プリント&プロモーション―デジタルプリントの専門サイト――

【レポート】広州・上海 2大展示会を行く②  「Print South China2025<デジタル印刷機編>」 日本や欧米とも違う市場 インクはあのタイプが席巻⁉

【2025年4月4日】3月の初め、中国でプリンティング関連の展示会が広州と上海でまったく同時期にプリンティング関連の展示会が開かれた。
一つは広州市の「Print South China2025(華南国際印刷展)」をはじめとする4つの展示会群、もう一つは上海市の「APPP(上海広印展)」で、いずれも3月4日~7日までの期間に開催された。

今回は第1弾の「Print South China2025<デジタル印刷機編>」に続き「大判プリンタ編」をお届けする。

 

Print South China2025・SINOLABEL(大判プリンタ)

この展示会はどちらかといえば商業印刷よりで、屋内用のポスターなどの作成に活用されることを想定している。
このためか、中国にしては比較的小さめの大判プリンタが並んだ。

フラットベッドプリンタでもその傾向があり、大きなものでも幅3200㎜、小さなものでは600
㎜という小型で、日本なら「page」や光文堂の「新春展」で出てくるようなものが多かった。
そして多いのが自動給紙・自動排紙・自動搬送というマシン。


段ボールをプリントするプリンタも盛んに展示されており「少量の段ボールプリントが求められる市場がある」と担当者。

デモンストレーションで多かったのは、蒸着紙のような用紙に対するプリント。蒸着紙は鏡のように反射するため、センサーがメディアを読み取りづらく、出力が失敗するケースもあるのだが、これを難なくこなしている。

インクはUVタイプが圧倒的に多く、あとは水性が少しで、溶剤系はほぼ見なかった。
中国では大気汚染対策を強化するため、2018年6月、中国国務院が「青空防衛戦争に勝利するための3年間行動計画」を発表した。
この計画は、北京-天津-河北地域など重点地域におけるVOC(揮発性有機化合物)排出削減を目標とし、2020年までに2015年比で10%以上の削減を目指したものだ。
対象産業には、塗装、印刷、接着剤使用などが含まれ、特にキシレン、トルエン、ホルムアルデヒドなどの重点VOC成分が規制されている。国家標準化管理委員会(SAC)発表の規制品目には、インクや洗浄剤も含まれている。

これらのことから溶剤を回避する動きがあり、UV系インクへの移行が進んでいるようだ。欧米ではラテックス(レジン)が溶剤系の代替品となっているが、これとは違った動き。日本ではいまだに溶剤系が展示会場に多く並び「日本がガラパゴス化している」という声もある。

ちなみに空港や駅などで掲出されている大型の広告は、ほとんどが布製のソフトサイネージで展張して施工する簡単なものだ。触れるとたわむし、中には最初からシワが寄ったり、少し斜めになったりしているものもある。もしかしたら施工は素人がしているのではないかという印象だ。
そして余談だが、以前訪れた時よりも圧倒的にデジタルサイネージが増えている。

この展示会では、比較的小型のインクジェットプリンタが多く、昇華転写も少なかったが、広告規制が緩く、環境規制が厳しくなった中国では、溶剤は減少傾向で、UVや昇華転写が伸びていくだろう。

後加工機で目立ったのは、カッティングプロッター。シールやステッカーなどを作成する目的で、ヘッドを増やし搬送機をつけて大量のメディアをカットするデモンストレーションが目を引いた。
このヘッドをたくさんつければOKという思想も中国らしいが、カス上げ(シールの不要部分を取り除く工程)がうまくいかず止まっているマシンも見られた。
小型のプリンタを多数並べるという提案もあり、この辺りも中国らしい合理性が見られた。

レポート③に続く

【関連】【レポート】広州・上海 2大展示会を行く①  「Print South China2025<デジタル印刷機編>」 巨大見本市会場に日本未上陸機種が多数

Copyright © 2025 プリント&プロモーション . ALL Rights Reserved.