プリント&プロモーション―デジタルプリントの専門サイト――

<drupa2024プレ特集①>世界最大の印刷資機材展の見どころ紹介 デジタル印刷機編 【追加情報あり】

【2024年5月8日】「drupa2024」は5月28日(火)~6月7日(金)まで、ドイツのメッセデュッセルドルフで開催される。
同イベントは、世界最大の印刷資機材展で、4年に1度開催されている。2020年は新型コロナウイルス感染拡大により、リアル展示は中止となったため、実質8年ぶりの開催となる。
今回のテーマは「we create the future」で、14万㎡の出展規模に48カ国が出展を予定している。

前回「drupa2016」には約1900社が出展し、188カ国から26万人が来場した

プリント&プロモーションでは、「デジタル印刷機」と「サインやテキスタイル用大判プリンタ」を中心に出展予定各社の製品を紹介する。
まだ、出品製品を発表していないメーカーもあり、予測をまじえての紹介となることをご容赦いただきたい。
また、開幕と同時にプリント&プロモーションでは記者が会場から速報を予定しており、世界最大の印刷資機材展を現場かレポートする予定。

見どころ企画の第1弾はデジタル印刷機から紹介する。

 

デジタル印刷機(国内企業)

コダック(ホール5)は、コンティニュアスインクジェットテクノロジーを展示する。
ブースでは「KODAK PROSPER ULTRA 520」を メイン展示品。最大 152 m/分 (500 fpm) の印刷スピードでさまざまな高品質アプリケーションをプリントし新たなビジネス チャンスを紹介する。
「KODAK 900プリントマネージャー」により、KODAK PRINERGYワークフロープラットフォームと統合され、多用途な前加工・後加工ソリューションとともに実演する。

また、「 KODAK PROSPER インプリンティング ソリューション」を初披露。同システムはさまざまな印刷機だけでなく、ポストプレスから後加工まで パッケージや商業印刷で、柔軟な インプリンティングを実現する。

小森コーポレーション(KOMORI、ホール15)はデジタル印刷機の新製品「J-throne(ジェイスロン) 29」を展示、片面毎時6,000枚の印刷スピードで、B2クラスでは世界最高となるROI(投資収益率 、Return on Investment)を実現するUVインクジェットデジタル印刷機。
両面印刷時は、毎時3,000枚。


従来、同社では「Impremia(インプレミア)IS29s」と「Impremia NS40」を販売してきたが、新製品はこれらの2機種に加えられた新たなラインアップとなる

キヤノン(ホール8a)は枚葉インクジェット印刷機「varioPRINT iX1700」 を欧州デビューさせる。
2025 年に発売予定 • Canon ProStream および ColorStream の高速ウェブ給紙インクジェット印刷機「ProStream 2000」シリーズと「ColorStream 8200」などを紹介する。
カラープリンタでは「Canon imagePRESS V」シリーズや「varioPRINT TITAN および QUARTZ」シリーズなども展示。
このほかの出品物は、5月28日のキヤノン記者会見で発表される予定で、隠し玉も存在する可能性が高い。

富士フイルム(ホール8b)は3月に発売した軟包装印刷向け水性インクジェット印刷機「Jet Press FP790」を出品する。同社の軟包装用デジタル印刷機はこれが初。
「Jet Press FP790」は、最大790mm幅のフィルム基材に対して毎分50mで印刷できる。
インクはCMYK4各色のプリントヘッドに加え、2組の白色プリントヘッドを搭載。これにより、透明素材が多い軟包装パッケージの下地色となる白色の濃度を向上させ、カラーインクの発色性を高められるという。
さらに、印刷前の基材に処理液を塗布する機構を搭載し、撥水性のあるフィルム基材に対しても高いインク密着性を付与できる。プリントヘッドは1200 dpi×1200 dpi。
用途は、食品や日用品などの軟包装の多品種・小ロット印刷に対応する。

コニカミノルタ(ホール8b)は、次世代B2サイズHS-UVインクジェット印刷機 AccurioJet 60000を初出展。
同機は「AccurioJet(アキュリオジェット) KM-1/KM-1e」の最上位機種。
6,000枚/時の高生産性と自動化・省力化を向上させたスループットが特長。これに加え「HS-UV(High-definition, Single-pass UV)インク」の使用で、オフセット印刷に画質と色安定性を実現する。

また、パッケージ印刷では、MGI Digital Technology(フランス)とともに提供する「AlphaJET(アルファジェット)」で、インクジェット印刷から加飾印刷や後加工も含めた一気通貫の生産システムを披露。スポットニスによるレリーフ感や箔押しなどの加飾をPRする。

リコー(ホール8a)は「HENKAKU,UNLEASH THE SPIRIT OF CO-INNOVATION」をコンセプトに、同社初のB2サイズ対応枚葉インクジェット・プリンティング・システム「RICOH Pro Z75」や、高速連続用紙インクジェット・プリンティング・システムの新製品「RICOH Pro VC80000」を展示する。

京セラ(ホール8a)はインクジェットプリントヘッド(以下、ヘッド)や、ヘッドを組み込んだ高効率・高品質なインクジェットプリントエンジンなどの製品、技術の紹介
プリントヘッドでは業界最高クラスの吐出性能を実現する循環型1200dpi「KJ4B-EX1200-RC」や、600dpiの「KJ4B-EX600-RC」などを展示。
プリントエンジンでは、オールインワンのコンセプトで、水性インクによるモノクロまたはフルカラー印刷に対応した「GENIX 1200」(最大印刷幅は108mm)、幅広印刷が可能な水性インク対応の「LENIX 1200」(最大印刷幅は866mm)を出品する。

SCREENグラフィックソリューションズ(SCREEN GA、ホール8a)は、「Creating A Future In Print ~Tech x Irodori~」をテーマに展示を行う。
商業・出版印刷市場に向けの高速連帳デジタル印刷機では「Truepress JET 560HDX」を展示。新インクジェットヘッド機構と、コート紙に表面処理なしで印刷可能な高濃度インク「Truepress ink SC2」を組み合わせ、最大560mmの用紙幅への対応する。また、新製品「Truepress JET S320」の実機も展示し、小ロットのオンデマンドブックソリューションを提案。

ラベル・パッケージ印刷向けでは、新開発のデジタルプライマーユニットを搭載したラベル向けUVインクジェット印刷機「Truepress LABEL 350UV SAI S」と、食品用紙包装向けインクジェット印刷機「Truepress PAC 520P」を実演する。
このほか、軟包装向けインクジェット印刷機「Truepress PAC 830F」の装置ユニットの一部を展示予定。

理想科学工業(ホール8a)は「We Innovate. You Benefit / Sustainable Automation」がテーマ。
今回は、高速インクジェットプリンタ「ComColor GL9730(日本名:ORPHIS、中国名:闪彩印王)」、プロダクションプリンタ「VALEZUS T2200/T1200」を出品。プリンタに、各種後加工装置を接続し、印刷から後加工まで自動化・省人化・省力化するAll-in-Oneのソリューションを提案する。

TOSHIBA(ホール5)は産業用インクジェットを展示とのみ、欧州向けメディアにリリース。
ミヤコシ今回出展せず、同社では6月20日(木)、21日(金) 、秋田県横手市の宮腰デジタルシステムズで「実機デモ見学会」を開催し、水性インクジェット印刷機の「MJP ADVANCED 30X for Film」などを披露する予定。

 

デジタル印刷機(海外企業)

HP(ホール17)は、前回同様ホール17を貸り切り、多数のデジタル印刷機の展示を行う。
「HP Indigo 120Kデジタル印刷機」は、アナログとデジタル技術を組み合わせて生産現場を最適化することで、人手が必要な作業を減らし、1人のオペレーターによる複数の印刷作業を可能にする。

「HP Indigo 18Kデジタル印刷機」は、ベストセラーのB2対応デジタル枚葉印刷機の次世代機。汎用性や効率、使いやすさを新たな水準に引き上げている。
B2サイズにより、これまでに生産された最も幅広い範囲の印刷アプリケーションを処理でき、多様な素材とジョブタイプにシームレスに対応する。
自動復旧やプロアクティブアラートなどの高度なAI機能により、生産性が向上し、生産プロセス全体が簡素化されて、印刷機の可用性が単一シフト内で最大80%に達する。HPのサステナビリティへの取り組みに沿って生産性向上モード(EPM)をサポートしており、1枚あたりのエネルギー消費を24%削減する。

「HP Indigo 7K Secureデジタル印刷機」は、セキュリティを重視した印刷ジョブをワンパスで実行し、高度なセキュリティ印刷を提供。Jura JSPとの共同開発により、生産ラインのセキュリティを確保するためにワークフローをカスタマイズできる。

「HP Indigo V12デジタル印刷機」は、市場で最速のナローウェブデジタル印刷機であり、LEPx技術を初めて使用した製品。米国の持続可能なパッケージングとデジタル印刷のリーダーであるBrook + Whittle社を含むベータサイトへの設置が成功している。
このほか、同社では2022年に発表した「HP PageWide Advantage 2200」について、厚紙への対応などを紹介する(最大320 gsm/18pt)。

Landa(ランダ、ホール9)は3月に発表した「Landa S11」「S11P」は、「Nanography」プラットフォームを活用したもの、最も多用途で生産性の高い枚葉印刷機を提供する。
前処理を必要とせずに、コーティングされた基材とコーティングされていない基材の両方にB1フォーマットで印刷し、1 時間あたり 11,200 枚のプリントが可能。また、インライン AI 検査や色の一貫性を備えた広い色域を実現する。
現在、世界で50台以上が稼働しており、20%が2 台目および3 台目のLanda機を導入しているという。

ザイコン(ホール11)は、「軟包装」「段ボール包装」「グラフィック アート」「ラベル印刷」などに関して展示を行う。
軟包装用デジタル印刷機「TX500」は、最大印刷幅 508mmで、最大印刷速度は30 m/分。TITON トナーを採用し、食品と間接的もしくは直接的に接触する用途に適している。


段ボール用デジタル印刷機「IDERA」は、プリントサイズが1600 x 2800mm、ボード厚は1.5~11mm、印刷速度は60~120m/分。Xeikon のデジタルプリントの知識とFlint Group の段ボールのノウハウを組み合わせて開発された。


グラフィックアート用「SX30000」は連帳機で、最大印刷幅が520㎜、印刷速度はB2 シートで2,545 枚/時。
さらにラベル用のソリューションも用意する。

Durst(ホール16)は、シングルパスの紙器業界向けデジタル印刷機をデモンストレーションする。同社は2019年にケーニッヒ&バウアーと合弁会社を設立しており、共同開発の製品が登場している。
「VariJET106」は、紙器向けのB1シングルパス機。インクは7色(CMYK+O+G+Vで、最大出力解像度は1,200×1,200dpi、1時間でB1を6000枚プリントできる。

「SPC130」は段ボール用シングルパス機。最大厚12㎜で、出力幅500~1300㎜、出力長600~2800㎜の段ボールに、最大6色でプリントできる。※5月14日追加

Hanway(ホール8b)は、デジタル印刷機各種を展示する。
「HanGlobal – Kirin660X」は、出版向けロールtoロールデジタル印刷機。最大印刷速度は100m/分、最大印刷幅648mm、最大出力解像度は600✕1200dpiに対応する。

「HanGlobal – LabStar330S Hybrid」は、複合ロールtoロールデジタル印刷機。最大印刷速度は50m/分、
最大印刷幅350mm、最大印刷解像度600✕1200dpiに対応する。※5月14日追加

このほかでは、ハイデルベルグ(ホール1)がホール1全体を使用し展示を行う。しかし、4月発表のオフセット印刷機「スピードマスターXL106」を初披露はあるものの、デジタル印刷機については特に発表がない。

drupa2024
https://www.drupa.com/

 

Copyright © 2024 プリント&プロモーション . ALL Rights Reserved.