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【速報】電通 「2020年 日本の広告費」を発表 6兆1,594億円(前年比88.8%) コロナ影響で過去2番目の下げ幅


【2021年2月25日】電通は2月25日、「2020年 日本の広告費」を発表した。

「日本の広告費」は、日本の前年の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定したもので毎年この時期発表されている。

日本の総広告費の推移

2020年(1~12月)日本の総広告費は、世界的な新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)拡大の影響による各種イベントや広告販促キャンペーンの延期・中止により、4-6月期を中心に大幅に減少した。
7月以降は徐々に回復の兆しを見せ、10-12月期には前年並みに回復しつつあったものの、通年で6兆1,594億円(前年比88.8%)となり、東日本大震災のあった2011年以来、9年ぶりのマイナス成長。リーマン・ショックの影響を受けた2009年(同88.5%)に次ぐ統計開始以来、2番目の下げ幅となった。

 

日本の広告費の概況

媒体別では、「マスコミ四媒体広告費」が2兆2,536億円(前年比86.4%)と6年連続の減少となった。「新聞広告費」「雑誌広告費」「ラジオ広告費」「テレビメディア広告費」はすべて大きく前年割れだった。
「インターネット広告費」は2兆2,290億円(前年比105.9%)で、1996年の推定開始以来、一貫して成長を続け、「マスコミ四媒体広告費」に匹敵する2.2兆円規模の市場となった。
電通では「マスコミ四媒体事業者が提供するインターネットサービスにおける広告費「マスコミ四媒体由来のデジタル広告費」803億円(前年比112.3%)や「物販系ECプラットフォーム広告費※」1,321億円(同124.2%)の二桁成長が全体をさらに押し上げた」と分析している。

 

プロモーションメディア

印刷物が多く含まれる「プロモーションメディア広告費」は、1兆6,768億円(前年比75.4%)と大幅に減少。
「各種イベントや従来型の広告販促キャンペーンの延期・中止に加え、外出・移動の自粛も影響し、通年で減少した。特に『イベント・展示・映像ほか』『折込』などが大幅に減少した。

「プロモーションメディア広告費」の内訳は次の通り。
「屋外広告」は2,715億円(前年比84.3%)で、新型コロナの影響(特に外出自粛)を受け、大幅に減少した。

「交通広告」はさらに影響が大きく1,568億円(前年比76.0%)。交通機関利用者が減少し、鉄道広告は、中吊り、駅貼り、ドア横をはじめ、ほぼすべての媒体がマイナスとなった。媒体化されて以来、堅調に伸びていたデジタルサイネージも大きく減少した。
空港も全体的にマイナス。特に国際線は入国規制による利用者の大幅減少に伴い、広告も大きく減少となった。

「折込」は2,525億円(前年比70.9%)よ前年以上の減少で壊滅的な打撃を受けている。
近年の新聞の発行部数減少、折込大判サイズの減少に加え、新型コロナの影響による流通関連の折込自粛が要因となった。
業種別では、流通を含め、飲食、旅行・宿泊関連、遊戯関連を含むサービス業、教育・教養、金融・保険、不動産が大きく減少した。

「DM(ダイレクト・メール)」は3,290億円(前年比90.3%)とこの中では比較的健闘。
ただ、4月の緊急事態宣言や送客型DMが外出自粛の影響を受けたことから、大幅に減少。7月以降はデジタル施策との併用も受け、回復傾向が見られた。
業種別では、巣ごもり需要で、通販(健康食品関連含む)、教育関連(オンライン学習塾など)、不動産・住宅設備(リフォームなど)が比較的堅調に推移。また、公告(政府・自治体からのお知らせ)も増加傾向だった。また、企業向けオンラインセミナーと併用した商談目的のDMも見られた。

「フリーペーパー」は1,539億円(前年比72.9%)。特に新型コロナの影響により、4-6月期は大きく減少した。

「POP」は1,658億円(前年比84.2%)と、積極的な店頭演出ができないため、大きく減少した。また、新商品が発売延期・中止になったメーカーも多く、その影響も出た。
一方、実演販売や接客ができない点から、小型モニターPOPの設置や、店頭でのデジタルサイネージを活用したリモート接客の活用などが見られた。

「イベント・展示・映像ほか」は、3,473億円(前年比61.2%)と、過去最大規模の下げ幅を記録。
「東京2020オリ・パラ」をはじめとする多くのイベント・展示会などが延期・中止の影響を受けている。

 

このほかの広告費

「その他、広告関連市場」に分類される「商業印刷市場」は1兆7,500億円(前年比87.9%)。
うち、ポスター・チラシ・パンフレットの印刷市場は1兆500億円(同85.4%)で、減少傾向だった。
また、ポスティング市場は、1,156億円(前年比95.8%)と比較的下げ幅が少なかった。

マス四媒体の分野別は次の通り。
印刷に関連している「新聞広告費」は3,688億円(前年比81.1%)と各種イベントの中止、宣伝予算の削減などに伴い出稿が大幅に減少。

同じく印刷に関連する、「雑誌広告費」も1,223億円(前年比73.0%)と大きく減少した。
一方、紙の出版物の推定販売金額は、前年比99.0%と16年連続のマイナスとなったが、減少幅は最も小さくなった。電子出版市場はコミック誌の成長と巣ごもり需要の影響を受け、同128.0%と引き続き大きく伸長。紙と電子出版市場を合わせた全体も同104.8%となり、2年連続で前年を上回る結果となった。(出典:出版月報2021年1月号)

「ラジオ広告費」は1,066億円(前年比84.6%)で、各種イベント告知、「交通・レジャー」「流通・小売業」などの出稿が減少し、通年で大幅に減少した。

「テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連)」は、1兆6,559億円(前年比89.0%)。

電通メディアイノベーションラボ 研究主幹 北原利行による「2020年 日本の広告費」の「ウェブ電通報」解説記事
https://dentsu-ho.com/articles/7665

 


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