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【特集】1000万色超の3Dプリンタって何!? フィギュアから軍艦島まで一発造形 ホタルコーポレーションが世界1号機導入


【特集】大阪のホタルコーポレーションが、3Dプリントで1000万色を超えるフルカラーサービスを開始し注目を集めている。

ホタルコーポレーション 3Dプリンタ ホタルコーポレーション 3Dプリンタ

ホタルコーポレーションは、オフセット印刷を手掛ける螢印刷の子会社として2007年に設立された。
「デジタルプリンタによる紙以外へのプリントを専業にする」という印刷業界にこれまでにない業態を切り拓いてきた。

ホタルコーポレーション 3Dプリンタ ホタルコーポレーション 3Dプリンタ

会社設立以降、フラットベッドタイプのUVインクジェットプリンタ(UJF)やガーメントプリンタ、レーザー加工機をいち早く導入し、オリジナルのスマホケースやUSBメモリ、Tシャツなど、さまざまな販促グッズやプレミアム商品を開発・生産してきた。

 

 

最新3Dプリンタの実力

今回導入したミマキエンジニアリング製のフルカラー3Dプリンタ「3DUJ-553」も、デジタルプリントの延長線上で導入したものという。
「3DUJ-553」は、同社に納入されたものが世界1号機で、他社に先んじて昨年からサービスを開始している。

ホタルコーポレーション 3Dプリンタ

「3DUJ-553」はミマキエンジニアリングが、フラットベッドIJPで培ったインクジェットプリント技術を活用した3Dプリンタ。
フルカラープリントの3Dプリンタはこれまでもあったが、石膏で造形するタイプで、造形した後に磨きや再着色が必要という、職人芸のような工程を経なければ製品にならなかった。

「3DUJ-553」では、1000万色を超える色を表現できる上、表現のきめが細かく、再着色などをしなくともリアルで繊細な表現を可能にしている。
さらにクリアインクも搭載していることから、つけたい部分に光沢の表現を施すことはもちろん、トンボの羽のような透明部分も表現できる。

ホタルコーポレーション 3Dプリンタ

使用する樹脂素材は、従来の石膏タイプの3Dプリンタで作成した場合と異なり、劣化がほとんどなく、耐久年数が長いことも特徴だ。

ホタルコーポレーション 3Dプリンタ

3Dプリントでは、穴あき部分や極小部分を支えるためのサポート材が必要だが、従来の3Dプリンタではサポート材がプリント物の周りに固くこびりついた状態になるものが多く、後加工では化石を掘りだすように中身を削り出す作業が必要だった。
削り出しにはある程度の訓練が必要で、プリントしたものに細かい表現がある場合、破損してしまうこともあった。

「3DUJ-553」では、水溶性のサポート剤を使用しており、水につけておくだけで、サポート剤は溶け出しプリント物を取り出せる。

ホタルコーポレーション 3Dプリンタ ホタルコーポレーション 3Dプリンタ
洗い出しの設備(左)と洗い出された出力物

さらに破損などの心配が少ないため、ぎりぎりまで細かい部分を造形でき、従来以上に幅広い表現に対応する。

 

世界遺産の「軍艦島」を造形

同機をホタルコーポレーションでは昨年からテストを繰り返し、すでにいくつかの立体モデルを出力・造形して納めている。

中でも大きな成果は、長崎大学へ寄贈した世界遺産「軍艦島」の立体モデルだ。
実物の480分の1全長62cmの大型立体モデルは、「3DUJ-553」の導入を進めた同社の福永進取締役が、長崎大学に飛び込みで制作を申し出て実現したものだ。

ホタルコーポレーション 3Dプリンタ

長崎大学大学院工学研究科の出水享工学博士が3次元計測し、3Dデータを作成。この提供を受け、福永取締役が今回の3Dモデルを作り上げた。

福永取締役は「3Dプリンタは、データ作成にノウハウがあり、自分達にはそのノウハウがないので軍艦島造形のハードルは高く、プリントも非常に難しく、何度も失敗を繰り返しながら完成させたものです。そこで学んだことの蓄積が今の業務に大いに役立っているのです」と振り返る。

制作は最初、小さなモデルから作り始め徐々にスケールアップ、今回、長崎大学に寄贈した480分の1モデルを作り上げた。480分の1サイズというのは全長約62cm、出力には40時間かかったという大作だ。

長崎大学にこの軍艦島の立体モデルを収めたのは今年1月12日。
これまでパソコンの画面の中、3DCGでしか見られなかった軍艦島の俯瞰全体図に触れて体感することが可能になったのだ。
「3DUJ-553」は、0.2㎜程度の細かな表現が可能で、建物や道路はもちろん、ベルトコンベアーや地面の陥没箇所などの小さな構造物まで再現している。

ホタルコーポレーション 3Dプリンタ ホタルコーポレーション 3Dプリンタ

さらに軍艦島には、再計測しなおした最新のデータもあり、こちらでの立体モデルも今後ホタルコーポレーションが作成し、造形したモデルは長崎市へ寄贈する予定。
また、さらに大きな120㎝サイズの軍艦島も造形中でこちらは、3Dプリンタを開発したミマキエンジニアリングに寄贈される予定だ。

 

パソコンの中から現実の世界に

同社ではすでにフィギュアの造形も手掛けているが、福永取締役は「発注していただくフィギュアの仕上りには正直に申し上げて不満があります」と漏らす。
「支給いただくデータは、おそらく石膏タイプの3Dプリンタを想定して作られているものが多いと思われ、この新型3Dプリンタの『3DUJ-553』の性能を100%活かしているとはまだまだ言い難いのです」
「この3Dプリンタは、繊細なグラデーション表現や髪の毛の一本一本のディティールの再現まで可能なぐらい今まで以上にリアルで美しい3Dプリントが可能なんです」と福永取締役は自信に満ちた表情で語る。

ホタルコーポレーション 3Dプリンタ

今、同社ではCGクリエイターなどと連携してのフィギュア製作を開始している。
CGクリエイターは、立体のCGデータを作りパソコンの中で見ることや、動かすことができたが、実際にそれを手に取ることは難しかった。
これまでも石膏タイプの3Dプリンタでフィギュアの造形もされていたが、そのクオリティーは、出力後の削り出しや、磨き、再着色という人的要素に左右されることが多く、クリエイターが満足するものではなかった。

ホタルコーポレーション 3Dプリンタ

コンピューターグラフィックスを描けるのだから、クリエイター自身が削り出し、着色すればいいという声が聞こえてきそうだが、CGをつくるパソコン上の作業と、ペンや筆を使った絵画ではその技術が全く異なるので、簡単にはいかない。
「3DUJ-553」なら、この課題を解決し、クリエイターの理想に近い形でグラフィックを忠実に再現できるのだ。

ホタルコーポレーションでは、ゲームやアニメ関連、さらにはこれらの業界に人材を送り出す教育機関などにも活用を薦めていくという。

ホタルコーポレーション 福永取締役 3Dプリンタ
ホタルコーポレーション福永守取締役

福永取締役は「自分や社内でいくら考えても
活用アイデアは生まれません。ユーザーとともに新しい使い方を発見していければと考えています」と用途の拡大に期待を込める。

 

問い合わせ先

ホタルコーポレーション
〒559-0006
大阪市住之江区浜口西1丁目13-3 螢印刷ビル4階
TEL:06-6676-5525
FAX:06-6676-5526
http://htc.hotaru-printing.com/


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