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サトー ミクロン銅粉を用いたRFIDアンテナ製造技術を開発 導電性と低コストを両立し2026年の実用化へ

【2025年11月13日】サトーは、一般的に流通しているミクロンサイズの銅粉を活用し、銅ペーストによる印刷方式のRFIDアンテナ製造技術を新たに開発した。
従来主流だったアルミや銀を用いる方式に比べ、高い導電性と量産適性を両立しつつ、製造コストの削減を可能にしたもので、2026年の実用化を目指す。

RFIDアンテナは、ICタグで情報を電波送受信する中核的な部品。従来のエッチングや打ち抜きによるアルミ製アンテナは、素材ロスが多く環境負荷も大きいという課題があった。

一方、サトーは、印刷による導電性配線形成を可能にするFHE(フレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクス)技術を応用。低コストなミクロン銅粉の特性を引き出す独自の銅ペーストと製造プロセスを確立した。
独自の焼結工程により、酸化した銅粒子でも粒子間を緊密に結合させることに成功し、純金属に迫る高導電性を安定的に発現できるという。
また、焼結層と基材の密着性を高める技術も開発し、紙やPETフィルムなど多様な基材への適用が可能。さらにRoll-to-Roll方式に対応し、安定した量産体制の構築にも適している。

同社によると、従来の銀ペーストや銅ナノペーストと比較しても、原料コストを大幅に抑えながら高い導電性と安定品質を維持できる点が大きな強みだという。

今後は、量産試作や生産ラインの立ち上げを進め、RFID製品として2026年の量産開始を目指す。
将来的には、スマートラベルやセンサー付きRFIDへの展開を見据えるほか、プリンテッドエレクトロニクス分野での応用を想定し、他企業との共創による開発も推進する方針。

 

 

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