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【この人に聞きたい!】屋外専用の新バーコード「XPANDコード」を開発・前編 銀座交通デザイン社 南木徹社長

【2017年5月10日】バーコードというと「JANコード」や「QRコード」などを思い出す人が多いと思うが、近年、屋外サイン向けという新たなバーコードにチャレンジしている会社がある。

銀座交通デザイン社は昨年、サインや案内板に貼るだけで多言語化できる新バーコード「XPANDコード」を開発・発表した。
そのコンセプトは、屋外の看板や案内板などにこの「XPANDコード」を貼りつけ、スマホなどで読み取ると、多言語情報やさらに詳細な情報を得られる。
これだとQRコードと同じに見えるかもしれないが、ポイントは近づかなくてもよいこと。
遠くからスマホをかざすだけで読み取りができ、歩き疲れたユーザーにやさしい工夫がなされている。

銀座交通デザイン XPANDコード

銀座交通デザイン社のすごいところは、開発・発表するだけでなく、その後、ネット通販などを通じて「XPANDコード」に音楽や情報をひも付したシールを販売したり、QRやバーコードリーダーアプリからでも接続できる「XPANDコード オープン接続プログラム」を提供したり、と普及の努力を続けていること。
この「XPANDコード」について、銀座交通デザイン社の南木徹社長に話を聞いた。

銀座交通デザイン社 019

 

公共交通機関の案内表示で見えた課題

――まずは貴社の概要を教えてください
当社は2015年6月1日にスタートを切った新しい会社です。
もともと工業製品のデザインもしている宇都宮市にあったマジケという会社を社名変更。東京に移転し、銀座交通デザイン社を立ち上げたのです。

マジケではイタリア関係のデザインをしていました。私はもともと自動車会社出身で、乗り物関連のデザインを多く手掛けてきました。
鉄道関連はたまたま依頼があり、2006年に大阪市営地下鉄のハイビジョンLCDについて、コンテンツなどを含めたデザインをやらせていただきました。
その後2010~2016年にかけて、東京メトロのデジタル表示機器に関しても、デザイン させてもらいました。

イメージ

――公共機関の表示機器やコンテンツなどは制作が難しいと聞いています
案内などの表示は、いいものにしようとすればするほど、表現する内容が難しくなります。公共の場所に掲出されるものなので、安全面や使いやすさなどをさまざまに検証し、調整作業が多いのも事実です。

まず「こういうものがいい」という依頼から始まります。
「行先」「時刻」「種別」「ドア数」「車両数」「先発・次発」といった必ず必要な情報だけでもかなり多いですね。

さらに、各社・各路線によって、伝えたい内容が異なります。
メトロ一つをとっても日比谷線では種別がなく、ドア数が一部の車両で異なる。千代田線では、小田急やJRへの直通があり、種別が必要などの違いがあります。
こういった多くの情報の中で、何を入れるか、何を入れないかも含めて、秒数間の表示に何を入れるかをデザインすることが非常に大事です。

――なぜ「XPANDコード」を開発されたのですか
公共交通機関のデジタル表示板は、先ほども言いましたように大量の情報が含まれています。
特に近年は、外国人観光客の増加により、外国語の表示も必要となっていますよね。
それらの方たちに、わかりやすく情報を伝える手段として「XPANDコード」を活用してもらいたいと思ったのです。

銀座交通デザイン XPANDコード

デジタル表示板は表示の切り替えが可能ですが、その時間が短すぎてわからないといった声があります。
ただ、これも外国語の表示時間を長くすればいいかというと、そうではありません。大半の利用者である日本人には、長時間の外国語表示は、理解できない言語の表示時間が長くなるというジレンマを抱えています。

つまり「XPANDコード」で、スマホで表示してもらうことは、外国人観光客の利便性を高めるとともに、日本人の利便性も高めるということなのです。

【この人に聞きたい!】屋外専用の新バーコード「XPANDコード」を開発<後編> 銀座交通デザイン社 南木徹社長 に続く

銀座交通デザイン社
https://ginza.design/ja/

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