【2015年7月8日】ミマキエンジニアリングは1975年設立。83年のペンプロッタ開発以降、カッティングプロッタやインクジェットプリンタ(IJP)などさまざまな製品開発を通じ、サイン関連など大判プリントの分野をリードしてきた。近年はテキスタイルにデジタルプリンティングを持ち込み、新たな事業を開拓。そしてプラスチック等にダイレクトにプリントできるUV硬化インクを使用した産業用インクジェットプリンタ、今年8月からはフルカラー3Dプリンタによる出力事業にも進出する。変化し続ける同社をけん引し続けてきた池田明会長に話を聞いた。
インタビューは前後編の2回でお届けする。
現在の貴社の事業は
従来得意としてきたサイン市場へのインクジェットプリンタ(IJP)供給は、中国や東南アジアなどの新興国で販売台数を伸ばしています。日本などの先進国は微増ですが、販売台数を伸ばしています。デジタルプリントは少量多品種、オンデマンド生産に最適で、全世界的に今後さらに伸長することは間違いありません。
その理由は、生産者と消費者が直接つながる時代が来ているからです。両者がつながれば、当然、それぞれの欲しい形のものを欲しいだけ作るというオンデマンド生産へと体制が移り、当社の製品が必要とされるでしょう。その時には、前後の加工装置も付属するようなシステムが必要とされると思います。
印刷業界での貴社の需要とデジタル化の進展は
まだまだこれからという感じではないでしょうか。現在ある印刷会社さんは、縮小傾向にあると言われる環境下においてもしっかりと利益を確保していらっしゃり、急速なデジタル化を望んでない印象を受けます。
「テキスタイル」の業界は、一足早くデジタル化が進展していますが、それは一時期、安価な製品などに押されテキスタイル業界が転換期を迎えたからです。また、先進国は人口が増えないという問題があり、その中で安さではなく「消費者の心を掴む」ような商品を作らねばなりませんでした。
そこでSPAなどを採用し、生産体制を変え、デジタル化を推進して来ました。先ほどの生産者と消費者がつながるとの話に戻りますが、ある会社では、生産から店頭販売までを自社で完結してしまったのです。彼らはデザインから2週間ほどで、店頭に品物を並べるそうで、それも色や柄がかぶらないように少量・多品種で生産しています。
印刷業界も、少子高齢化で人口減少が進む今後は、小ロット・多品種が求められるようになると思います。そうなれば、どのような形であれデジタル化が進むはずです。
後篇に続く
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