【2024年1月26日】オーダーグッズビジネスショー(OGBS)大阪2024」が1月24日、25日の両日、大阪市のマイドームおおさかで開催された。
主催はオーダーグッズビジネスショー実行委員会(ゲンダイ出版内)。
同イベントは1981年「印章フェア」としてスタートし、2013年からは展示会名称を「オーダーグッズビジネスショー」とし、大阪と東京で毎年各1回行われている。大判プリンタやその関連資材が多く展示されている。
近年は、テキスタイルプリント用のDTF(Digital to Film)方式のシステムが多く展示され、今回はさらに先進の取り組みとしてパウダーレスタイプのDTFシステムが出品された。
また、このほかグッズプリントの最新プリンタを大手メーカーが国内初展示するなど、会場規模は小さいながら、OGBS業界では注目のイベントとなっている。
イメージ・マジックは、同社のDTFで初となる「パウダーレス機」を参考出品した。
DTFは、プリント後に接着剤となるパウダーをプリント面に振りかけ、それを熱で融解するという作業の後に布などに転写する。
パウダーレスタイプのプリンタは、プリントと接着剤塗布を同時に行うことから、塗布工程を省略できる上、プリントしたあとの布地がごわつくというDTFの弱点をなくし、薄く手触りの良い風合いとなる。
担当者は「接着剤の塗布量も調整できるため、風合い重視や洗濯性重視、インク濃度の設定などを従来以上に微調整可能になる。また接着剤だけをつけて、疑似箔を転写するなども可能で、用途が大幅に広がる」と話す。
同機の発売は今夏を予定している。
また、昨年発表したロボットアームを付属した回転プレス機「IMPR-A4R」によるTシャツプリントの自動化システムを提案した。
同社は、Tシャツなどのプリンティングが事業の大きな柱であるため、すでに自社工場で導入しており、一部の工程を自動化している。
このほか、高生産性が特長の「DTTS-602シリーズ」なども出品した。
宝來社は、イメージ・マジックの小型機「DTTS-302」を展示。小規模工場でもDTFを展開できるというデモンストレーションを行なった。
アステムも「ART JET」シリーズの従来機に加え、パウダーレス機を参考出品した。
布地がごわつかない薄い風合いを実現できるという。
発売日などは未定。
ミマキエンジニアリングは、DTF機の「TxF150-75 」を出品。
担当者は「国内産プリンタという安心感から多くの問い合わせがあり、販売台数も伸びている」と話す。
UVプリンタ「UJF-3042MkⅡe」はアクリルなどのグッズプリントで採用されている同分野のベストセラー機。この日は、アクリルグッズのプリントとカット加工までを紹介し、これらグッズを販売するシンクイノベーションがサンプルを多数展示した。
このほか、カップなどの円筒形の素材にプリントできる「Kebab(ケバブ)HS」は、速度が速くなったことをアピール。20分かかっていた円筒形へのプリントが5分に短縮された。最大作業サイズは直径60mm、幅300mm。
ダイヤモンドマークとパイオテック、トーヨーコーポレーションも、ミマキの「TxF150-75 」のDTFバージョンを展示した。
エプソン販売は、「グッズの幅を広げ、精度を上げよう」のテーマで、国内初展示の新製品3つをPRした
ガーメントプリンタ「SC-F1050」は、同社初のDTFプリント機。しかも布製品への直接出力もできるハイブリッドタイプとしてのリリースとなった。
UVインク搭載プリンタ「SC-V1050」は、オーダーグッズビジネスでよく使われるアクリルや木材などへのプリントが可能。コンパクトな卓上型で価格も990,000円と比較的安価な設定となっている。発売は今年夏予定。
また、エプソン初の自動測色テーブル「SD10ACRT」も展示した。
ローランドディー.ジー.は、卓上のDTFでは初めてキーポイントインテリジェンス社のBuyers Lab (BLI) 2024 Pick Awardsを受賞した「VersaSTUDIO BY-20」を出品。少量のDTFプリントを実現する機器を紹介した。
また、アクリルキーホルダーなどのグッズプリントで活用されるUVフラットベッド機「VersaObjectMO-240」を展示。
担当者は「A2サイズという少し大きめのテーブルを備えて、ユーザーの要望に応えた。また、クリーニングのタイミング変えるなどでダウンタイムを抑え、1つでも多くのジョブをこなせる仕組みになっている」と解説した。
このほか、小型の「VersaSTUDIO BD-8」も展示していた。
MANPROTEK(マンプロテック)は韓国からの初出展。
独自のDTFシステムであるDTX転写システム「DTX GRAVIY」は、シールを作成できる。独自のパウダーで加工されたフィルムにプリントすることで、耐久性の高い転写シールを生産可能。シールはブラスやタンブラー、木材などに貼れば、擦れに強く、剥がれず、伸縮性もあり、水にも強いことから、オーダーグッズビジネスでの採用が可能という。
ユーロポートは、各社のDTFを展示。エプソンからは、DTG版の「SC-F2250」を、ミマキでは「TxF300ー75」のDTF版に独自のシェイカーをつけてシステム化していた。
テクノプロモーションは、小型卓上機を使ったDTFプリントを多数紹介。自社でプリントしたサンプルTシャツを多く展示しており、コストをかけずにDTFを行なえることをPRした。
川井浩社長は「非常に安価にDTFを試せる小型プリンタを用意している。上手くプリントするノウハウも含めて当社に相談してほしい」と述べた。
上野山機工は、tシャツ折りたたみ機「ThermotronPV40」と袋詰め機「同FX25s」を実演した。
また、ブラザーのデジタルガーメントプリンタ「GTXPro」にプロジェクターを取付け、Tシャツの位置合わせなどを簡便にするシステムを紹介していた。
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