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【レポート】建装材へのデジタル出力実験室!? リンテックサインシステム「中野ショールーム」


【2021年7月19日】リンテックサインシステムは、リンテックグループの中で、サイン・グラフィック・インテリア関連商材・大判のメディア(用紙)や関連資材、大判のプリンタや省人化の後加工機までを扱う会社。特に建装材関連での製品活用が多く、壁紙やガラスフィルムを中心にユーザーに提案している。

「中野ショールーム」は2019年5月に設計・インテリアコーディネーター向けにオープンした同社の展示施設で、さまざまなタイプのインクジェットプリンタ(IJP)を用意しており、プリントデモやメディアを持ち込んだプリントテストなどで活用されている。

コロナ禍で展示会の開催も縮小する中、ユーザーが実際の最新機器に触れる機会が減っている。また、ショールームにもなかなか赴くことができないという方も多い。
そんなわけで、今回は「もっとショールームを活用してほしい」と呼び掛けるリンテックサインシステムの小島一仁社長のお誘いで、この「中野ショールーム」を訪問した。

ショールームは西武新宿線の野方駅から徒歩5分、味のある商店街を抜けてすぐの場所。1階の窓やドアに出力されたメディアがたくさん貼ってあるので、業界関係者ならすぐにわかるのではないだろうか。

小島社長は「ここのショールームは、いろいろな機械とメディアの実験室のようになっています」と、同社事業企画マーケティング部の村岡崇明さんとともに内部を案内してくれた。

 

プリンタ

このなんといっても、目玉はプリンテリア「DIMENSE(ダイメンス)」のプリンタ。リトアニア製という珍しい製品だが、その中身も珍しい。

同機は専用の発泡メディアと水性顔料熱硬化樹脂インクを使用しており、プリントしたメディアに絵柄に伴った凹凸を発生させられる。
「このプリンタの売りは2.5Dプリント」と小島社長。
インクの一つを発泡抑制剤にしており、その部分が盛り上がらないことで、プリントとともにメディア表面への凹凸加工ができる。通常であれば、UVインクの積層印刷で凹凸を表現するが、全く逆の発想というところが興味深い。

小島社長は「ワンステップでプリントとエンボスができるというすごい機構。新たなテクノロジーのため、導入企業に先駆者のアドバンテージがある。収益性が高い上に、代替不可能なモデル。これらにもかかわらず手ごろな価格で、UVプリンタなどと比べて安価なんですよ」と説明してくれた。

リコーのラテックスプリンタ「L5160e」はリコー製最新のGen5ピエゾプリントインクジェットヘッド3つをスタガ配列し、一度に広い面積の出力が可能。標準モードで出力速度25m²/hと高速出力を実現した。シャトル式大判インクジェットでは最速級。

インクの速乾性も高く、凝固温度が低いことから、長尺出力でも色の変化が少ないという。このほか富士フイルム「AcuityLED1600R」や、ミマキエンジニアリング「UCJV300グラステックス」、エプソン「新型レジンR-5050L」「SC-S80650」、新型白インク搭載のhp「ラテックス800W」、キヤノン柔軟UVgelインク搭載「Colorado1650」、ほか特殊な実験機も展示実演している。

 

メディアなど

プリント見本では、入り口のドアガラスに貼られているリンテックの独自技術で開発をしたすりガラス調オンデマンドガラスフィルム「グラステックス」に加えて、英国コントラビジョン社開発の「シースルーグラフィックス」が出迎えてくれる。

この製品は、SCREEN製のインクジェットプリンタ(IJP)「Truepress Jet2500UV」を使用し、最大インク7層(7レイヤー)構造までのグラフィックを超透明専用ガラス飛散防止メディアに作成できる。これにより、屋外と室内で各々別々の文字やグラフィックが鮮やかに見えたり、シースルー機能により表側からはグラフィック、室内側からは外側の状況が見える。製作にあたっては、英国のコントラビジョン社の正式なライセンスを受けている。

また「ドアテリア」で室内のドアも装飾。まるで隠し扉のような演出も行っている。戸棚や壁面、ガラス面などでも同様の演出ができるが、ここではトイレまでの通路を楽しく彩っている。

このほか、メディアでは、天然高級壁装材に負けない質感でありながら粘着剤付き化粧シート「パロア」単体だけでなく、国内唯一の指定インクジェットによるグラフィックプリント防火認定製品である「パロアデコ」なども展示。

小島社長は「さまざまな会社のプリンタとメディアを取りそろえて実験しているので建装材・インテリア部材用途などで使用したいという場合は、ぜひ我々に相談してほしい」と呼び掛ける。

キヤノン製高画質水性インクジェットPro6100による「越前和紙」への出力物は、ラミネートすれば、屋外での掲出も可能という。

 

後加工機など

省エネ・省人・省時間化に今後さらに必要となるプリント後の後加工機にも力をいれる。
イタリア・NEOLT(ネオルト)社製のオートスリッター「XYマチックトリムPlus」は、自動で蛇行補正し、壁紙などのスリットを、ゆがみなしに行える。最大スリット幅は1650㎜、速度は1~50mで可変できる。

また同社のラミネーター「LAGLA Shield50」は100万円台でありながら、エアコンプレッサー式ローラーを採用し、バネ式で出やすいフローマークやシルバリングを抑制する。また、塩ビ素材は無論、ガラスフィルム用PET素材まで幅広いメディアへのラミネートに対応する。
「このクラスで、これほどの性能を持ったスリッターやラミネートマシンはない。世界中からコストパフォーマンスが良いものを選りすぐって提供できるのが我々の強み」と小島社長。

作業台:スウェーデン製の「ROLLSROLLER(ロールスローラー)」は、従来数人がかりで行っていたメディアとボードの貼り合わせを1人で可能にする。ROLLSROLLER社独自のスチールレール機構は、操作が軽く、正確な貼り合わせをサポートする。

このほか3Dスキャナーでは、京都大学 井手研究室と滋賀県のSABIA社で開発された高精度3Dアートスキャナー「SABIA SL01」を設置。SABIA TOKYOとして、高精度スキャニングサービスも行っている。アート作品の複製や自然素材のスキャニングなど可能性が広がる。

小島社長は「ここはオリジナルの建装材をつくりたいという方の実験の場、ぜひ多くの方に来ていただき、有効活用していただきたい」と話す。

リンテックサインシステム中野ショールーム/SABIA TOKYO
住所:東京都中野区野方5丁目4−13 ハイネス野方102

リンテックサインシステム
http://www.sign-japan.com/

 


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