を掲げ、「大阪市DX戦略」および「区役所DX実行計画」に基づき、多様な市民に対応できる窓口づくりを推進してきた。今回の導入はその一環で、日本語に不安のある外国人や聴覚に課題を抱える人々を含む市民に、より親切な区役所サービスを提供する狙いがある。
生野区役所では、導入前の2024年9月に約1カ月間のデモンストレーションを実施。実際に使用した職員からは「海外の方との対応に活用できる」といった評価が多く、翻訳精度などに対する来庁者の満足度も高かったことから、正式採用に至った。
外国人比率が高く、住民の国籍が約80か国に及ぶという生野区の特性にも対応できることが評価された。
一方、阿倍野区役所では、外国人対応時間の増加や、障害者差別解消法に基づく合理的配慮の提供をふまえた対策として導入を決定。操作性の簡便さや高速で自然な翻訳性能に加え、ルビ表示や図解表示など多様な補助機能、安全性の高いAI補正機能も採用の決め手となった。
生野区役所では、住民情報や保険年金を扱う窓口サービス課、福祉サービスを担う保健福祉課にCotopat Screenを3台設置し、加えて企画総務課にはCotopat Mobileを1台導入した。
阿倍野区役所でも、保険年金・保険管理を扱う窓口サービス課や保健福祉課にScreenを2台設置し、実際の接客場面で活用される予定。
Cotopatの導入により、大阪市の区役所は、障がいや言語の壁を越えた「誰にでもやさしい窓口」の実現に一歩近づいた。今後は、他の行政機関や民間施設への導入も期待される。
Cotopat公式サイト
https://www.kyoceradocumentsolutions.co.jp/products/ict-service/communication/cotopat
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