【2017年8月31日】SCREENグラフィックソリューションズは8月30日、東京都荒川区の日刊プロスポーツ新聞社で「Truepress Jet520HD新聞ソリューション内覧会」を開催した。
日刊プロスポーツ新聞社は、競輪の日刊紙や週刊紙、開催国地のリーフレットなどを発行しており、少量でありながら多くの種類の印刷物を毎日、印刷する工程が求められていた。
そこで今年7月に、SCREENグラフィックソリューションズのロール式高速インクジェット印刷機「Truepress Jet520HD」の導入を発表し、8月上旬から本格稼働を開始していた。
同社ではこれまで、オフセット印刷機の5色機と2色機を駆使して、新聞を発行してきた。
発行部数は1日5000~6000部だが、競輪は1日3場から最大6場開催もあり、多い日には1場の新聞で5版まで印刷することもある。
このため、競輪場や開催条件により、20種類の台紙を事前に印刷・ストックし、この台紙上にその日の情報を印刷するという。このため印刷の通し数が3回になる煩雑な作業を行っていた。
台紙の製作だけで半日を必要とし、版を付け替えながらの印刷では、ダウンタイムも非常に多かった。
毎回、新潟や秋田など遠方への配送もあることから、印刷が遅くなれば運送会社への持ち込みとなるなど「輸送やそれに付帯するコストも、バカにならなかった」という。
これが「Truepress Jet520HD」と後加工機の導入により、製版や版の付け替えなしの1回通しで、複数種類の新聞ができてしまう。
新聞印刷では印刷機だけでなく、カットや折りといった後加工が必要だが、日刊プロスポーツ新聞社でも、「Truepress Jet520HD」の導入とともに、後加工機を設備している。
後加工機はベーヴェシステックジャパンがTECNAU(テクナウ)社製のバッファー、カット、折り機を提供した。TECNAUの後加工機はトランザクションから出版、グラフィックアーツまでに対応し、デジタル印刷の加工工程では定評のある製品という。
日刊プロスポーツ新聞社では、印刷機とこの後加工機をインラインで接続している。
納入したメディアテクノロジージャパン(MTJN)VP営業統轄部の松永邦愛統轄部長は「インラインでの接続は世界的にも珍しいが、『印刷から後加工までインラインでできなければ意味がない』と担当者の強い要望がありこれを実現した」と話す。
「Truepress Jet520HD」は1200×1200dpiの高解像度が特長だが、日刊プロスポーツ新聞社では、写真の多い週刊紙で1200×600dpiモードで75m運転。文字情報の多い日刊紙では600×600dpiで100~150mで印刷している。
日刊紙の場合、1時間程度ですべての印刷が終わり、作業時間は最大10分の1程度になったという。
損紙はインライン運用のため60mほど出るが、これも従来、3回通しだったため、その分の予備紙を多めに印刷していたことや、工程にかかる人件費などと比較すればコスト的には割安になっている。
同社ではまず、自社の印刷物での安定稼働を目指し、その後は他社からの仕事なども受注していきたいとしている。
デジタル印刷機導入で、従来の工程を大幅に短縮し、コスト的にも見合う。さらには8月上旬からの本格稼働後も満足のいく、実績を残しているという非常に順調な滑り出しを見せた同社。今後がさらに注目される。
「なぜ斜陽産業といわれる競輪に最新のデジタル印刷機を入れるのか」と思われるかもしれないが、当社の仕事は非常に利益率の高い仕事だ。
その中で、少しでもよいものをお客様に届けたいと考えて導入を決定した。
さらに商品の付加価値を上げていきたい。
また、東京五輪では競輪が種目になっているが、この競輪競技に携われるよう準備を進めたいとも考えている。
昨年、社員が展示会で「Truepress Jet520HD」を見て検討を始め、昨年9月には導入を決定した。この機種に決定した理由は、当社のコーポレートカラーで特色を使っていた金赤が最もきれいに出たこと。
従来は表1と表2がカラーで中面はモノクロだったものがオールカラーになり、読者からも喜ばれている。
週刊紙のほうは写真がきれいになったという声もあり、紙面の付加価値とともに広告価値も上がった。
日刊プロスポーツ新聞社
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SCREENホールディングス
http://www.screen.co.jp/ga_dtp/
ベーヴェシステックジャパン
http://www.boewe-systec.jp/jp/jp/home/index.html
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