【2024年2月15日】「page2024」のメインとなる展示会が昨日2月14日、豊島区池袋のサンシャインシティで開幕した。主催は日本印刷技術協会。
開催は明日2月16日(金)まで。
出展社数は148社(前回122社)、小間数は447小間(前回423小間)となった。
展示内容は、プリプレスからポストプレスまで、印刷や後加工にかかわる製品や技術、サービスなどを展示している。
入場料は1,000円(税込み、Webによる事前登録で無料)。
レポートではデジタルプリンティングやその関連製品を中心に、各ブースを紹介する。
「page2024」登録は以下から
https://page.jagat.or.jp/index.html
ミマキエンジニアリングは、自社の大判プリンタやグッズなどの製作事例を紹介した。
「UCJV330‐160」はサイングラフィック向けUV硬化型プリンタのフラグシップモデル。UV-LEDを採用し、生産性と画質を従来機より大幅に向上させている。
UVインク採用のため、出力可能なシートの種類は、塩ビに加えPETやPU(ポリウレタン)などの樹脂フィルム、布、紙(非コート紙含む)など、幅広い基材にプリントが可能。
ブースでは、軟包装印刷などで使用される透明フィルムへの出力を実演し、プルーフ製作での活用を提案している。
共同出展では、シンクイノベーションがアニメや漫画のグッズを展示している。
グッズビジネスは、近年、大規模な印刷からインクジェットプリンタを使った「少量」「短納期」「多品種」での製造が実現したことから、生産の国内回帰が進んでいる。
同社は、これらのグッズ販売と同時に、制作ノウハウを活用し、資機材の販売なども行っている。
パイオテックは、ミマキエンジニアリングに隣接して出展。ミマキ製DTFプリンタ「TfX150‐75」を使ったシステムを出品し、テキスタイルへのプリントを紹介している。
DTF(Digital To Film)は、インクをフィルムに転写し、そのフィルムを布などに熱圧着することでデザインを転写できる。従来の昇華転写プリントは、デザイン不要部分を切り抜きしなければならなかったが、DTFはその必要がないため、近年急速に普及している。
パイオテックでは、今後シェイカーを小型化し87cmに新製品を発売予定で価格は50万円。各社がしのぎを削るDTFで新たな提案となりそうだ。
イメージ・マジックは、DTFとその関連システムを展示した。
「DTTS-602シリーズ」は、高生産性が特長のDTFシステム。会場ではプリントと圧着をデモンストレーションし、その生産性をPRした。
「IMPR-A4R」は昨年発表したロボットアームを付属した回転プレス機。Tシャツプリントの自動化が可能で、コスト削減や作業時間の短縮に貢献する。
同社は、Tシャツなどのプリンティングが事業の大きな柱であるため、すでに自社工場で導入しており、一部の工程を自動化しており、これを販売している。
エプソン販売は、1月に発表したDTF対応プリンタや大判プリンタ、インクジェット複合機などを展示している。
ガーメントプリンタ「SC-F1050」は、同社初のDTF(Direct to Film)プリントに対応している。フィルム出力に加え、Tシャツやトートバッグなどの布製品への直接出力も行なうことができ、会場では直接プリントをアピールしていた。
上位機種の「SC-F2250」にはないフタがついており、繊維などの汚れがヘッドにつくのを防止するとのことだが、フタの開け閉めは多数のTシャツをプリントする場合、作業性に疑問符がつきそう。
UVインク搭載プリンタ「SC-V1050」はアクリル板やプラスチック、ゴルフボールなどのさまざまな素材にプリントできる卓上サイズのプリンタ。コンパクトで導入しやすいサイズと価格が特徴で発売は今夏を予定している。
大判プリンタ「SC-P8550D」はグレーインク搭載で、人肌などの再現度が高い。プリンタとスキャナーが一体型となった省スペースモデルのため、スペースの限られた設計事務所やオフィスへ設置でき、上面もフラットで制作物や資料を置くテーブル代わりにも使用できる。
さらに、ダブルロールモデルの採用や自動給紙機能により、業務の効率化を支援する。
これ以外には、インクジェット複合機「LX-10040MF」ではハガキ印刷を実演している。
リコーで注目は、ボトルプリンタ「NNB35150」。横方向に吐出できるヘッドを搭載しており、直径35mmから150mm、高さ220mmまでのボトルなど円筒形の物品に直接出力可能。
写真のボトルで8分程度でプリントできる。
同社のプリント技術では、飛行機や住宅などのプリントも可能で、5月に行われる「ジャパントラックショー2024」では、10mトラックへの出力を行う。
ローランドディー.ジー.の「Versa Object MO-240」は今年1月発売のUV硬化型プリンタ。サイズ640✕488㎜、厚さ204㎜までの物品への出力が可能。
また「OA-RA-240」は円筒形物品へのプリントを可能にするオプション。ボトルなど円筒状のオブジェクトにプリントできる回転軸ユニットで、長さ30~540mm, 直径10~121mmの素材に対応する。
担当者は「『MO-240』は本格的なグッズプリントで活用可能なUVプリンタ。力のあるマシンで市場からの反響も大きい」と話す。
UV タイプのプリント&カットマシンのフラッグシップモデル「TrueVIS LG-300」ではラベルやステッカーの出力を提案している。
エコスリージャパンは同社の大判UVインクジェットマシン各種について出力サンプル展示。採用事例では油絵のように凹凸のある絵画風プリントや、美術館の画集で「絵画を触れる」をテーマにしたものを紹介している。
クイックアートの「ぷくぷくプリント」は、既存のレーザープリンタでポッティングのような転写加工ができるシート。布だけでなく一部の紙にもこの加工プリントが可能という。
オーシャンテクノロジーの新製品「OT-IJ 1200S」は、レジンインク搭載で比較的出力対象の材質を選ばず、プルーフでの本紙校正を実現する。
キヤノンの「imagePRESSS V1000+インラインオプション」は、100枚/分の出力速度があり、紙厚に応じて転写内ローラーとバックアップシートの位置を変更すっるため、52gの薄紙から400gの厚紙までに対応する。
展示品は、「除電」や「インスペクション」「センシングにユニット」をオプション搭載しており、プリントの自動化に貢献できるという。
ホリゾンは、キヤノンと連携し「AGV無人化製本システム」をデモンストレーション。製本の自動化などをアピールした。
コダックジャパンはデジタルソリューションのイメージ展示。
「ULTRA STREAM」は、コンティニアス方式のインクジェットヘッドでも、電荷のみでインクを吐出するタイプ。大きな粒子と小さな粒子の打ち分けが可能だが、小さな粒子のみを飛ばし、解像度の高い出力ができる。
京セラドキュメントソリューションの「TASKalfa Pro 55000c」は昨年発売の商業用高速インクジェットプロダクションプリンタ。
「インクジェットプリントの、新時代到来。」のテーマで展示し、コート紙への対応などを、実況を交えてデモンストレーションしている。
富士フイルムグラフィックソリューションズは自社のデジタル印刷機を出品。
「Revoria Press PC1120」は、解像度が2400×2400dpi、連続プリント速度はA4で120ページ/分、A3で60ページ/分。用紙サイズは98×148mm~330×488mmに対応している。
会場ではデモンストレーションを行い、サンプルも配布している。
SCREEN GPジャパンは、ワークフローと、ラベルやパッケージのサンプル展示のみで、実機点字はなかった。
ダックエンジニアリングは検査装置などを出品している。
「フルカラーデジタル・バリアブル印刷検査装置」は、デジタル印刷機などで生産される、少量・多品種の印刷物を検査できる。色や汚れなどの検査はもちろん、可変情報もデータとのマッチングができる。
「MOKARU vision」と「GORIKA vision」シリーズは、工場内の稼働率アップや不良率ダウンを目指したシステム。
「MOKARU vision」は、機械の消費電流量の変化と印刷不良発生時のデータをリンクし、作業工程での機械稼働率やジョブチェンジを見える化する。
「GORIKA vision」は、AIカメラを搭載し、作業者の行動や手の動きを分析し、ミスの原因を突き止める。
いずれの製品も同社大宮営業所で常設展示されている。
日本製図器工業は、昨年のpageでも展示した階層型カッティングプロッタ「MARUTI RAYER」をPR。カッティング装置を筐体内に複数台を上下に積み上げ、場所を取らず複数データを同時加工できるスタックタイプのプロッタ。
理想科学工業の「VALEZUS T2200」は、反転ユニットや検査装置ユニットなどをつけて実演。
「ORPHIS GL9730」では、感圧紙と封筒の2種類のデモを行っている。
感圧はナンバリング氏ながら3枚を位置合わせし、精度が高いことをアピールした。
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