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日印産連「『印刷と私』エッセイ・作文コンテスト表彰」と「トークセッション 小山薫堂氏・鈴木杏樹氏」をレポートレポート

【2019年9月17日】日本印刷産業連合会(日印産連)は9月13日、東京都千代田区のホテルニューオータニで、「9月印刷の月 2019年 印刷文化典」を開催した。

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「印刷文化典」は、毎年行われている印刷の日式典を4年に1回、規模を拡大して行うもの。
この中で行われた「第3回『印刷と私』エッセイ・作文コンテスト表彰」と「トークセッション 小山薫堂氏・鈴木杏樹氏」についてレポートする。

 

表彰式

「第3回『印刷と私』エッセイ・作文コンテスト」は「印刷」にまつわる心温まる思い出やエピソードをテーマに募集。4月22日から7月10日までの間に、943作品の応募があった。
今回もグリーンプリンティングのPR大使で放送作家の小山薫堂氏を審査委員長に迎え、審査が行われ、9月初めに受賞者が発表された。

表彰式では「小山薫堂最優秀賞 一般の部」の星野有加里さん、「同 小学生の部」の植木涼太さんをはじめ、「小山薫堂優秀賞」など各賞の受賞者に表彰状が手渡された。

作品は以下のURLから
https://www.jfpi.or.jp/greenprinting/contest2019#school

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トークセッション 小山薫堂氏・鈴木杏樹氏

「トークセッション 小山薫堂氏・鈴木杏樹氏」は、GP PR大使の小山薫堂氏に加え、女優でエッセイストの鈴木杏樹氏を迎え行われた(要旨)。

小山 僕がこの仕事を始めたころ、テレ原(テレビの原稿)は、僕が書いたものを、印刷会社の人が書き直して、ガリ版刷りのようなものを持ってきてくれました。
その時、台本に印刷されている自分の名前に感動したものです。印刷された台本オフィシャルなもので、非常に価値がありました。しかし今、バラエティーの台本はペラ紙のコピーになっており非常にさみしいです。

鈴木 確かに台本は薄く軽くなっていますね。

小山 未だに台本を作ってくれるのはNHK。ラジオでもセット図の座り位置まで書いてあります。あえて保管のためにやっているようなんですよね。

鈴木 アーカイブ的なものですね。

小山 「料理の鉄人」の時は、途中からワープロ書きになり、フロッピーのデータとして記録されるようになりました。しかし、プリントアウトしたものは捨てますし、フロッピーは、今開くことができないメディアになってしまいました。

鈴木 台本に残しておくことは大事。カセットテープもプレーヤーがなくなり、再生することができませんし、そういった問題は必ず起こります。

小山 印刷の素晴らしさ感じます。
台本と言えば戦後、GHQの時代に、テレビもGHQがNGなセリフをカットしていました。でも米国を揶揄するものは意外にOKだったのです。なぜかというとガス抜きのためだそうです。なぜこんなことがわかるかというと、その台本が印刷物で残っているからなんです。
鈴木さんは、これまで本を書かれたりは?

鈴木 いえ、ないんです。でもラジオ番組の原稿は作家さんと一緒に書いています。作家さんのラフに言いたいことを付け足したり、これ毎日の番組なんで、その都度やっています。

小山 女優業では、印刷された台本のセリフを変えるのは抵抗ないですか?

鈴木 私の場合、考えられたセリフなので変えないという方針です。役者さんには2タイプいまして、与えられた役を自分に引き寄せる方と、私のように与えられた役に自分が入り込むタイプです。
だから、よほど辻褄が合わない限り、勝手にセリフを変えることはしません。変えるときは必ず相談します。監督によっては、こちらに任せられて、思うように演じてから、足し引きするケースもありますけれどね。

小山 僕は本を書く立場で、変えられると悔しいんです(笑)。
「そのセリフに行きつくまでに、どのくらいの積み上げがあったと思ってるんだ!」と考えちゃう。
一方で変えられてしまって「参りました。降参です」と思うこともあります。
特に印象的なのは映画「おくりびと」の時、山崎務さんのアドリブです。
フグの白子を食べるシーンで、白子を食べて山崎さんが「うまいんだよなあ~」と言った後に「困ったことに…」という一言をつけ足しました。死を扱う映画なので、そのあとで生を象徴する食事シーンを多く入れたのですが、この一言、なんで僕が書けなかったんだろう、と降参しましたね。

鈴木 そんな俳優になりたいなあ。

小山 「企画やアイデアはどう閃くか」とよく聞かれるのですが、企画の基本はバースデーサプライズ。誰かを喜ばせたいというのが原点です。ですから、僕の会社では社員一人一人にバースデーサプライズの企画を用意します。
去年、僕がもらった誕生プレゼントは、奈良の辻村史朗さんという僕が好きな陶芸家の盃を買って、社員が奈良から500㎞を駅伝で届けてくれるというものでした。最後はバースデーパーティーの会場に、最終ランナーが飛び込んで来るのを、生中継を見て「サライ」や「負けないで」を歌いながら待つという(笑)。

鈴木 すごいですね。サプライズって、その人のことを調べていないと実現しませんよね。「好きじゃないし」って言われたら困るし(笑)。

小山 ここで無理やり印刷に話を戻しますが、印刷物はサプライズしやすいんです。というわけで9月23日、鈴木杏樹さん誕生日おめでとうございます。花束は日印産連から、こちらのプレゼントは僕個人からです。

(花束と手提げ袋が運ばれてきて、小山氏が手渡し、鈴木氏が中からサングラスを取り出す)

鈴木 すごく素敵ですね。箱には小山さんの名前が書いてあります。

小山 ハコと帯はオリジナルです。こんな形で、印刷って相手を驚かせる道具になります。こんな印刷大事にしていきたいですね。

 

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