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「IGAS2022」速報レポート1 デジタル印刷機・プリンタ展示各社 日本HP、エプソン販売、コニカミノルタ、イメージ・マジック、ミマキ

【2022年11月25日】「IGAS2022(国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展)」が昨日11月24日、江東区有明の東京ビッグサイトで 開幕した。
開催は11月28日(月)まで。

今回のテーマは「Venture into the innovation!」とし、東京ビッグサイト東展示場1、2、3、5、6ホールで218社/団体が出展している。
入場は当日販売2,000円、事前登録の場合は無料。

プリント&プロモーションでは、初日に取材した大規模ブースに関して、デジタル印刷機やその関連技術、サービスについて速報で紹介する。

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レポート1

日本HPは、デジタル印刷機と大判インクジェットプリンタ(IJP)を展示している。

デジタル印刷機では液体トナータイプの「Indigo15K HD」と「Indigo7K」をデモンストレーションしている。
「Indigo15K HD」は標準モードで3450枚、生産強化モードで4600枚をプリント可能。印刷サイズは750x530mmまでに対応する。

「Indigo7K」は330x482mmサイズ、7色タイプでA4サイズを毎分160ページ出力できる。
デモではイージーリリースインキによるスクラッチや最大7段のフィーダーなどを解説していた。
上記両機種ともRGBとCMYK両方のデータでのプリントに対応している。

大判プリンタは同社の得意のラテックスタイプの新製品「HP Latex 2700」を初披露した。
同機は3.2m幅で、ホワイトインクを搭載し透明素材に対応する。最大出力速度は54 ㎡/時。デモでは2つの異なるジョブを同時に出力していた。
ほかにラテックスタイプでは「HP Latex800W」が壁紙プリントを実演している。

「HP PageWide XL Pro 5200 MFP」は、オプションのフラットテーブルを使い、段ボールなど厚みのある素材のプリントを搬送しながら行っている。

このほか、水性インクの「DesignJetZ9+PRO」なども展示している。

同社ブースは今回最大級だが、ブースのセンター付近にはサステナブルや脱炭素といった内容を配置し、デモンストレーションよりも社会貢献のアピール展示を中心とするユニークな構成となった。

エプソン販売は、インクジェットタイプのラベル印刷機がメイン。
「SurePressL‐6534VM」は今年2月に発売されたUVインク搭載のラベル用デジタル印刷機。最大出力解像度600×1200dpi と、50m/分の高速モードを搭載。標準モードでも30m/分と高い生産性を実現する。

「L−4733AW」は、水性インク搭載のラベル用デジタル印刷機。最速 5m/分の出力速度で、従来よりも高速化している。

担当者は「水性は第4世代となり、国内のラベル印刷会社に多くの導入がある。UVは欧州などで台数が出ている。日本でも、工場などの現場で人手不足が始まっており、操作のトレーニングが3.5日の当社デジタル印刷機が重宝されている」と話す。
メインステージのプレゼンテーションでは、処理速度が上がった「VDP(バリアブルデータプリント)」について、サイズや種類の多いクツの事例を用いて説明していた。

大判では-S80650Lでステッカーをイメージしたプリントを行っている。

イメージ・マジックの「TransJet」シリーズは、今話題の「DTF(Data to Film)」機。
DTFプリンタは、テキスタイルプリントの新しい転写方式で、従来の昇華転写プリントとは異なり、出力後の切り抜きが不要で、転写後の糊残りがない。
これらにより、近年欧米や中国を中心に台数を劇的に増やしており、日本でも導入企業が増えている。

今回展示された「DTTS‐600」や「DTTS‐302」は、同社が今年開発した日本製の新インク搭載により、DTFプリンタ特有の低温・低湿環境下での吐出不良(インク詰まり)を解消している。
「DTTS‐302」は、サイズを3分の1にした省スペースタイプ。

コニカミノルタは、プリプレスからプリント、加工までのさまざまなシーンで活用できるソリューションや機器などを展示している。

来年春ごろ発売予定の「AccurioLabel(アキュリオ ラベル)400」は、「AccurioLabel 230」の上位機種。
白トナー搭載で、透明素材にも出力でき、印刷速度は最大で39.9m/分 (CMYK印刷時)、白インク使用時でも20m/分、プリント幅は330㎜。
最大の特徴は、自動品質最適化ユニット「インテリジェントクオリティーオプティマイザー(IQ -501)」の搭載で、カメラで印刷部分をとらえ、自動補正やパッチを入れること。
インクは大型ボトルを採用しており、交換回数を低減した。
価格は6700万円で、年間100台の販売を目指す。
担当者は「ラベル用間欠オフセット印刷機を使用する層がターゲット。さまざまな機能を追加しより使いやすくなっている。熟練工がいらないシステムは人手不足の現場で必要とされていると感じる」と手ごたえを見せる。

枚葉デジタル印刷機「AccurioJet KM-1e」は、UVインク採用で、比較的メディア(用紙)を選ばず出力できる。
今年、HDモードを搭載し、従来のKM-1eメディアの対応力はそのままに、より滑らかな高画質出力を実現した。フォトなどの肌感や色調、ソリッド背景の均一性、素材の質感が向上し、光沢感も上がったという。これらにより、ウェディングや卒業アルバムなどのフォト市場へビジネス拡大を見込む。

「EX感性」はパッケージデザインのエビデンスを確保するユニークなソリューション。
AIを使用し、感性脳工学に基づくアルゴリズムを採用した画像解析により、パッケージやポスター、カタログ、ウェブサイトなどのデザインや、商品の陳列など、マーケティング活動に係わるあらゆるデザインについて、感性への働きかけを「Explainable(説明可能)」にする。
大手製紙メーカーが採用を予定している。

インクジェットスポットUVニスコーター「AccurioShine(アキュリオ シャイン)3600」は、UVインクジェット方式によるニス加工機とMGI社製の箔押し機「iFoil One」が一体となったデジタル加飾機。
エンボス(厚盛り)やメタリックな表現を実現する箔押しまで、シームレスな加飾印刷物に対応する。同社が買収したMGI社製(仏国)「JETvarnish 3DS」の後継機種にあたり、コニカミノルタブランドとなる「AccurioShine」を初めて冠したマシンでもある。

ミマキエンジニアリングは、ブースをゾーニングし、大判IJPを実際の現場や用途を見せる形で提案している。

「自動化ゾーン」では、「UJF‐7151PlusⅡ」とロボットアームを組み合わせ、メディアセットの自動化をデモしている。

「新規ビジネスゾーン」では、同社プリンタ「UJF–6042MkⅡe」ユーザーであるシンクイノベーションのグッズプリント事業を紹介している。

UV系プリント&カット機「UCJV300-107」では、白インクを活用した透明フィルムへのプリントで、軟包装向けプルーフをイメージ。

溶剤系のプリント&カット機「CJV330-160」では、非塩ビ系ターポリンへの出力で環境対応をアピールし、フラットベッドタイプの「JFX600-2513」では、ボードへのプリントをデモンストレーションしている。

このほか、後加工機では「KongsbergX」を展示。

レポート2以降に続く

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IGAS2022

名称:IGAS 2022 国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展(International Graphic Arts Show 2022)
期間:11月24日(木)~11月28日(月) 5日間
開場時間:10:00~17:00(初日のみ11:00~17:00)
入場料:当日販売 2,000円(事前登録の場合は無料)
会場:東京ビッグサイト 東展示棟 1、2、3、5、6ホール
主催:日本印刷産業機械工業会、プリプレス&デジタルプリンティング機材協議会
後援:経済産業省、東京都、日本貿易振興機構、日本印刷産業連合会、日本印刷学会、全国段ボール工業組合連合会、日本印刷技術協会、デジタルコンテンツ協会

https://www.igas-tokyo.jp/

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