【2023年4月5日】ファッションビジネス学会デジタルテキスタイル研究部会は3月30日、東京都新宿区の文化学園大(オンライン併催)で「2023年3月 Digital Textile Conferenc」を開催した。
このコンファレンスは、毎回、デジタルテキスタイルの技術や市場に関して技術者や学識者が講演を行っている。
今回は4年に1度開催される世界的な繊維機械の見本市「ITMA2023」をテーマに、現場の最前線で活躍するビジネスパーソンや識者が登壇した。
冒頭、主催者側のオープニングセッションでは「このセミナーは『ITMA2023』開催前の企画、開催後の8月には終了後には報告する形で再度セミナーを開催する」と発表した。
セイコーエプソンIIJ営業部エキスパートの丸山紗恵子氏は、「YUIMA NAKAZATO と創るファッションの未来」のテーマで以下のように講演した。
ファッション産業の現実は
「CO2のうち10%排出」
「水質汚染や水の使用量は2番目に多く、工業用汚染の2割が染色や仕上げで使われたもの」
「大量廃棄、服の85%が焼却や埋め立てされている」
デジタルプリントは、これらの課題を解決できる可能性がある。
また、プリントできる可能性を広げる「素材、表現力、大きさ」がある。
「染色の負荷をなくし、着たいものを着る」の2つの両立を追求。
「Mona Lisa」は、染料と顔料の両方があり、顔料は水の保全に役立つ。さらに適時生産、適量生産ができ、コンパクトで小さく、消費地に近いところで生産が可能になる。
GMOペパポSUZURI事業部ディレクターの大越彩世氏は、「オリジナルグッズ作成・販売サービス『SUZURI』の展開アイテムとプリントについて」の中で以下のように述べた。
SZURIは、クリエイターが初期費用なく、在庫を持たず、運用の手間なくサイト上の店舗を持てるサービス。1300万点のグッズがあり、67万人のクリエイターが登録している。
日本のクリエイターエコノミーは1.3兆円。当社ではデジタルコンテンツカテゴリーの施策を始める。
プラザクリエイトソウゾウ事業本部の宮川貴彦次氏は、「世代アパレルをつくるプラザクリエイトの取り組み」について話した。
当社は今年、東京・神宮前の「HATTO COFFEE(ハット コーヒー)」をオープン。そこにコーニットのガーメントプリンタを導入。オリジナルTシャツをプリントしている。
コーニットのプリンタは刺繍風の厚盛出力ができるが、その作業時間は10倍。その分のコストをなかなかお客さんは払ってくれない。このほか、不動在庫を利用したアップサイクル提案する。
今後は顧客の悩みを解決し、クラウドを使った越境ビジネス、新しいアイデアやビジネスを提案していきたい。
このほか、特別企画「〜HELP BUILD THE SUSTAINABLE FUTURE」として、「Item1:万博2025『ネオ・ジャポニズムGreen X Digital X Fashion』について」(クチュールデジタル代表の森田修史氏)、「Item2:山形大学 DMN研究会について」(山形大学 産学連携教授 インクジェット開発センター長 酒井真理)が行われた。
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