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「シリーズ デジタルプリント」第10回 キヤノン① 商業印刷分野へ注力開始


【2017年12月11日】新たなデジタル印刷の潮流を探る「シリーズ デジタルプリント」。
10回目の今回は、キヤノングループで商業印刷用デジタルプリンタを取り扱うキヤノンプロダクションブリンティングシステムズ(キヤノンPPS)。
キヤノングループは今年4月、東京都大田区下丸子の同社本社内に「カスタマーエクスペリエンスセンター東京(CEC Tokyo)」をオープン。本格的に商業印刷用デジタルプリンタの販売にさらに力を入れ始めた。
今回は、新たな取り組みを始めた同社の事業について、キヤノンPPSマーケティング本部の松藤勝弘本部長に話を聞いた。


松藤勝弘本部長

 

商業印刷へ~オセ製品活かす!

――2017年は「CEC Tokyo」など商業印刷用プリンタに力を入れる意思を示した取り組みが目立ちました
キヤノンはもともと複写機事業が強く、オフィス向けのプリンタ製品群で事業を拡大してきた企業です。
2010年、オランダのオセ社がキヤノングループに仲間入りし、どういった戦略でその商品群を国内ビジネスに生かしていくかを考え、これまで実績を少しずつ残してきました。

CANON シリーズデジタルプリント

特に、2012年ごろから、ColorStreamという新ブランドを立上げて、商業印刷市場に拡張性の高いインクジェット輪転機を提案。BtoBにフォーカスし、既存事業から、新規市場である商業印刷分野を挑戦分野としてきました。

お客様とのBtoBモデル事業の構築が我々のテーマで、2017年は、このテーマに一定の答えを示した新たな挑戦の年となりました。

――オセの製品ラインアップはどのようなものでしょう
まずは、今秋に発表した商品からご紹介します。
ポスターやサイン&ディスプレイで活用される「大判の商品ポートフォリオ」は、9月に「Océ Arizona 1280GT」、11月21日に「Océ Colorado 1640」を発表しました。


「Océ Colorado 1640」

「Océ Colorado 1640」は、新開発の「UVジェルテクノロジー」により、高生産性、高画質、幅広いメディア対応を実現しています。最高速モードで最速毎時159m2の高い生産性を実現。また、低臭気なため、UVインクで対応が難しいとされる室内向けの印刷物にも対応します。新開発のUVジェルインクにより、特に、従来と比較して最大40%のインク使用量の削減を実現しており、ランニングコストの削減が大きな特長です。サイン&ディスプレイの屋内外向け広告印刷や、壁紙や床装飾など産業印刷向けにご活用いただきます。

商業印刷用のモノクロインクジェット印刷機では、データプリントサービスから書籍まで幅広く対応可能なの「Océ MonoStoream 500」が、好評を得ています。

キヤノン シリーズデジタル
「Océ MonoStoream 500」

また、「Océ ColorStream」シリーズは、現在、Chromera(クロメラ)インクなどの機能拡張を進めており、「ホワイトペーパーソリューション」として白い紙の上に、フルカラー印字を行う請求書やDM市場、そして、出版書籍用途でもご活用頂いています。
特に、「クロメラインク」の搭載で、薄紙への対応やより発色が向上し色再現性に優れた製品になったと思います。
この製品には、ホリゾン社のスマートバインディングシステムなどと組み合わせて、上流から下流までを一気通貫で印刷・加工することで、多品種・小ロットの需要に適した高い生産性を実現できます。
「Océ ImageStream 2400」は、最大印刷速度が160mの水性フルカラー高速インクジェット輪転機です。

幅広いメディア対応が可能なため、ダイレクトメールから、教材、マニュアルなど、小ロットから中ロットのショートランビジネスに最適な製品です。


「Océ ImageStream 2400」

同じく水性フルカラーインクジェット枚葉機の「Océ VarioPrint i300」は、高速トナー機の入れ替えとして、生産性3倍で実稼働率も高く、コストダウンに大きく貢献します。特に、簡易な運用面や用紙対応力の広さが好評で、欧米では100台を超える販売数となっています。

――デジタル印刷の市場が変わりつつある感じですよね
2018年には、当社ブランドの連帳稼働機が印刷している総プリントボリュームにおいて、いよいよトナーとインクの比率が逆転します。

これまでデジタル印刷機では先行していたトナー機モデルに対して、2008年以降、インクジェット技術の革新により、その性能・品質が向上。近年は、トナー機に迫る高画質に加え、用紙対応力が広がることで、インクジェットに対するお客様の懐疑心がなくなったと思います。これにより、商業印刷、出版書籍市場での用途が広がってきています。

――販売では新たな提携もされましたね
キヤノンPPSは今年2月、岩崎通信機の「Label Meister EM-250W」の販売提携を発表しました。
この製品をキヤノンPPSのお客様にご紹介し、シール・ラベル需要の高いクライアントへの新たなビジネス開拓をしていければと思っています。
これまでキヤノングループが取り組んでいなかったラベル分野を皮切りに、将来的には、段ボールやパッケージなどの分野のプリントでも製品を提供していきたいと考えています。

サイン&ディスプレイ、建装材市場は、先ほど申し上げた「Océ Colorado 1640」や「Océ Arizona1280GT」を日本で発売していく体制を整えています。

オセと同じく、2012年に当社グループとなった昭和情報機器からのお客様にサイン業のお客様がいらっしゃいますので、是非ご提案したいと思っています。今後、2018年に向けて、この分野でも新たなパートナーとアライアンスを組み、特にサイン&ディスプレイ市場には力を入れて行きたいと考えています。

「シリーズ デジタルプリント」第10回 キヤノン②につづく

 


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