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【プリントの現場】「大蔵プロセス」 技術でチャレンジし成長へ 「HP Latex R2000」を導入


【2019年12月17日】大蔵プロセスは1974年設立で、懸垂幕や横断幕、テントなどを出力する大判プリントの会社。現在の社長である蔵本泰靖氏の父が設立したが、「手描きの職人をしていた祖父から数えると3代目になる」という。

同社がリジッド(フラットベッド)とロールのハイブリッド機「HP Latex R2000」を導入したのは、2018年11月だった。日本での発売からそれほど時間がたっていないうちの導入。その上、幕モノ中心の会社でボードが得意なリジッド機採用というのも珍しい。今回は導入の経緯や展望、今後の展開を探ってみた。

 

手描きからIJへ

同社で採用しているのは、「スクリーン印刷」「インクジェット(IJ)プリント」。
現在は仕事の9割がIJプリント、残り1割がスクリーンの仕事だが、今は技術が失われつつある「手描き」も同社では行っており、伝統の技を大事にする会社でもある。
得意先は広島県と中国地方が多いが、売り上げ規模上位は県外の企業が多くなってきた。自社では営業を行わず、代理店や看板店が使える「外部の自社工場になる」というのが同社のスタンスだ。

蔵本社長は「当社は機材があって、技術をチャレンジすることを繰り返し、成長してきた」と言い。今回の「HP Latex R2000」の導入もその一環として行ったものだ。

最初のインクジェットプリンタ(IJP)導入は、約20年ほど前で、武藤工業「ラミレス」の1600㎜幅。それまで手描きで3~4時間かかっていた仕事が、1時間程度でできるようになった。この時短は圧倒的で、デジタル化は成長に必須の条件だった。
その後、幕ものに必要な出力幅を求めて2500㎜幅の「ラミレス グランデ」を追加設置。さらにセイコーアイインフォテック(現OKIデータ)の溶剤系IJPを導入するなどで台数を増やしていった。

 

 

「HP Latex R2000」導入

「HP Latex R2000」は、2018年9月のサイン&ディスプレイショウで、蔵本社長がデモを見て、そこからわずか2カ月で導入に至った。

フラットベッドに関しては、UVインクを搭載した製品が多く、「素材の良さを生かせない」と感じたことから、当初は二の足踏んでいた。
しかし、「HP Latex R2000」は、「ラテックスインク搭載のため、素材感を生かしたプリントクオリティがあり、この点が断然優れていた。また、出力速度も満足いくものだった」とデモを見て考えが改まった。


社内のロゴサインも「HP Latex R2000」でプリントしたものに

さらに、ロールとリジッド(ボード)の両方へ出力できるので、既存のロール機で賄いきれない仕事を回せるという利点もあった。
ロールとボードの切り替えはオペレーター一人が10分~15分で可能。
同社はこれまで6台のHP製品を導入しており、操作に慣れており、安心感もあった。

一方で、従来は幕モノが中心の同社では、ボードへの出力がメインの「HP Latex R2000」の導入は当然ながらチャレンジでもあった。
蔵本社長は「デジタルサイネージの登場によって、これまで作成してきた幕の活躍する場所が徐々に減っていくことが予想される。このため、ボートプリントで出力できる建材や内装材、ディスプレイの製作を取り入れて行こう」と決心をした。

 

特性生かし需要開拓

導入後はじっくりと使い方を考えながら営業を始めている。
出力する素材で多いのは、スチレンボード(等身大)とプラスチック段ボール。ラテックスインクの特徴を生かしたものでは、木材や黒板などへのプリントで力を発揮している。

サンプル製作した「誕生会用のウェルカムボード」は、木目がしっかりと生きており、温かみを感じる仕上がり。黒板へのプリントは、お店のチョークアートを意識したもので、店名やサイドキャッチなど変更のない部分はIJでプリントし、季節のおすすめやキャンペーンをチョークで描くことで、店の負担を軽減できる。

「木材はホームセンターで買ってきたもの、黒板は専門業者の既製品で、特にプレコートせずに使っている」という。
仕上がりは美しい上、インクの定着はまったく問題なく、すでに販売している商品だ。

さらに「HP Latex R2000」の導入に合わせて、大型のカッティングプロッタを導入した。
これにより、等身大ボードの後加工も可能になり、ウェディングやキャンペーン用のボード製作にも対応できるようになった。ディスプレイなどの立体物も、自社で加工まで一貫して対応する。

「後加工機が入ったことによって、本格的に売り出せるようになった」と蔵本社長。
「HP Latex R2000」の本格稼働により、今後、衣食住の「住」に関する部分や、店舗が長期間使える素材を生かした看板・内装など、ラテックスインクやリジッドの特性を活用した制作物で、新たな需要の開拓を目指す。

大蔵プロセス
https://okura-process.co.jp/

 


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