【2019年7月16日】キーポイントインテリジェンス主催の「パッケージングコンファレンス2019」が7月12日、東京コンファレンスセンター・品川で開催された。
「パッケージングコンファレンス」は、市場の拡大が見込まれるパッケージ(ラベル・紙器・軟包装・段ボール)印刷に関して、市場の推移や消費者・ユーザー動向、小ロット対応などについて、同社のアナリストや現場の最前線で活躍するブランドオーナー、コンバーターが解説した。
今回はゲストスピーカーとして、花王作成部門 クリエーティブプロデュース部の蓮見裕威プロデューサーが「可変情報印刷を用いたファン形成事例のご紹介」、共進ペイパー&パッケージの鍛治川和広常務が「デジタル印刷によるWeb to Packageサービス『ハコプレ』」のテーマで講演した。
以下にゲストスピーカーの講演概要を紹介する。
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私は社内のWEBデザイナー、SPデザイナー、グラフィックデザイナー、ショッパーアナリストなどを経て、現在はクリエーティブデザイナーとして、毎日新たな企画を構想している。
この企画の一つが「Myデザインプロジェクト」だ。
花王の製品のパッケージをカスタムして、その人だけのオリジナル品を作成する企画だ。
目的は新規顧客獲得から固定客を作り、「愛着」を持ち、使い続けてもらうこと。
2017年からこの企画を展開しているが、コンセプトは以下のように変わっていった。
①2017「OODA」ロジカルではなく、デザイン思考
②2018「+SDGs」自足性のためのデザイン嗜好
③2019「+UGC」ユーザーの手によるデザイン生成
きっかけは息子のサッカーで、ユニフォームの選択を自分がしていたので、アタックの製品でサッカーに対して何かできないかということを考えていた。その時ちょうどHPのバリアブル印刷を知り「Myユニフォーム ラベル」を考えた。オリジナル品を作ることで「毎日楽しくお洗濯してもらいたい」という考えだ。
考えたコンセプトは
①愛着「ボトル本品」
②運用「詰め替え用品」
③慣習「記念ギフト品」
小学生のサッカー全国大会で、全48チームのユニフォームを作成、記念品として配布すると同時に、フォトスポットで撮影もしたところ非常に喜んでもらえた。
次に行ったのは、赤ちゃん用のボディーソープ「メリーズスキンケア」でのキャンペーン。新米ママの育児講座に合わせて、記念品として赤ちゃんの顔をボトルにプリントした。
このときに使用したのが、花王が開発した水性インク「ルナジェットインク」。フィルムに小型プリンタで印刷できるため、極少量に対応できた。
このほか、「そら傘ワークショップ」や「ツールド東北」などで、記念品の協賛を行った。
2019年2月にはネット通販の「ロハコ」を通じて「カスタマイズ販売」を行い初めて商品化。
「私だけのアタック石鹸で楽しくお手伝い」というテーマで、100種類のデザインをサイト上に用意。注文していただいたところ非常に人気で、以下の成果があった。
①売上「新発売越え」
②意匠「インスタ映え」
③MK「ターゲット視え」
これらの企画を経験してみて、人口減などの時代の変化に即し、マスではなく、一つひとつの商品価値と利益を増やしていかなければならない時代となり、そこではデジタル印刷が適していると感じた。また、この企画は広告代理店ではできないので、インハウスで考える人が大事ということも明らかになった。
印刷会社や印刷機メーカーの方は「こんな新しいもの(技術)できました」と言われることが多いが、ピンとこない。我々は「こんなことやったらどうですか」という提案をいただきたい。
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