ローランド ディー.ジー.　立体物へのダイレクト加飾OK　プリンタ「VersaOBJECT LO-640」と「同LO-300」を発売　パッド印刷やスクリーン印刷を代替可能

【2025年4月10日】ローランド ディー.ジー.は4月10日、立体物へのダイレクト加飾を行えるオンデマンドプリンタの新製品「VersaOBJECT（バーサオブジェクト）LO-640」と「同LO-300」を発売した。

同機は、これまでパッド印刷やスクリーン印刷で対応してきた多様な立体素材への印刷の代替となる方式で、平面だけでなく、緩やかな曲面や凹凸のある形状へ対応する。
2つのプリントヘッドとハイパワーUV-LEDランプを搭載することで、高速印刷時でも小さな文字や緻密なグラデーション、テクスチャを美しく再現。細部にわたる再現性と高品位な仕上がりを両立させている。

印刷可能なエリアは、LO-640では最大1520mm×2450mm、LO-300では656mm×1450mmをカバー。高さ242mm、重量100kg/m²までの素材にも対応し、印刷対象の幅を大きく広げている。

使用するEUV5インクは、CMYKのほか、オレンジとレッド、クリア、ホワイト、プライマーを用意。オレンジとレッドはブランドカラーの忠実な再現に有効で、鮮やかな色彩表現にも優れるという。クリアインクは光沢やマット加工、重ね打ちによる立体的な質感演出を可能にし、ホワイトインクは透明や濃色素材への印刷時に高い隠蔽性を発揮する。
また、印刷素材も柔らかい布や革から、木材、各種プラスチック、金属、ガラスまで幅広く対応。プライマーインクの活用により、これまで困難だった素材への加飾も可能となっている。

さらに、静電気除去装置や自動クリーニング機能を搭載し、安定した印刷品質を維持。macOSにも対応した最新ソフトウェア「VersaWorks 7」や、業務効率化を支援するクラウドサービス「Roland DG Connect」「PrintAutoMate」なども提供され、設備稼働の可視化や利益管理、カスタマイズビジネスのサポートも可能としている。

同社では発売後3年間で540台の販売を目指す。

コメント

グローバルセールス＆マーケティング本部 本部長 二村龍吾氏

LO-640とLO-300は、優れた生産性を持つ最新モデル。CMYK＋ホワイトの同時印刷時には、LO-640で従来機比約3倍の5.0平方メートル／時、LO-300では約2.6倍の3.4平方メートル／時の高速出力を実現した。

消費者ニーズの多様化・個性化が進む中、オンデマンドで高品質な加飾を行いたいというニーズが高まっている。今回の新製品は、短納期化、コスト削減、高収益化を実現し、カスタマイズビジネスの成長を強力に支援するだろう。今後もVersaOBJECTシリーズのラインナップを拡充し、オンデマンド加飾の可能性をさらに広げていきたい。