【2023年9月6日】国立科学博物館はこのほど、コニカミノルタの前身の一社である小西六写真工業(当時)が1971年に発売した「U-BIX 480」を、「重要科学技術史資料(未来技術遺産)に」登録した。
未来技術遺産は、国立科学博物館が実施している登録制度。次世代に継承していくうえで重要な意義を持つ資料や、国民生活・社会・経済・文化のあり方に顕著な影響を与えた資料の保存と活用を図ることを目的としている。
「U-BIX 480」は、小西六写真工業が開発した普通紙複写機。1970年に、国産技術による最初の間接乾式電子写真複写機としてビジネスショーで発表し、翌1971年1月に「U-BIX 480」という商品名で発売している。
当時の普通紙複写機では、感光体の現像にカスケード方式を用いることが主流であり、タイプライターや印刷文字などの線画像に対応するものだった。この方式ではトナーが静電潜像のエッジ(輪郭部)に偏ってしまい、階調やべた黒※1が良好に再現できないという欠点があった。
「U-BIX 480」は磁気ブラシ現像を採用することでこの問題を克服し、写真や鉛筆線の再現を可能にした。また、当時は主に直接記録紙として使用されていた酸化亜鉛感光紙を、繰り返し使用可能な感光体シートとして用い、それをマスターキャリッジに装填して回転させるという世界初の技術を採用している。
今回は、これらの重要性が高く評価されての登録となった。
なお、コニカミノルタ製品は、2013年に「さくら天然色フィルム」、2020年に「ミノルタα-7000」、2021年に「コンパクトディスク用非球面プラスチックレンズ」「ミノルタプラネタリウム MS-10」が未来技術遺産に登録されている。
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