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【IGAS2018レポート①】日本初展示品と飽きさせないプレゼン・デモ 見せ方上手かった「日本HP」

【2018年8月2日】「IGAS2018(International Graphic Arts Show 2018、国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展)」が7月26日~7月31日まで、江東区有明の東京ビッグサイト東ホールで開催された。
主催は日本印刷産業機械工業会、プリプレス&デジタルプリンティング機材協議会。

「IGAS2018」は、展示規模は、出展者数は319社・団体、2,702小間(前回345社、2,688小間)。来場者数は5万5,863人だった。
プリント&プロモーションでは、特にデジタルプリント関連で気になった出展者をピックアップしレポートする。

 

日本HP

日本HPのブースは、ホール4の入り口近くにあり、この展示会の中でも最大級の出展者の一つ。テーマは「紙、復活」。

メインステージでは、今回発表の新製品に関してのプレゼンテーションが繰り返し行われ、またブースに出品された製品の前でも次々にデモンストレーションが行われるという動きがある展示。プレゼンなどがない時も、巨大なモニターでユーザーのコメントや導入事例を流し、飽きさせない構成で、他の出展者からも「HPさんはうまいね」との声も出た。

出品製品では、インクジェットプリンタ(IJP)の「HP Latex R2000 Plus」が日本で初公開。
5月にドイツで行われた「FESPA2018」で初披露されたもので、搬送は「リジット(フラット)」と「ロール」の両方に対応するハイブリッド方式を採用している。
北米などはこの方式が主流で、多くの会社が導入している。

リジット使用の際もヘッドではなくベルトによる搬送で、シートやボードを動かしながらプリントすることから、出力の正確性は高いという。
担当者も「FESPAで出展したころより、さらに精度を高めており、画質も上がっている」と話す。

最大出力幅は2.5m、厚さは最大50㎜まで対応。出力速度は最大で1時間に88㎡。
対応メディアもアルミ、木、ガラスなどまで幅広く、インクに柔軟性があるため、メディアを折り曲げて使うような場合でも割れることがない。
本体価格は4,680万円(税別)で、コンペティターとなるのはSwissQの大判IJPという。


UVではできないミラーへのプリント。木目を残しながらのプリントも可能

展示ではこれも見せ方の工夫があり、製品の周りには入場規制のベルトが張られており、HPのブースツアー参加者のみ、その中に入って見学できるようにしていた。

HPで目立ったのはB2サイズ対応の産業用(HPでは商業用と言っている)デジタル印刷機「HP Indigo12000HD」。
Indigoシリーズなので、同社独自の液体トナーを搭載しており、従来に比べ解像度が2倍となったとしており、より高精細なプリントを志向している。

展示と同時に国内初導入も発表され、ラボネットワークという会社がフォトアルバムなどの印刷に活用するという。

「インダストリー 4.0」を目指す取り組みとして、「PrintOS」の紹介などが7月26日に行われたゼミナーであったが、展示内容としてはシステムのアピールと、テーマが難しかったのか「紙、復活」が少し見えづらい展開だった。

それにしても、見せ方という点では、他社からも称賛の声が上がるとおり、別格と言えるくらい上手なブース構成というのは間違いない。

1社で少し長くなったので、続きは別稿で。

レポート②につづく

 

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