【2022年2月16日】「JAPAN PACK2022(日本包装産業展)」が今日2月15日、有明の東京ビッグサイトで開幕した。主催は日本包装機械工業会。
開催は2月18日(金)まで。
「JAPAN PACK」は包装やそれにかかわる機器や資材、サービス、技術などを集積した包装資機材の総合展。
今回は「ともにつくる未来の包程式」をテーマ、300社以上が出展している。今回も新型コロナウイルス感染拡大の影響で、出展中止や縮小などのブースもあったが、印刷の中の分野としても存在感を高めている包装に関する展示会で、新製品の発表や事例紹介が多かった。
プリント&プロモーションでは、デジタル印刷関連を中心に、これらに関するプリプレスや後加工などの関する技術やサービスに関する展示を速報でレポートする。
船井電気は今月発表した、カートリッジ一体型プリントヘッド「Zion(ザイオン)」を展示している。
「Zion」は、業界最長のインク吐出距離12㎜を実現し、凹凸のある物品で出力面との距離を取らなければならないケースで力を発揮する。
担当者は「アイスクリームやスイーツなど、底面に凹みがある容器でもインクがぼやけずに出力可能。昨年米国で行われた展示会でも高評価だった」と話す。
インクは耐久性が強い強溶剤性で、ヘッドは2列ノズルにしたことでノズル抜けを防ぐ。
カートリッジ式のため交換すれば、ヘッドの不具合を取り除けることも特長。
ダックエンジニアリングは、「コンバーティングテクノロジー総合展」でも展示した「SOROERU-HU3」を出品。
「SOROERU」は製袋用のシール部分を管理し、これまで熟練工でしかできなかった温度と圧力を数値化し、だれもが最適な加工条件を設定できるようにしている。
また、作業ログもすべて記録されており、市場に商品が出た後でミスが発見された場合でも、ログから起こった日時や原因を割り出し、全品回収などのリスクを軽減する。
日本テクノロジーソリューションは、小型のシュリンク装置「TORNADO」を展示している。
PETボトルなどにシュリンクフィルムを巻き付ける装置で、熱風を4方向から吹き出し竜巻のような渦をつくり、低温でも適切にフィルムを装着できる。
すでにシリーズで1,000台以上を納品しており、ラベリングの内製化に貢献している。
展示されたのは「skilled Worker 」というAI搭載の最新型。このAIは容器の形状やフィルムの種類を画面から入力すれば、適した温度や速度を熟練工のようにリコメンドしてくれる。
光文堂は「KBD DigiNukky500」を展示。少量の箱製作を、刃型を必要とせずできる。
同社では「デジタル印刷のフィニッシングに最適」としている。
ACSは同社が特許を持つ省スペースの縦型「スタンドタイプ」のカッティングプロッタを展示している。このタイプは、従来横置きだったプロッタのテーブル部分を、壁掛けのようにたてにすることで省スペース化し、小規模事業者でも導入できるようにした製品。
「少量の箱製作といった案件が多くなっており、カッティングプロッタが採用されるケースが多い。縦置きもすべてお客様の要望で開発したもの」と担当者。
日本製図器工業は「IntelligentBox IB-3000」をデモンストレーション。3mワイドのオンデマンドボックスマシンで、段ボールで使われる形状が登録されており、板段ボールを箱状に加工できる。
生産能力は最大で500pcs/h。
オーシャンテクノロジーは、オートボックスメイキングマシンを出品して折る。
連続で段ボールを投入し箱を制作できる製品。1日約800個を作成できる。
同社では、ハングローリー製のシングルパス段ボール印刷機「GLORYシリーズ」もイメージ展示。ハイエンドクラスの製品では1600×2800㎜のワイドフォーマットに対応し、分速170枚で出力可能という。
すでに国内では共栄メディアに納入済みで事例紹介のチラシも配布している。
トッパンインフォメディアは、ラベルレス用ネックラベリングシステムを実演している。
近年、ミネラルウォーターを中心に、ラベルレスの飲料が増えており、この分野に向けて、ネックラベルをプリントするというもの。
また、同社が昨年開始したシール・ラベルのオンライン印刷サービス「HappyLabels」に関しても事例を展示している。
SCREENクリエイティブコミュニケーションズとSCREEN GPジャパンは、デジタルラベル印刷機「L350UV+LM」について、導入事例をサンプルとともに紹介している。
事例では、日本酒メーカーの限定缶や、台湾の接着剤のメーカーが納期を1/3まで短縮した内製化についてなどを展示している。
担当者は「印刷機の扱いを知らない人でもラベルを作成できるプリンタ感覚のマシン」と話す。
同シリーズは、国内で10台の導入があるという。
伊藤忠マシンテクノスは、伊ウテコの軟包装用デジタル印刷機「SAPPHIRE EVO」と「同W」を紹介している。
同機はKodakのコンティニアスヘッドを搭載した製品で、毎分300m以上での運転が可能。用紙幅は「EVO」が650mmと狭幅、「W」が1350㎜で軟包装の製袋にも対応できる。
国内では1台納入済み。
また、同社では「静電グラビア」の需要が増えているという。静電グラビアは、紙パッケージへの密着性が高く、近年の脱プラ嗜好による包装の変更に対応するケースが多い。
紀州技研は、各種インクジェットプリント装置を展示している。
「シート状段ボール印字システム」は、段ボールへのカラープリントに対応。メーカーなどの専用段ボール製造を内製化できるという。
「手動空袋印字装置」もメーカーの内製化向き、無地の紙袋にモノクロでの印刷が可能で、小麦粉や肥料など袋の中身を表示する目的で活用されている。
名称:JAPAN PACK 2022[日本包装産業展]Japan Packaging & Manufacturing Technology Show 2022
テーマ:ともにつくる 未来の包程式
会期:
<リアル展示会>2月15日 ~ 2月18日(金) 10:00~17:00
<オンライン展示会>1月17日(月) ~ 2月25日(金) 24時間稼働
会場:東京ビッグサイト 西展示棟(1~4ホール)・南展示棟(1~2ホール)・会議棟
主催:一般社団法人日本包装機械工業会
展示規模:出展者数 ……306(リアル展・271/オンライン展・35) 出展小間数……1,507 (2022年1月14日時点)
入場料:無料(完全事前登録制)
<オンライン展示会>JAPAN PACK 2022 公式ウェブサイト内
https://www.japanpack.jp/
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