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【この人に聞きたい!】ミマキエンジニアリング 池田明会長・後編 「3Dプリンタがひらく新たなものづくり」

【2015年7月8日】前編に引き続き、IJPなどのデジタル機器業かいをけん引してきたミマキエンジニアリングの池田明会長に今後の自社や業界の展望などについて話を聞いた。

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デジタルでのプリントは印刷業界をどのように変えるか
当社が1980年代に自社ブランドで初めて販売したのが、パーソナル向けのCADプロッタでした。当時は大型のコンピュータで設計をしていました。その後、コンピュータの処理スピードが向上したことでパソコン上で設計が出来るようになり、その出力機としてのプロッタを目指したものです。そこから、カッティングプロッタやIJPを開発していったのです。
デジタルによる印刷でも同じような成果が得られるのではないでしょうか。
また、熟練工が現役を去り、世代交代が進む中で、プリント関連のデジタル化は必須になると考えており、技術が失われないような手助けも当社ができると考えています。

新製品などの開発は
3Dプリンタなどの開発を進めています。今年8月からは、フルカラーの3Dプリンタによる出力サービスを子会社のグラフィッククリエーションで開始します。当社の3Dプリンタは約1000万色フルカラー造形が可能です。従来の粉末石膏造形方式では500~600万色が限界でしたが、それを上回る色数による細かな色彩表現は3D プリントに新しい可能性をもたらすでしょう。

テキスタイルプリントでは昇華転写でプリントしていますが、最終的な色が「わからないという欠点がある。捺染顔料インクを使用することで、最終的な色をその場で確認できるようになる。これを開発できれば、当社は本当のデジタル捺染を提供できるようになり、ユーザーは思ったとおりの製品を自在に作れるようになるでしょう。パッド印刷のようなアナログでやっていた印刷の置き換えも、当社が持つデジタル化技術で実現できないかと模索しているところです。

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今後の展開や目標などは
これはあくまで私個人の考えなのですが、ミマキで製品を開発して売るだけでなく、私自身がクリエーターを集めてものづくりができるような場所を提供したい。そして、最後には一般の方に完成品を届けられるような仕組みも作りたいと思っています。

今、主流になっているUVプリンタはさまざまなものに出力できるため、活用の範囲が広くさまざまな使い方をしていただけるのが特徴です。これをもっと多くの方に知っていただき、新しさと違いを提供して行きたいと思っております。

実際、当社ではクリエーターの方たちに当社の製品に触れていただける「CreativeLAB(クリエイティブラボ)」を開催し、ミマキの製品を知ってもらう取り組みもしています。こういった活動を推し進めて、美術品やフィギュアなどの商品を作り、販売するような事業も可能かと思います。活動を通じ、若手のクリエーターが育っていくような環境を創出できればいいと考えます。

池田会長自身の目標は
まわりが優秀で、知識ではかなわない人ばかりなので、その人たちの知識を借りて、私自身は知恵で勝負していきたいと思っています。考え方と技術、人と人を結びつけて新しいものを生み出すのが喜びです。私は昭和22年生まれで、あと2年で70歳になります。だからこそ、今は若い人と一緒に新しい仕事をしていきたいというのが希望ですね。

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