【2019年3月12日】日本フォーム印刷工業連合会(フォーム工連)は3 月4 日、豊島区の「池袋コミュニティ・カレッジ」(西武池袋本店 別館9 階)で「リーディングスキルテスト(RST)」を実施し、34人が参加した。
なんとプリント&プロモーションの中村記者もこのテストに参戦したのでレポートしたい。
このテスト、フォーム工連の「2019 年新春講演会」で講師を務めた教育のための科学研究所の新井紀子所長が考案したもの。東京大学入試の突破を目標とした人工知能(AI)「東ロボくん」の研究を通して開発され、基本的読解力を測定できる。
テストはパソコンを使用して行い、6つのタイプの問題が出される。
問題のタイプは以下の6つ。
「係り受け」文節同士の関係、主語と述語や修飾語と被修飾語を見極める
「照応解決」指示代名詞や省略された言葉の理解
「同義文判定」語順を入れ替えた2つの文章が、同じ意味か否かの判定
「推論」文章の構造を理解して、難解な言葉の意味を推理する
「イメージ同定」文章とグラフ・図形を見比べて、内容が一致しているかを判定
「具体例同定」定義を読んでそれと同じ具体例を示す
出題の流れは以下の通り。
例題を解く→本番出題→解答→次の問題→一定時間で次のタイプの問題へ切り替わる
時間は50分なので、ポンポンと素早く答えていかないと、すぐに次のタイプの問題が来てしまう。
今回の参戦、文章を扱う記者として「平均以下の偏差値は取れない」と意気込み、「平均点以下の場合は、社名変えます」と宣言してから受験した。
問題はもともと、東ロボくんの訓練用につくったものだが、これを中高生に解答してもらったところ、東ロボくんがほぼ確実に答えられる問題でも、中学生では「2択の問題でも半分程度しか正解できない」という恐ろしい結果が出たのだ。つまり、一部の問題では中学生はAIに負けてしまっている。
ところで、このRSTで低い点数の人の場合、どういったことが問題になるのかというと、こういった人たちが会社に入ると「マニュアルが読めない」「指示書が読めない」「報告書が読めない」といったことになってしまい、会社のボトルネックになってしまう。
で、結果はというと以下の通り(問題タイプ、学生・社会人での偏差値、全体の偏差値)
「係り受け」60、62
「照応解決」65、68
「同義文判定」71、72
「推論」63、64
「イメージ同定」61、63
「具体例同定」50、55
全体にはほぼ平均を大幅に上回った(特に「同義文判定」すげ~~)。
が、最後の「具体例同定」のみ、平均ちょい下くらい…どうしちゃったんでしょうね。
でも、ほかはOKだし、たぶん何かの間違いなので、今回は社名変更しません。
テストを終えての感想は、やはり知識量が多い方が問題を解きやすいということ。
問題全体を読まなくても、歴史的事実や常識、公式が「正しいかどうか」を知っていれば答えられる問題があった。
もちろん文章を読んで推論で答えられるのだけれど、やっぱり知っている方が有利。当然、中学生は知識量が少ないので、間違いやすいし、解答までの時間も長くなるだろうなと感じた。
(これ「記者の知識量が多い」と言っているわけではないのです。言ってるか…)
実は記者、数学に関しては高校1年生の時に0点を3回も取るほど苦手で、そのたび先生に「自殺しないように」と釘を刺されたほど…。どれくらい苦手かというと「xy-x-y+1」みたいなのが出てきた瞬間に「ウッ!」っとなるほど。今回のテストでもやはり、数学系の出題は何回も読み直すほど手こずったし、答えにもちょっと自信がなかった。
逆に歴史や社会学系の問題は、どれも数秒で答えが出て楽々といった感じで答えられた。
あと、テストの結果をデータでもらうことや、プリントアウトできないのが少し不満。また、どの問題が正解で、どれが間違っていたかといったことも分からないのが残念だった(おそらく、そういうのを目的にしてないんだと思うけど)。
点数が良かったら言うわけではないが(実は良くなかったらこのレポートは書かなかったが)、このテストの結果は正しいと思う。
考案した新井先生も言っていたが「マニュアルの読めない社員を採用しないために」ぜひ皆さんの会社でも導入してみてはいかがだろうか。
※あくまで個人の感想です
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