【2021年6月7日】コニカミノルタは6月2日、デジタル印刷システム「AccurioPress (アキュリオ プレス)C7100」について、新製品発表会をオンラインで開催した。
「AccurioPress C7100」は、高画質および多彩な用紙への対応力と、自動品質最適化ユニットで評価を得ている「AccurioPress C6100」の後継機種。
本体の横幅を800mmと従来機種から約1割削減しながら、ワンランク上の「AccurioPress C14000シリーズ」と同等のオプション装着とワークフローの自動化・効率化・スキルレスを実現した。
さらに自動品質最適化ユニット「インテリジェントクオリティーオプティマイザー(IQ -501)」の新機能である、「1to1印刷(バリアブル印刷)の自動検査機能」も利用可能。
「AccurioPress C14000シリーズ」に投入された、「インライントリマーシステム」も装着でき、従来のマニュアル作業と比較して、大幅に時間を削減する。
これらにより「コストを削減し、売り上げをアップできるとしている。
新製品発表会では、同機種について、同社社員が解説した。
また、6月1日発売の卓上型デジタル加飾印刷機「AccurioShine(アキュリオ シャイン) 101」も紹介された。
同機は、オンデマンド印刷機の加飾用マシン。
コニカミノルタではこれまで、大規模向けMGI社製品「JETvarnish シリーズ」を提供してきたが、「AccurioShine 101」は、コンパクトな卓上型で、箔によるリアルで高品位なメタリック表現を簡単操作で実現する。
これにより、デジタル加飾市場のエントリーモデルとして、新たなビジネスチャンスの創出に貢献する。
記者発表とともに行われたパネルディスカッション「印刷業界におけるプリントとマーケティングのDX化」では、印刷業界のDX化やデジタルマーケティングツールを活用している印刷会社やプロフェッショナルなコンサルタントが登壇。DXの導入背景やポイントなどを話した。
パネラーは、クイックス社長の岡本泰氏、島津印刷ネクストプロモーション事業部部長代理和田亮氏、マーケティングコンサルタントでCLADO社長の谷口智史氏。
各人の発言(要旨)は以下の通り。
岡本泰氏クイックス 代表取締役社長
なぜ印刷業界にDXが必要かというと、印刷業界は縮小しているからだ。その中で売り上げを回復していくには必要だ。
DXは顧客を知ることから始まリ、どうやってビジネスパートナーシップを築けるかだと思う。だが、どうしても皆、生産性向上やソフトの話になりがちだ。
実際、我々がお客様にできることは販売促進とコストダウンだろう。
「プッシュトtoストップ」というが、お客さんに合わせた生産活動では、ノンストップでお客さんと一緒に走っていくことが必要だろう。また、地域の活性化にDXを活用していくなどが印刷会社には求められていると思う。新しい世界へ、市場を作りながらやっていきたい。
和田亮氏 島津印刷ネクストプロモーション事業部 部長代理
DXに関しては、一般企業でもやっているが、営業部門の意識改革が必要だ。
印刷物やホームページを作るだけでなく、クライアントの課題を抽出してそれを解決することが大事。当社では印刷は手段であって、課題解決方法の一つであるとの考えで、MAもお客さまの課題を解決するツールとして使用している。
私たちは印刷だけでなく、それに付加価値を付けることを重要と考えている。加飾バーニッシュなどがその一つだが、五輪、コロナ終息後には特需があると考えており、それまでにデジタルマーケティングを活用した営業を活用し、お客様の課題を解決したいと思う。
谷口 智史氏 CLADO社長(マーケティングコンサルタント)
デジタル活用とDXは、何が違うのか。デジタル化というと、Excelや手帳をデジタルツールに置き換える、SNSでマーケがデジタル活用するといった何かをデジタルに転用するということを考えがちだ。しかし、DXはこの仕組みをどうビジネスモデルに組み込むかということが重要になる。
以前にいた会社で、約140社にMAを納入した。それを通して「このパターンは失敗する」というのが、MAをアプリケーションだと思っている会社だ。MAはOSに近いもので、何かできるんじゃなく、何もできない可能性がある。ECをやっても、予算がない、体制がないだと、何もできなくて終わる。
有名な格言だが「お客さんはドリルじゃなくて穴がほしい」。印刷物が欲しいわけではないということだ。
印刷会社も本質的なニーズに取り合っていこう。販促マーケティングやっている会社などと、どう共創するのか、協業するのかを考えなければならない。
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