【2022年9月2日】「サイン&ディスプレイショウ2022」が9月1日、江東区有明の東京ビッグサイト西1ホールで開幕した。開催は3日(土)まで(午前10時~午後5時)。
主催は東京屋外広告美術協同組合。
「サイン&ディスプレイショウ」は、屋内外のサインやディスプレイを作成するための、プリンタやメディア(用紙)、後加工機、サービス、技術などに関する総合展。
今回は「未来を動かす力。」のテーマで、76社(350小間)が出展する。
また、場内では「World Wrap Masters Japan(ワールドラッピングマスタージャパン)2022」(主催:日本カーラッピング協会)を行っており、カーラッピングの技術を各社が競っている。大会の優勝者には2023年、ドイツのミュンヘンで開催される「FESPA WWM FINAL2023世界選手権」への出場権と、副賞として渡航費の一部負担金が贈呈される。
プリント&プロモーションでは、展示会に出品された大判プリンタを中心にレポートする。
ミマキエンジニアリングは「JV330-160」と「CJV330-160」をメイン展示している。
溶剤系インクジェットプリンタ(IJP)「JV330-160」は、21㎡/h モードでプリント。同機にはIDカット対応 XYスリッターが付属しており、メディアの縦横を切り抜いて仕上げられる。
同じく溶剤系IJP「CJV330-160」は、プリントに加えてカット機能がついており、複雑な抜き加工が可能。デモでは13.2㎡/hでプリントを行った。
また、両機種ともに「メディアチェンジャー」を標準装備しており、3本のメディアロールを装着し、ハンドルの回転で交換できる。
UV系IJPでは「UJV100-160」「UCJV330-160」などが展示されており、こちらにも多くの来場者が集まった。
UV系のフラットベッドでは「JFX600-2513」を45㎡/hで実演。同機では4✕8判(1219×2438mm)のボードを1時間で10枚プリントできる生産性をPRしている。
小型のUV系フラットベッド機「UJF-6042MkⅡe」では、アクリルにプリントし、グッズ制作での活用を提案した。
同社では「ミマキであればなんでもできる」をテーマに、So-kenの「フラッシュプリント」の活用方法を展示。この技術はフラッシュなどの強い光源を当てることで、異なるグラフィックが浮かび上がるというもの。今回は内照式LEDライトをグラフィック内に仕込み、タッチすることで発光させ、絵柄を変えて見せるという新たな提案なども見せている。
日本HPは「Latex800W」メイン展示。こちらもユポグリーンをプリントし36㎡/hの速度で艶感があるプリントを実演した。
「環境対する意識が高まり、よりプラスチックを削減でき処理しやすいユポグリーンが注目されている。屋内外のポスター用途で活用してほしい」と担当者。
今日2日はORAFOLのメディアを出力し、同社のカーラッピング実演に素材を提供する。
このほか、水性IJPの「HP DesignJet Z9」での出力をデモンストレーションしている。
同社では「Print for The Future」をテーマとし、未来につながるプリント方法や機材、素材を展示する。このテーマは11月24日(木) ~.28日(月)、東京ビッグサイトで行われる「IGAS2022」でも同様という。
ORAFOLは、カーラッピングデモし、自社の素材をアピールしていた。
エプソン販売は正面ステージで、K.W.C代表で壁紙施工の第一人者である君和田重則氏による壁紙装飾のデモンストレーションを行った。
このデモでは、施工のコツや注意点を交えながら、壁紙の貼り込みを実演し、多くの来場者が足を止めた。
注目は参考出品の昇華転写プリンタで、インクに特色を2色装着可能になる。色は「ライトシアン・ライトマゼンタ」「バイオレット・オレンジ」「蛍光ピンク・蛍光イエロー」の3つの組み合わせを用意するという。ブースでは4色と6色、それぞれでプリントした生地が設置されており、その違いを確認できる。
正式な発表は、9月28日(水)、29日(木)、東京池袋のサンシャインシティ展示ホールで行われる「オーダーグッズビジネスショー2022」になる見込み。
このほか、溶剤系IJP「SC‐80650L」や、レジン系IJP「SC‐R5050」、水性プリンタ「SC-T7750D」などが展示されている。またTシャツなどをプリントするガーメントプリンタ「SC‐2150」などもデモを行っている。
アステムは松井色素化学工業所が輸入元の「DECAL-JET」や「ART-JET(アートジェット)」などユニークな製品を出品している。
「DECAL-JET」は参考出品。UV系プリンタで剥離紙にプリントした後、ラミネートまでを行う。ラミネートを剥がし転写することで、反転プリントすることなくデカールプリントが可能。機体の「DECAL-JET」の文字も、同機で出力した。
「ART-JET」は、昨年8月に発売されたDTF(Digital to Film)システム。Tシャツプリントなどで、昇華転写方式と異なり、切り抜き作業が必要ないことから、作業負担の提言と廃棄物が少ないなどの利点がある。
担当者は「製品は非常に導入台数を増やしており、Tシャツなどをオリジナルプリントする会社を中心に受け入れられている。今後もさらに導入を進める」と話す。
ローランドディー.ジー.は、自社の各種プリンタやシステムなどを展示している。
溶剤系IJP「TrueVIS VG3-540」は、今年3月に発売された新製品。インクセットが「CMYKLcLmOrGr」の8色となり、特色のオレンジやグリーンによる鮮明なカラー表現、ライトシアンやライトマゼンタによる滑らかな色合いが特長で、最大メディア幅が1,371 mm。また、昨日、日本国内での「3M MCS 保証プログラム」に対応したことを発表した。
また、マスターマインドの「MR-015」はローランドディー.ジー.の「Versa UV LEC2-640」の改造機。日本ではあまり見ない中型のフラットベッド機に仕上がっている。
担当者は「取り回しがよく、画質もいいことから、6月に大阪で行われた『SIGN EXPO 2022』でも引き合いがあった」としている。
UV系IJP「VersaUV LEC2-640」ではユポグリーンをプリント。屋内メディアとしての認識されることが多いユポだが、屋外への転用も可能であるという認識を広げていく構え。
このほか「True VIS SG3-300」なども展示している。
システムでは「クラウドベース・コネクテッドサービス」を展示。同社のプリンタを一括管理できるもので、稼働状況に加えて、ノズルチェックなどにも活用できる。
リコージャパンのラテックス系プリンタ「PRo5130e」は、新型の専用クリアインクを搭載し、リンテックサインシステムのデジタル壁紙「プリンテリア」への出力を行い展示している。
担当者は「ホテルや展示会では、デジタル壁紙が増えている。ラテックスインクにクリアが搭載されるのは追い風」と話す。
日本アグフア・ゲバルトは、同社の「ANAPURNA」などをはじめとした超大型プリンタをイメージ展示し、ッサンプルも陳列している。
セルカムは、HP、ミマキエンジニアリング、ローランドディー.ジー.3社のIJPを並べて展示。半場実績豊富な反社の意見を聞きながら、比較検討しながらデモを見学でき、サンプルの配布もある。
サインアーテックの「POP(ポップ)コーン」は、工事用のパイロンにPRや注意喚起のデザインを施したもの。
サイズは、高さ300㎜、600㎜、1200㎜の3種を展開。素材も「遮光」「乳半」「透明」の3種類を用意しており、さまざまな用途に対応する。
「遮光」はベースの色からプリントでき、店舗イメージに合わせた展開が可能。「乳半」と「透明」はLEDランプを内部の照明とすることで、美しい装飾やクリスマスツリーなどのイメージを表現できるという。
日本製図器工業は「KongsbergX EDGE」での抜き加工をメインで実演している。
実演は「Re-board」をカットするもので、ディスプレイ装飾品やうちわなどのグッズ加工が中心。
名称:第63回サイン&ディスプレイショウ SIGN&DISPLAY SHOW2022
主催:東京屋外広告美術協同組合
後援:東京都、日本屋外広告業団体連合会、関東地区屋外広告業組合連合会
会期:2022年9月1日(木)2日(金)3日(土)、午前10時~午後5時
会場:東京ビッグサイト 西展示棟 西1ホール(東京都江東区有明3-11-1)
入場料:無料(Webでの入場登録が必要)
出展物:サイン・ディスプレイの製作、施工に必要な資材、素材及び加工機器、工作車両等の関連商品全般
小間数:350小間
https://tokobi.or.jp/sds/
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