【2015年12月18日】石灰石を主原料とし、紙やプラスチックの代わりになる新素材「LIMEX」をご存じだろうか。
通常紙の場合、1トンを生産する場合、樹木を約20本、水を約100トン使うが、LIMEXではいずれも使用せず、石灰石0.8トンとポリエチレン0.2トンから1トンを生産できるという。
従来の原料が石油由来樹脂であるのに対し、LIMEXでは主原料が石灰石であり、石油由来樹脂の使用量を大きく削減可能。単価が安く、国内で原材料をすべて賄える石灰石を主原料とすることから、価格競争力も高い。
リサイクルでも従来の樹脂素材などで製造した容器や包装を使用している場合、行政にリサイクル活動費用を負担する義務を負うが、LIMEXはその対象外となる。もちろん、環境への負荷も低い。
製造するTBMでは経済産業省の「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金(製造業等立地支援事業)」に採択されたことから、12月17日、宮城県多賀城市と立地協定を締結し、2年後を目途に同市に量産工場を設置。年間30,000トンの生産量を目指す。
このLIMEXからはストーンペーパーやプラスチック素材の代替品を製造できることから、同社では用途として、食品包装容器や包装資材、粘着ラベル、POP広告、交通広告、デジタル印刷品、壁紙、外壁、絶縁体、本・カタログ、半導体基板、人工皮革、シーツなどを挙げている。
さまざまなものに使えそうなこの素材。丈夫で耐水性があり、素晴らしい素材だ。しかし、そこには加工のむずかしさという課題がある。ストーンペーパーで問題となるのは、抜き加工の刃型がすぐにダメになってしまうこと。
刃型は鋭くすればするほど、欠けやすくなり、上部にすれば制度が上がらず抜きにくくなる。
ここで活躍できそうなのが、近年、精度が上がり、安価になってきたレーザーダイカッター。刃型を使わずレーザー切り抜くことから、少量からの生産が可能だった。一方で、紙を加工した場合に焦げ付くことが問題で、これを解消する必要があった。
このレーザーダイカッターでLIMEXを加工したらどうだろう。
包装分野での可能性は無限に広がりそうだ。
LIMEXの問い合わせはTBM(☎03-6212-7270)まで。
LIMEXの紹介ページ
http://www.tb-m.com/
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