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「シリーズ デジタルプリント」第6回 メディアテクノロジージャパン・後編 日本市場にマッチしたデジタル印刷機の提案を

【2017年5月16日】世界最大の印刷関連機材展「drupa2016」以降のデジタルプリントについて、デジタル印刷機メーカーから話を聞いているこのシリーズも6回目となった。

メディアテクノロジージャパンは、SCREENホールディングスの国内販社として、製版やそのシステムの販売を手掛けてきた会社。デジタルへの取り組みは約10年前からで、主力機の「Truepress Jet520(TP-J520)シリーズ」は特にフォーム印刷関連での導入が多い。

ユーザーへの供給で得た10年間の蓄積が生きているという同社。後編ではデジタル印刷機のラインアップや後加工機、将来展望を、引き続きメディアテクノロジージャパンVP営業統轄部の松永邦愛統轄部長に聞く。

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活用進むデジタル印刷機

――デジタル印刷機のラインアップが増えていますね
主力の「TP-J520シリーズ」は大きく分けて5種類です。
もっと早く、どんどん回したいという会社では最速毎分220mで印刷できる「TP-J520ZZ」が導入されています。モノクロ追い刷りのみ必要なら「TP-J520EX」、1200dpi高画質モデルの「TP-J520HD」は、コート紙対応新SCインクと合わせ、新たな市場創出を期待しています。
さらに機能や使いやすさを向上させた最新鋭機種「TP-J520NX」も導入が始まっています。

また、ラベル印刷ではUV硬化型インクを使用した「TP-J L350 UV」、水性インクの「TP-J L250AQ」があり、こちらも販売を展開しています。

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大判インクジェットプリンタ(IJP)では、「TP-3200UV MKⅡ」、本紙校正用の「ProofJet F780 MKⅡ」などがあり、デジタルプリント全般をカバーしています。

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――後加工機の提案も盛んですね
デジタル厚盛りニス&箔加工機「SCODIX」、レーザー加工機「motioncutter」など付加価値印刷の製品をご紹介しています。

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またデジタル印刷は、後加工までを含めたトータル運用提案がとても重要になります。弊社では、協業ベンダー様との接続実績と経験を積み重ね、お客様の求める運用に即したご提案がようやくできるようになってきました。

 

課題は紙や市場とのマッチング

――デジタル印刷機の課題は
商業印刷や書籍分野などで、日本でも少しずつデジタル印刷の活用範囲が広がってきていますが、インクジェットは、紙とのマッチングがいまだに課題ですね。
各社がインクジェットでのコート紙印字に色々な取り組みをしていますが、弊社ではTP-J520HDとコート紙対応新SCインクでトライしています。

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さまざまな用紙への印刷が可能になっているが、マッチングはいまだに課題

あと、これは機械の課題ではないのですが、デジタルをどう活用すれば日本にマッチした業務が創出できるか、ユーザーとメーカー各社で市場づくりをしていくことも重要な課題だと考えています。

――大きな課題ですね
日本はやはり品質面、法律、商習慣など他国とは違う点が多くあります。
デジタル印刷は、従来の仕事の置き換えではなく、その特徴を生かした新たなビジネスを生み出していただかねばなりません。私どもは少しでもそのお手伝いができれば、と考えています。

――それにはどうしたらいいでしょうか
やはり、以前から言われていることですが、印刷物のコンテンツとしての価値を上げることが重要でしょう。

これは、生協の「共同購買申込書」ですが、フルカラーバリアブル印刷で、注文履歴に応じて、商品名の順番などを変更して、それぞれ加入者用シートを異なるものにすることが可能になっています。
このシートにより、必要な商品が探しやすくなり、注文し忘れを防ぐなど、非常に購買レスポンスが向上したそうです。

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こういった従来のやり方と違う印刷物のあり方を、フルカラーバリアブル印刷なら提案できるのではないでしょうか。
海外のデジタル活用事例は、参考にはなるものの、そのままではなかなか日本に根付きません。日本にあったアレンジを加えながら独自の展開を作り出していく必要を感じています。

――今後のデジタル印刷の流れはどうなっていくでしょうか。また貴社はどのようにかかわっていきますか
10年前「印刷業界はどうなってしまうんだろう」という思いを持っていた人も多かったかもしれませんが、デジタル印刷が各社で行われるようになり、将来の印刷のあり方、印刷がどうしても必要とされる部分も少しずつ見えてきたように思います。

弊社は、日本の市場に即した付加価値印刷のためのデジタル技術と製品、また仕事を引き寄せてくる仕組みを、今後も提案し続けていきたいと考えています。

 

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