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書店の新たな販促戦略!!「タワー積み」って知ってる!?② 芥川賞受賞の「火花」は積みやすい?


書店の新たな販促戦略!!「タワー積み」って知ってる!?①のつづき

 

【2015年9月2日】同店舗で最初にタワー積みが行われたのは2004年の「アフターダーク」(村上春樹)。母袋さんの同僚の女性職員が積み始めた。

母袋さん
タワー積み職人の母袋幸代課長兼MD販促担当

大型書店では人気作家の作品は発売初日に多くの在庫を集めることが可能だ。「平積み」といって平台の上に何段にも本を並べている光景は皆さんもご覧になったことがあるだろう。この同僚の方は「アフターダーク」が入荷した際、「せっかくたくさんの本があるのだから、ただ平積みしてはつまらない」と幾何学的に積み上げる実験的な試みをした。これが同店でのタワー積みの始まりという。

その同僚の移動後は、母袋さんが人気作や話題作のたびに積みはじめ「螺旋」や「船」などさまざまな芸術的作品が生まれていった。

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タワーは三省堂の名物となっている(写真提供:三省堂書店)

タワーにはさまざまな積み方があるが、いくつか重要なルールがある。
それは「崩れたり倒れたりしないこと」と「本を傷つけないこと」。
当然だが、お客さまの安全第一であり、商品である本も傷つけてはいけない。

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安全性と美しさを兼ね備えたタワー積み(写真提供:三省堂書店)

平台などの陳列棚には、タイヤやローラーが付いていることがほとんどで、開店、閉店時に移動することもある。このため、崩れない耐震性は絶対的に必要で、これをクリアした上で芸術性を追究するというから本物の建築物のようだ。

本を傷つけないことも非常に重要。本がたわんだり、擦れたりしないよう気を付けながら積む。それでも、一部の来店者から「本をおもちゃにするな」という批判もあることから、この点でも細心の注意を払って行っている。

「やはりハードカバーの分厚い本は積みやすく、ソフトカバーや薄い文庫本などは積みづらいです」と母袋さん。同店では文芸作品を中心に積んでいるが、他の書店では薄く、表紙の柔らかいコミックスを積むケースもあり、その場合は2冊、3冊重ねにして少しずつ重心をずらすなど、たわまないテクニックを駆使しているという。

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積みやすさでも優秀だった「火花」

また、表紙によっても積みの難易度が変わるという。
やはり滑りやすい表紙は積みにくい。

ちなみにこの日積んであった「火花」は「薄い本にもかかわらず、表紙が厚く丈夫で、滑りづらく、非常に積みやすい」とのこと。普通、芥川賞作品は、受賞後にすぐ刷るため、わりと装丁が凝っておらず、滑る、薄いなど積みにくい要素を満載した本の代表だそうだが、今回の場合は違ったようだ。

書店の新たな販促戦略!!「タワー積み」って知ってる!?③につづく

 


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