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矢野経済研究所 「飲料用容器市場に関する調査」 2023年の国内市場規模「前年比100.0% 743億300万本」の見込み

【2024年1月18日】矢野経済研究所はこのほど、国内の飲料及び食品用容器の市場規模を調査し、製品セグメント別や参入企業の動向を分析。飲料用容器の国内出荷量について公表している。

 

概況

概況では、2023年の飲料用容器市場規模(国内出荷量ベース)を、前年比100.0%の743億300万本を見込むとした。
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけの5類移行に加え、水際対策の撤廃による観光及びインバウンド需要の回復や、春以降の気温上昇、夏場の猛暑など2023年前半から清涼飲料需要拡大の条件が重なった。
一方で、暖冬傾向のため冬場の加温販売ボトルの販売動向が不透明であることに加え、食品・飲料を始め、数多くの日用品などの値上げが相次ぐ中で消費者に買い控えの動きが出ており、市場は横這い推移の見込みる。

 

注目トピック

注目トピックでは容器について以下のように分析した。
店頭で中身の飲料・食品の美味しさや便利さ、プレミアム感など中身そのものの価値をアピールするだけでなく、容器材料をサステナブルなものとすることでその商品に「環境」という価値を持たせることも求められるようになった。
ブランドオーナーやCVS(コンビニエンスストア)を始めとする流通小売業など、消費者と直接相対するユーザー企業は、自社で生産・販売する商品が環境に与える影響が企業イメージに直結するだけに、商品の顔である容器のサステナブル化へ取り組む意識は強い。

容器のサステナブル化については、これまで主に
(1)化石由来原料を使用するプラスチックから持続可能な植物由来材料を原料とする製品への転換
(2)使用済容器の市中回収・リサイクルの2方向からの取組みが進展

などとしている。

このうち、(1)の化石由来原料のプラスチックの使用削減では、飲料容器ではPETボトルからアルミボトル缶やパーソナルサイズの口栓付き紙カートンなど、リキャップ可能な非化石由来原料への代替、食品容器ではプラスチック軽量容器でのバイオマスプラスチック化、パルプモールド容器や紙カップの採用などが進められた。
(2)のリサイクルは容器のサステナブル化の本流と位置付けられ、容器メーカー、リサイクラー(再資源化業者やリサイクル樹脂メーカー)、材料メーカーでの取組みが活況を呈している。
1997年の容器包装リサイクル法施行以来、国内においては使用済容器の分別排出(消費者)、分別収集(自治体)、リサイクル(事業者)のスキームが確立してきた。
当初はゴミの削減に重きが置かれ、使用済容器の回収後にエネルギーとして有効利用するサーマルリサイクル(TR)が中心だったが、リサイクルビジネスのグローバル化の中で回収された容器はマテリアルリサイクル(MR)、ケミカルリサイクル(CR)による再資源化へとシフトした。ただし、CRについては商業規模での展開が一部に留まるため、容器リサイクルについてはMRが主体である。

 

将来展望

将来展望では、国内の食品や飲料の市場は成熟し、消費量の拡大が期待出来ない中で、ブランドオーナーサイドでは付加価値の高い商品を投入し販売価格を高めることで収益向上が図られてきたと分析。
ブランドオーナーは、製法の工夫で “おいしさ” や “香り” を際立たせたプレミアムな商品の開発・投入を進めている。
2022年から2023年にかけて、食品や飲料の値上げが相次ぐ中で、価格が高くても消費者が納得して購入するだけの価値を訴求できるかは、ブランドオーナーにとって死活問題となっている。
食品や飲料の容器は単なる「入れ物」ではなく商品の「顔」であり、容器メーカーは中身を提供するブランドオーナーのプレミアム戦略を後押しできるポジションに存在し、成熟市場における容器メーカーの価値はここにある。

商品を共有するブランドオーナーや商品を手に取る消費者がワクワクするような容器、中身の価値を高めてそれを売価につなげることのできる容器など、容器メーカーは関係者全てにとって価値のある容器を開発・提案し、新たな商品を生み出していくことが求められている。

詳細は以下から
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3451

 

調査要綱

1.調査期間: 2023年11月~12月
2.調査対象: 飲料容器及び食品用容器メーカー等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、並びに文献調査併用
4.発刊日:2023年12月28日

 

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