【特別編集】日本で唯一のCMFデザインエキシビジョン「2018 CMF TOKYO – SENSE」が11月 1日(木)、2 日(金)、3日(土)、東京都港区南青山のLIGHTBOX STUDIO AOYAMA で開催される。
主催はFEEL GOOD CREATION。
「CMF TOKYO – SENSE」は、従来の「場所貸し展示会」とは一線を画すイベントとして毎年開催されており、現在、参加企業を募集している。
これまでとは違う、「技術の強みを見出す~強みを活かしたサンプルデザイン~新規市場開拓」までを一貫してプロデュースするというこのイベントについて、主催者であるFEEL GOOD CREATION代表の玉井美由紀さんに話を聞いた。
CMFデザインとは「COLOR(色)」「MATERIAL(素材)」「FINISH(加工)」という3要素のことで、製品や部材の「見た目」「手触り」など価値を決定づける大切な要素です。
見た目や手触りは、製品を購入し使用する上で非常に大切なことなのですが、従来はそこにフォーカスをして考えることが少ないという現状がありました。
日本には素晴らしい素材や加工技術を持ったメーカー企業が多くあります。しかし、それが限られた製品でしか活かされていないことや、企業に眠ったままというケースが多くあるのです。
一方、製品や部材を作り上げるデザイナーは、これらの素材や加工技術を知ることなくデザインしているという現状もあります。
「CMF TOKYO – SENSE」は、一般的な場所貸しの展示会ではありません。
これまでの課題を乗り越え、メーカーとデザイナー両者が一緒になって解決できる場所をつくることが「CMF TOKYO – SENSE」の目的です。
実際の出展までの流れは、このような感じになります。
当社デザイナーがヒアリングし、参加企業と一緒に素材や加工技術をサンプルにデザイン。デザイナーが商品に採用する事をイメージしやすい技術サンプルとして展示できるところまで作り上げます。その後、サンプルをプロのカメラマンが撮影し、展示会のカタログにまとめます。
また、展示会場内の装飾も当社が手掛けており、統一感とテーマ性を持った展示を心掛けています。
つまり、「技術の強みを見出す~強みを活かしたサンプルデザイン~新規市場開拓」までを一貫してプロデュースし、出展者や参加企業とともに新しい技術の価値を表現し、市場に繋げるのが「CMF TOKYO SENSE」です。
私は自動車メーカーでカラーマテリアルデザインを担当していました。そこを退社後にCMFを広めようと思い、2007年にFEEL GOOD CREATIONを設立しました。
自動車メーカーに勤務していた当時は技術サプライヤーが向こうから、さまざまな技術を紹介してくれるのが当たり前だと思っていましたが、独立してみると、それは大企業のみの特別なことだったと分かったのです。
中小企業から面識のない大企業へ技術を紹介することは非常に難しいのはもちろん、中小企業同士や、中小企業とデザイナーを結ぶ場所が存在しない、ということもこの時期に気づいたことです。
このため、2011年から「東京デザインウィーク」のエリア展示として「青フェス CMF DESIGN EXHIBITION」を開催。翌年からは現在の南青山に場所を移し、単独開催のイベントとして技術とデザインをつなぐための場所づくりを進めてきました。
昨年、2017年からは「CMF TOKYO – SENSE」に名称を変更し再スタートしました。
名称を変更することで、よりCMFによりスポットが当たるようになり、来場者の数も約1200人と大幅に増加しました。
数だけみると何万人規模との展示会と比べたら少ない印象になってしまうのかもしれませんが、参加企業の方々からはこんなに来場者と密な交流がある展示会は他には無いと言っていただけることが本当に嬉しいことです。
出展者は会社の規模や商品にこだわらず、技術的に付加価値のある会社に参加いただいています。
参加の呼びかけは当初、私自身が知っている会社や展示会で見つけた「これぞ」と思う素材や技術を持った企業に声をかけていきました。最初は苦戦していましたね。何社も断られて心が折れそうなときもありました(笑)。
CMFという概念がなじみのないものだったことや、特に初回は展示会自体まだ形がなかったので、企業が二の足を踏んでしまうことも理解できました。理解が深まるに従い、少しずつですが参加企業が増えています。
参加の呼びかけから思ったのは、日本企業では多くの会社が技術をベースに実績を積み、この技術に自信と誇りを持っているということです。
一方で、技術に視点が偏り、その活用法に関しては受け身で、使い道を考えるのは苦手としています。
「CMF TOKYO – SENSE」では、開発者の「技術視点」をユーザーの「価値視点」「商品軸視点」に見方を変えて提案することから一緒に作っています。
一方のデザイナーも「資材や加工に関する特性を知らない」「どのように使ったらいいかわからない」という声がありました。
この両者の課題を当社が「CMF TOKYO – SENSE」で、つないでいるのです。
来場者の職種は私の前職の関係から、デザイナーが半数、このほか、商品企画や企画調査担当者などさまざまな職種の方が来場されます。
業種は自動車や家電、電子機器、文具、雑貨などさまざまで、出展者と同じように素材や加工技術を持った会社の方も来場し、技術同士のコラボレーション行うケースもあります。
来場の呼びかけは、ダイレクトメールやSNS、メールニュースなども活用しています。また参加企業にも統一デザインのDMを提供し、取引先や取引先候補企業にお声がけいただいています。
昨年から「CMF TOKYO – SENSE」に名称を変更し、ポータルサイトを新たに立ち上げたことで、デザインイベントとしての認知が高まりました。
代表的な商品を紹介します。
和信化学工業の水性塗料「mizucolor(ミズカラー)」は2015年発売。原料にこだわっているので、刺激臭や人体への影響が少なく、一般消費者が安心して使えます。自然な仕上がりで、木目を生かして塗り込めるため、家具や室内のインテリアに活用いただけます。
今年6月、9色を増やしリニューアル発売します。
室島精工社の「ovov」は2017年8月に商品化。同社の樹脂金型と射出成型技術を活用した商品で、平行四辺形で色のついた透明素材のピースを折り曲げながら組み上げると、美しい立体のオブジェが出来上がります。
ピースの色は「青」、「赤」、「黄色」の色の三原色を用意し、これを重ね合わせることで無限に色を作り出せます。
インテリアや手芸、アクセサリー、パズルとしては子どもの知育でも注目を集めています。
「CMF TOKYO – SENSE」は、場所貸しの展示会ではなく自社の技術の強み・魅力を引き出すためのステップを作り上げていく場所と思っています。
昨年が14社の出展でしたが、規模を追求するようなことはせず、おそらく最大で30社までをめどに「志を一つにできる出展者」とご一緒できればと思っています。
スタッフが担当企業にしっかりついて、プロデュースするのでそれ以上の社数の出展は物理的に難しいという面もあります。
われわれは今後も、1社1社とじっくり話し合い、提案したい内容をしっかり形にしていきたいと思っています。
出展してみたいという企業は、ぜひご連絡ください。
問い合わせはCMF TOKYO 2017 – SENSE 事務局(sense@feelgood-c.com)まで。
会期:
11月 1日(木)
11月2 日(金)
11月3日(土)
場所:LIGHT BOX STUDIO AOYAMA(東京都港区南青山5丁目16-7)
入場料:無料
2017年のCMF TOKYO – SENSE
http://sense-cmf.tokyo/
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