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【この人に聞きたい!】700台以上稼働!包装用シュリンク装置はブラウン管検査から生まれた!? 日本テクノロジーソリューション

【2017年3月6日】日本テクノロジーソリューションはシュリンクトンネル「TORNADO(トルネード)」で知られる包装機材メーカー。

「TORNADO」シリーズは、旋風状に熱風を吹き付けることで、容器にダメージを与えず、しっかりとシュリンクできる。また、蒸気を吹き付けるスチームタイプに比べ、本体サイズも小型で小規模事業者でも導入しやすいことも特長だ。2016年6月には熱風とスチームのハイブリッド機「スーパーTORNADO」を発表するなど、常に先進の取り組みをしている。

日本テクノロジーソリューション 岡田耕治社長

この日本テクノロジーソリューション、ただの機材メーカーにとどまらず事業の範囲を拡大している。
「TORNADO」の開発や販売をするテクノロジー事業に加え、ソリューション事業ではホームページ制作や映像制作もこなす。
今回は岡田耕治社長に、両事業や今年夏に着工する新本社などについて話を聞いた。

 

ブラウン管検査装置製造から転身

当社は2001年に第二創業ともいえるシュリンク装置の事業を始めました。それ以前はテレビのブラウン管検査装置を作っていたのです。
当時は90年代後半、テレビはブラウン管から液晶を使った薄型の製品が販売され始めており「いずれ、仕事がなくなるぞ」と危機感を感じていました。
そこで考案したのが「TORNADO」です。
実際、テレビの検査装置の仕事はそのあと数年でなくなってしまったので、あの時決断していなければどうなっていたかを考えるとゾッとします。

日本テクノロジーソリューション TORNADO

「TORNADO」は熱風を旋風状に吹き付けるのですが、これはテレビの検査装置のシステムを応用したものでした。
もちろん、開発・発売当初から事業がうまくいっていたわけではありません。
最初はまず売り先がありませんでした。
モノは作ったけれど、まずはどこへ持って行ったらいいかわからない。さらには持って行っても「実績がないから」と断られてばかりでした。

やっと導入が決まった後も、1年間は多くのクレームをもらいました。そのたびに技術者と現場に出向き、課題を克服していきました。
この2001~2002年あたりは、毎日吐きそうな思いでしたね(笑)。

しかし、課題を解決することで「TORNADO」は完成度が上がり、導入後のトレーニングから、代金回収までの流れが出来てからは安定し、製品の評判が上がったことで、次第に導入が増えていきました。


導入企業はブランドオーナーが中心で、大手化粧品メーカーや調味料メーカー、飲料メーカーなど多岐にわたっています。
現在は700台以上が稼働しており、2020年までには1000台を達成できると考えています。

 

ソリューション事業を推進

ソリューション事業は「プロモーション」「ファシリテーション」「エディケーション」の3つに分けられます。

「プロモーション」ではホームページやPR映像の制作、「ファシリテーション」ではクライアントの商品開発や市場調査などの支援、「エディケーション」では企画力強化や営業力強化といった活動を行っています。

なぜ当社のような製造業が、これらの事業を始めたのか、というのはよく聞かれますが、第二創業で新たな事業を進めていく中で、自分たちが課題とし、解決したことを他社にも提供したいと思い始めたものです。

特に「プロモーション」などは、良いものを作ってもどうやってPRしたらよいかわからないという事業者が多く、これらの人たちのために力をお貸しできればという強い思いから始めたものです。
その中で、映像制作を始め、それが番組制作に結びついて、現在では「ものづくりの挑人たち」という企業トップなどのインタビューを交えた番組をつくり「BSジャパン」「日経CNBC」などで放映しています。
語呂合わせですが、私は「“包装”と“放送”を融合していく」などと社員に言っています。

また、シュリンクから「パッケージ受託事業」が派生し、さらには中身まで作る飲料などの「商品開発」も行うようになりました。
Amazonなどネット通販が台頭する中で、自社商品をいかに目立たせるかということが課題となっており、パッケージ変更などの要望は増えています。第三者の目で見ることで新しい切り口を提案できるケースもあり、当社が重宝される存在となっているようです。

また「エディケーション」事業ではセミナーはもちろん、実践的に学んでいくという取り組みをしています。

当社のテーマは「創造性」と「スピード」。
ブラウン管検査装置の製造から、一気に「TORNADO」に転換したときのことを考えると、常に新たな取り組みを迅速にし、企業が変わっていかなければ、いつか消えてしまうという、私自身の強い思いがあるのです。

 

新社屋開設 そしてこれから

現在、全社で約30名の社員がおり、5年前に私が本社と兼務で進出した東京オフィスも今は8名が勤務しています。
2008年から毎年新卒者を採用し、人を増やしており、全社員中70%が新卒者になりました。

また、東京オフィスも昨年、広い事務所に移り、じっくりと落ち着いて仕事ができるようになりました。
2013年には九州にも進出しており、取引先との関係性をより強くし、社員が働きやすいように環境を整備しています。

 

2018年には、新社屋・ショールームを神戸に開設します。
今までの高砂市の本社では、お越しになりづらかったお客様も、神戸空港からすぐの環境となることで、当社をさらによく知っていただけると考えています。

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さまざまな新規事業を立ち上げているので、それに合わせて新卒採用を続け、5年で全社100名規模にしようと思っています。
増員に合わせてしっかり教育を行い、各事業を引っ張っていくリーダーの数を増やすことも怠らないようにしていきます。

社員教育は入社後3カ月がポイントなんです。いかに当社の仕事を、面白がってもらえるか、いかにその人にあった仕事で活躍してもらえるか、そんなことをリーダーたちと一緒に考えていければと思っています。

包装機器のメーカーとしては、今年6月のインターフェックスにフィルム装着装置の新製品を発表する予定です。多くの方に製品をご覧に入れ、機能や使いやすさを体感していただければと思っています。

当社は設立から35周年を迎えした。
今後、さまざまな事業のシナジーを出していけるかに挑戦します。多彩な事業からお客さまを支援できる体制を社員と整えて、当社の“ファン企業”を増やしていければと思っています。

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