【2018年9月1日】矢野経済研究所はこのほど、「国内一般印刷市場規模推移と予測」を発表した。
この調査によると「2016年度の国内一般印刷市場規模(事業者売上高ベース)」は、3兆5,317億2,700万円、前年度比1.1%減となった。前年度のマイナンバー制度施行によるDPS(データプリントサービス)とマイナンバーカード(ICカード)関連における需要拡大の反動により、減少推移となった。
2016年度のマイナンバー需要に関しては、通知案件の消失に加え、収集案件も前年度に比べると受注は減少した。DPSでは、大型のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)案件の縮小もあった。
2017年度の同市場規模は3兆4,922億500万円、前年度比1.1%減と再び減少推移となった。これは大きく減少した出版市場の煽りを受けた出版印刷分野と、大型BPO案件縮小の影響を受けたDPSの減少が主な要因となっている。
トピックスとしては、準大手クラス以外の印刷企業の2017年1~12月期の税引き後利益率(単体業績)平均は、1%台と低水準にとどまった。
印刷企業(印刷関連企業、非印刷事業業績も含む)の売上高上位約1,500社の売上クラス別の業績推移(単体業績)では、2017年1~12月期の税引き後利益額(平均値)が、前期に比べて2大大手(凸版印刷と大日本印刷)を除く、すべてのクラスで増益となっている。
同じく利益率についても、2大大手以外では前期より上昇している。しかし、その利益率自体は、準大手クラス(2大大手を除く売上高100億円以上の企業)以外のクラスでは1%台と低い数値となっており、業界の収益性の低さが表れている。今後も収益性を向上させる施策が各印刷企業において必須になると考える。
将来展望では、2018年度も出版印刷分野とDPSの需要減少は続くとしており、DPSについてはその減少幅は小さくなるい。一方、証券関連・カード印刷分野におけるディスクロージャー関連の需要は更に拡大する見通し。
また、ここ数年は比較的堅調な推移を見せている商業印刷も引き続き底堅く推移し、2018年度の国内一般印刷市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比0.7%減の3兆4,680億円と、その減少幅は小幅で推移する見込みである。
調査要綱
1.調査期間: 2018年5月~7月
2.調査対象: 印刷企業、及びその他関連企業
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面接取材、及び電話取材、郵送アンケート調査併用
一般印刷市場とは
本調査における一般印刷市場とは、出版印刷、商業印刷、証券関連・カード印刷、ビジネスフォーム印刷の4つの印刷分野を指す。印刷・加工高に加え、Webサービスや付帯サービスなどの関連サービス売上高も含む。
市場に含まれる商品・サービス
出版印刷、商業印刷、証券関連・カード印刷、ビジネスフォーム印刷(DPSやBPOサービスを含む)
出典資料について
資料名 2018年版 印刷企業の徹底分析
発刊日 2018年7月31日
体裁 A4判 635頁
定価 120,000円(税別)
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矢野経済研究所 マーケティング本部 カスタマーセンター
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