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フォーム工連 産業用インクジェットセミナーリポート「インクジェットは爆発だ」③日本ヒューレット・パッカード

【2015年7月7日】日本フォーム印刷工業連合会が7月2日、東京都中央区新富の日本印刷会館で行った、セミナー「産業用インクジェットは『もはや潮流ではない。爆発だ!』」のリポート③は、日本ヒューレット・パッカード デジタルプレス統括本部戦略プロジェクト室の田口兼多マネージャーの講演をお送りする。

日本ヒューレット・パッカード
田口兼多マネージャーは、冒頭、HPデジタル印刷機のポートフォリオを提示し、その中でもIJ印刷機「Inkjet Web Press」シリーズは、高速・大量用途向きであることを示した。HPのIJ印刷機で生産される印刷物は年間で100億ページ(A4サイズ)で、この数は毎年増加している
海外の事例では増える需要に合わせて短期間に複数台のIJ印刷機を導入するケースが増えている。書籍であれば、中身をIJ機で印刷し、表紙は同社の電子写真方式デジタル印刷機「HP Indigo」で印刷し、それらを製本するというHPの製品を結合したシステムも生まれている。

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デジタル印刷の傾向としては、イタリアの新聞「CSQ」がバリアブル印刷による地域限定紙面を活用していることを紹介。同紙はハイパーローカライゼーションと呼ばれる取組みにより広告が325%増加した。「結局、読者は自分に関連性が深いことに多くの興味を割いている、新聞は身近な情報を中心に見ている。ますます、デジタル印刷の活躍する場は広がる。また、IJの爆発はすでに始まっている」と結論付けた。

技術では「ボンディング・エージェント(BA)」を説明。これはIJ印刷機でインクを出力する部分へ直前に定着剤を塗り、インクの浸み込みを抑える技術で、薄紙でもにじみのない鮮やかな表現を可能にしている。
同社では今後、パッケージ分野で大型のIJ印刷機をリリース予定。主に段ボール印刷での需要を見込むという。

なお、同社では今年9月、IGASに合わせて同社デジタル印刷ユーザーのコミュニティ「DSCOOP」を日本で開催する。

④に続く

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