【2016年9月7日】まだまだ暑い日が続くが、暦の上ではもう秋。
「芸術の秋」「文化の秋」にふさわしい「materialoop(マテリアループ)」の素材が、東京・西麻布の「マテリアル・ガーデン」で展示されている。
マテリアル・ガーデンは素材と活用法を提案する学びのスペースで、コクヨグループのクリエイティブセンター「KREI /co-lab 西麻布」に開設されている。紙を中心にさまざまな素材を活用した商品や提案品を常設展示している。
「マテリアループ」は、フェリシモのプロジェクトで、工場や倉庫などにある、不要なもの、廃棄を待つもの、など「眠れる素材」を新しい「ものづくりの素材」として販売している。なかには、それらの素材を商品化し、同じくマテリアループのウェブサイトで販売しているものもある。
マテリアループは、さまざまなメーカーや工場、倉庫などで端材、デッドストック、規格外品、余剰素材や部品が眠っており、これを廃棄してしまうことを問題とし、また心を痛めていた。マテリアループというプロジェクトは、このことに着目して生まれたもの。
さらに「マテリアループ」では、単なるリサイクル、リユース、リデュースではなく、不要な素材から「ナイス」や「ユニーク」を感じる商品を生み出す「Upcycle(アップサイクル)」もテーマにし、眠っていた素材とものづくりを楽しむ人が出会う場として、楽しい”蚤の市”のようなウェブサイトづくりを行っている。
今回、マテリアル・ガーデンに展示されているものを少し紹介しよう。
この色のパターンはフェリシモの代表的な商品「500色の色えんぴつ」の不良品を「素材」としてとらえると、どんな可能性があるのか?をテーマにしたもの。
色鉛筆としては使えなくとも、その色を表す軸の部分がとても美しく、人の目にアピールしている。
回収された点字用紙は、「でこぼこがデザインされた美しい紙」という「素材」として展示されている。点字用紙ならではの「丈夫」という機能性を生かし、ラッピングペーパーや封筒などとして新しい使い方を模索。
点字用紙の素材は紙だけではないため、再生しづらいことから古紙回収されず、これまでは廃棄するしかなかった。点字用紙の再利用はとても面白い発想だが点字を読める人もいるため、点字用紙回収を含め、点字が読めないよう少しつぶして整えるところまですべて、視覚障害を持つ方が働く福祉施設で行われている。
小型のブロック(おもちゃ)の試作品や、デッドストックボタンも数千個単位で使う。大量に集めるという発想で素材感を存分に利用し、新たな可能性を持つ素材としてユニークなスタイルでディスプレイされている。
ヤシの実のカラは、合成漆を塗り遊び心のあるポップな器に、東南アジアの米袋もおしゃれでありながらどこかキッチュなバッグとして、ビーチサンダルもくりぬいてアクセサリーになど、商品化されたものも展示されているので、「アップサイクル」のアイデアの参考になりそうだ。
マテリアルガーデンには、こんな遊び心のある「マテリアループ」の素材や、アップサイクル作品の展示が約20並ぶ。
使えなくなったものに別のアプローチで新たに生命を吹き込むマテリアループ。この展示を見て素材の新たな使い方や見方を深めてほしい。
展示は来年3月20日まで。
マテリアループの見学はメールで事前予約が必要。訪問希望日の10日前までに、予約をお願いしている。
予約は(info-mg@krei-project.com)まで。
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