【2017年9月7日】大日本印刷株(DNP)はこのほど、ヘッドマウントディスプレー(HMD)の画質を改善して、映像へのリアルな没入感を高めるピクセルスムージングフィルム「DNP ヘッドマウントディスプレイ用画素隠蔽フィルム」を開発した。
近年、バーチャルリアリティ(VR、仮想現実)がアミューズメント業界などの分野で注目されはじめ、そのデバイスとして臨場感が溢れるHMDの普及が進んでいる。
しかし、小型のディスプレイを光学レンズで拡大して視聴するHMDの特性上、光の三原色であるR(レッド)G(グリーン)B(ブルー)で構成される画素が拡大されて見えてしまい、没入感が得られにくいという課題があった。
DNPは、この課題に対してHMD内に装着するフィルムを開発。HMDで映し出される映像の鮮明性を落とすことなく画素感を抑制し、実際にその世界に入り込んでいるような視覚を可能にした。
HMDでは、均等に色領域を拡大すると、RGBの混色防止などのために各色領域の間に施されているブラックマトリックスが見えてしまうか隣接する色が混じり合う場合があるが、この「HMD用画素隠蔽フィルム」をHMDに使用することでRGBの色領域が拡大。ブラックマトリックスを見えにくくする。
また、微細な加工を施した2層レンズにより3色の色領域のさまざまなパターンの配列に対応することが可能で、画質改善を行う際、設計での自由度が高まる。
今後、DNPは新開発のフィルムを、HMDメーカーをはじめ、ゲーム機器メーカーやモバイルメーカーなどに年内から提供を開始し、2021年度までに年間で50億円以上の売上を目指す。
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