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【デジタル潮流】エプソン エコソルベントインクの新モデル「SC-S8150」 ミドルクラスで最速級&上部がフラットなど使いやすさ追求

【2025年10月23日】エプソンは9月、エコソルベントインク搭載の新モデル「SC-S8150」を発売した。

同機はサイン&ディスプレイ用の大判プリンタで、新プリントヘッドの採用により、従来機と比べて出力速度がアップした。インクも中間色を追加し、本体も上部をフラットにするなど、速度・画質・使いやすさにこだわった設計となっている。

今回はエプソン販売のショールーム「エプソンクリエイティブスクエア赤坂」で実機を拝見し、デモンストレーションやその出力物をレポートする。

クラス最速・人手不足に対応

同機は、新プリントヘッドの採用により、従来機と比べて出力速度を約33%向上している。画質面では、ライトシアンとライトマゼンタを追加し、グラデーションの再現力を強化。文字の輪郭を際立たせる「テキストシャープネス」機能や、ノズルインク温度センサーによる色再現性の安定化、ノズル自己診断システムによる画質補正も搭載している。

デモンストレーション時、エプソン販売インダストリーMD部課長の江端時子氏は「ミドルクラスで生産性は最上位クラスの高生産モデルです。中間色を入れたことで画質も向上しています。上位機種では『SC-S9150』があり11色を搭載できますが、そこまで色数が必要ない仕事であればこの『SC-S8150』が活躍します」と話す。

インクは各色2本を搭載し、印刷中でもインク交換が行えるホットスワップに対応。インクタンクは800mlと1,500mlの2種類を用意した。

本体設計は筐体の上部がフラットになったことで、作業性が向上。エプソン販売インダストリーMD部の町野玲奈氏は「デスク替わりや作業用の道具を置くといった使い方ができます。また従来機より約30cm高さを抑えたことで、女性でも使いやすくし、視認性も向上しました」と話す。

また、重量メディアを扱いやすいメディアリフターを標準装備し、重く大きいメディアの入れ替えもしやすい。

プリンティングの現場では人手不足の声も聞かれており、誰もが使いやすい設計は、各社共有の課題となっているようだ。

 

操作デバイスは4.3インチタッチパネルを搭載し、操作性も向上している。「従来よりも液晶パネルが大きくなり、物理ボタンも押しやすくなっています。タッチも手袋などをつけた状態ででき、工場などの現場環境に合わせています」と町野氏。

画面は材料の残量や残りの作業時間などを表示し、仕事のスケジュール管理をしやすくなった。

 

使い分けは?

同社にはレジンインク搭載の「SC-R5050」があるが、ソルベントインク搭載の「SC-S8150」とのすみ分けに関して江端氏は「あくまで『「SC-S8150」』は屋外広告用で、屋外での対候性などが必要な出力物で力を発揮します。レジンインクは基本的に水性でにおいなどが少なく、壁紙など屋内で使用するものの出力に向いています。水性ということで環境意識の高いクライアントからの指定もあるそうです」と教えてくれた。

また、インク11色の上位機種ともいえる「SC-S9150」は高精細が求められるものに、新製品の「SC-S8150」は即納の求められるものにそれぞれ使い分けが可能だ。

さらに保守サービスの期間が最長で10年に延長されており、従来よりも長く安心して使えるようになった。

「エプソンクリエイティブスクエア赤坂」で見せてもらったデモ機では、「音楽フェス」をイメージしたプリントサンプルを出力してもらった。この大きさで3分ほどで出力されその速度は体感できた。

同所には、サイン・ディスプレイ系の大判プリンタのほか、昇華転写プリンタやガーメントプリンタ、業務用の写真プリンタなど約20台が設置されている。サンプル出力やデータ持ち込みでのテストプリントはもちろん、プリンタの時間貸しもしており、コンシューマが大判のグラフィック作成やTシャツプリントをしたいという要望にも応える。

なお「SC-S8150」は10月22日~24日(金)まで、東京ビッグサイトで開催される「サイン&ディスプレイショウ 2025」で展示されている。

エプソン販売インダストリーMD部課の町野玲奈氏と、の江端時子課長

SC-S8150
https://www.epson.jp/products/largeprinter/scs8150

エプソンクリエイティブスクエア赤坂
https://www.epson.jp/showroom/akasaka

サイン&ディスプレイショウ 2025公式
https://tokobi.or.jp/sds

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