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京セラドキュメントソリューションズ 捺染インクジェットプリンタ「FOREARTH」1号機を納入 中長期で60台・1000億円の売上へ

【2024年12月2日】京セラドキュメントソリューションズはこのほど、縫製メーカーのサンヨー物産のに、捺染インクジェットプリンタ「FOREARTH(フォレアス)」の1号機を納入した。

「FOREARTH」は、顔料インク搭載の捺染プリンタ。プリントの際に水をほぼ使わず、独自開発のインクにより、これまで顔料インクでは難しかった柔らかな風合いと、高い堅牢性を両立している。水をほとんど使用しないことから、設置場所を選ばず、適地・適量生産により、物流コストや在庫の削減に貢献する。

サンヨー物産は、和装・寝装リビング用品・衣料品などを取り扱う縫製会社。「FOREARTH」は、サンヨー物産のデザイン企画・立案を行うナレッジビートが生地のデザインを、サンヨー物産がプリントを担当する。

同社は、少量多品種の注文を自社ですばやく印刷、縫製して販売するビジネスを検討。また、捺染の水使用、CO2 排出など環境負荷について課題を感じていた。「FOREARTH」のコンセプトがこれを解決するものと考え、今回の導入となった。

 

記者発表

「FOREARTH」1号機の納入は11月28日、大阪府大阪市住之江区の高島屋関西流通センターで記者発表が行われていた。

この席上、京セラドキュメントソリューションズの安藤博教社長は、「産業用捺染インクジェットプリンタ『FOREARTH』はサステナブルで地球環境にやさしい。アパレル業界は世界の産業で2番目に環境負担が大きく、水質汚染の20%、カーボンエミッションの10%がこの産業によって排出されており、衣料の85%が廃棄されている。同機は、地球環境にやさしくフォーアースという思いを載せ命名した」と紹介し、以下の機能を解説した。
・自社開発の水性顔料インク=水の使用量を限りなくゼロにするウォーターフリー
・多様な生地へのプリントが可能なクリエイティブフリー
・後加工が不要なロケーションフリー

また、目標として関連商材も含めて「2028年3月期で100億円、中長期で1000億円の売上を目指す」とし、その時の稼働台数は約60台と試算している。
さらに2025年には、イタリア・ミラノに「ヨーロピアンテキスタイルスタジオ」を開設し、欧州での販売を加速する。

導入するサンヨー物産の矢野宏和社長は「導入により、未来への希望の光と業界が大きく変わることを感じている。第一に量販店やリテールの連携を進化させより多くの製品を届け、アパレルの魅力を引き出していきたい。次に呉服分野で、古き良き日本の文化を表現し、次世代に受け継いでいく。機材は今後数年のうちに、2台、3台と連携をしながら増やしていく計画」と話した。
すでに同社では、月に10,000㎡ほどのプリントを行っており、実際の商品として出荷している。

「FOREARTH」について
https://www.kyoceradocumentsolutions.com/ja/our-business/industrial/textile-printing/index.

 

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