【2015年7月6日】日本フォーム印刷工業連合会は7月2日、東京都中央区新富の日本印刷会館で、技術委員会・国際委員会共催セミナー「産業用インクジェットは『もはや潮流ではない。爆発だ!』」を開催した。内容はインクジェット(IJ)印刷機を販売する5社の代表による勉強会で、IJを取り巻く環境や導入事例、技術などについてに関する発表があった。
当日は当初160人の予定が200人を超える参加希望があり(実はその倍とも言われる数の申し込みが来ていたとか)、予備椅子が出るほどの大盛況。梅雨の晴れ間に集まった参加者の熱気に日本印刷会館のセミナールームは包まれた。
今回はこのセミナーを数回に分けてリポートする。
キヤノンプロダクションプリンティングシステムズ
まず登壇したのはキヤノンプロダクションプリンティングシステムズ プロダクション企画部の松藤勝弘部長。キヤノンは2010年、デジタル印刷機の開発で知られるオセを傘下に入れ、11年には幕張に連帳機のショールームをオープン。13年にはオセの「ColorStream 3000Z」の日本市場での展開を開始している。
松藤氏は世界におけるIJ連帳機占有率で自社が41%であるとし、特に海外では圧倒的シェアを誇っていることを報告。ただし、自社の販売先ではアジアがわずか9%であるとし「日本を含むアジアではまだまだ訴求が必要」と述べた。
また、欧米の印刷会社での導入事例を紹介。2年で完全インクジェット(IJ)化を果たした米国のACCES DIRECTは「新しい機械を入れないと、他社に仕事を奪われる」と、IJ化は急務としているという。
同じく米国のIWCO Directは北米ナンバーワンのダイレクトメーラー。機材の10年前に10%程度だったデジタルの導入率を50%に引き上げており、費用対効果などを顧客に説き売り上げを伸ばしている。
ドイツの印刷会社BoschDruckは100年以上の歴史を持つ老舗印刷会社。自動車のマニュアル作成をIJ化。多言語が必要な欧州で言語ごとの小ロット印刷が重宝されているという。
また、通販カタログを印刷しているDPGは、コピーショップとしてスタートした会社。平均部数が84部という少量に対応しており、FacebookやInstagramからアルバムを作成するシステムを構築したという。
「IJの勢いが欧米では『爆発』のタイトルにふさわしいものとなっているのに対し、アジア、特に日本ではまだ受け入られていない。われわれもさらに努力が必要」と現状と今後について言及した。
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