セイコーエプソン　「新型産業用3Dプリンタ」を開発　多様なペレット材使用可能で最終製品の作成も

【2022年3月7日】セイコーエプソン（エプソン）は、最終製品を作成できる「新型産業用3Dプリンタ」を開発した。

このプリンタは、独自技術により、さまざまなサイズや機能の工業部品を、汎用的な材料を使いながら、精度と強度を高いレベルで生産できる。

3Dプリンタは、少量多品種を短納期で生産できる特徴があり、各社、さまざまな製品の開発や市場投入を進めており、今後、市場の急拡大が予想されるという。
しかし、従来の産業用3Dプリンタは、専用の特殊な造形材料を使用する必要があり、また精度と強度を両立させた造形物の生産が困難であったため、最終製品向けの工業部品への活用は限定的だった。

今回、エプソンが開発した3Dプリンタは、エプソンの小型射出成形機に搭載されている「フラットスクリュ」による独自の材料押出方式を採用したことで、一般的に価格が安く入手しやすいペレット材（樹脂・金属）、環境に配慮したバイオマスペレット材、高い耐熱性を実現できる PEEK 材など、さまざまな汎用的な材料を出力できる。

さらにヘッド内の圧力制御や造形速度と連動したバルブ調整により、材料の射出量を精密に制御するとともに、部品強度で課題となる造形面の温度制御も独自機構により管理することで、造形部品の精度と強度の両立を実現した。
これにより、最終製品向けの工業部品への展開が実現しやすい仕様となり、ユーザー個々のニーズにあわせた多品種部品をより高品質・短納期・低コストで生産できる。

今後は、同社ではまず社内で、商業・産業機器などの一部部品の量産に活用しつつ、プリンタの完成度を高め、商品化を目指す。

なお、この新型産業用3Dプリンタは、2022 年 3 月9日から東京ビッグサイトで開催される「2022 国際ロボット展」のエプソンブースで展示される予定。