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ITMA2015レポート③ 日本のメーカー2社 ミヤコシ「MTP」シリーズの大型プリンタ 富士フイルム「SAMBA]などヘッドとトータル展示 

【2015年11月19日】4年に1度のテキスタイル製造に関する世界最大の展示会「ITMA2015」が11月12日から現地時間の19日まで、イタリア・ミラノの「Fiera Milano Rho(フィエラミラノロー)」で開催されている。主催はMP Expositions Pte Ltd。出展者は1,300社以上で、期間中の来場者は約10万人に達する。
レポート③では日本から出展の2社についてレポートする。

ミヤコシはテキスタイル用大型プリンタ2機種を出品している。
「MTP3400」は最大出力幅が3,400mmの超大型機で、毎時1,000㎡(毎分最大4.9m)での出力が可能。海外での採用が多く、ファブリック関連で活用されている。
「MTP1800」は最大出力幅1,800mm。毎時800㎡での出力に対応している。
最大出力解像度はいずれも1200dpi×1200dp。

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両機種ともにインクは8色搭載でき、テキスタイルで必要とされるさまざまな色に対応可能。反応性、分散性、酸性、顔料の4種類のインクから搭載インクを選択できる。
操作はタッチパネルスクリーンを採用。ジョブやハンドリングは視覚化され、直感的な操作に対応し、オペレーターの経験値に左右されないテキスタイル印刷を可能にした。

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担当者は「主に欧米では3,400mm幅が導入されており、シーツや家具のカバーなどをプリントしている。一方、省スペース優先で少量の仕事が多い日本では1,800mm幅が中心」と話す。
近年の傾向では、インドやブラジルなど新興国での採用が増えており、デジタル捺染の採用は急増しているという。


富士フイルム
は印刷実機出展をせず、インクジェット(IJ)ヘッド「SAMBA Technology」やテスト用のダイマティックス・マテリアルプリンター「DMP-2831」などを出品している。

「SAMBA Technology」は最小で2pl(ピコリットル)という極小の液滴を誇るIJヘッド。緻密にドットコントロールできるため、微細な表現力を持つ。

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また、IJヘッドやインク、メディアをテスト可能なDMP-2831も紹介。同機はインクなど任意の液体をカートリッジに充填して使用可能で、出力の様子を2基の観察用カメラで撮影できる。主に製品開発で使われており、印刷やテキスタイルはもちろん、エレクトロニクスやケミカル分野など用途は幅広い。

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同社はヘッドや印刷機のほかに、インクや出力制御ソフトの開発も行っており、トータルでプリンタ設計の支援が可能。ブースでもパネルで事業各社を説明しており、バランスの取れた開発支援をPRしている。

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同社の担当者は「今回は出展しているプリンタメーカーへのアピールの意味合いが強い。もちろん、テキスタイル、捺染(なっせん)業界でのデジタルプリント推進により、工数削減や環境対応、短納期化などを推進していきたい」と出展理由を話す。

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