富士フイルム　ワイドフォーマットインクジェットプリンタ向けの独自インク技術「AQUAFUZE（アクアフューズ）技術」を開発　2024年秋提供開始

【2024年3月26日】富士フイルムはこのほど、ワイドフォーマットインクジェットプリンタ向けの独自インク技術「AQUAFUZE（アクアフューズ）技術」を開発した。

「AQUAFUZE技術」は、水性顔料インクジェットインク中に光硬化性樹脂を安定的に分散させる技術で、水性インク技術とUV硬化性インク技術の融合により開発したもの。
高機能素材の合成技術や粒子の分散技術を応用し、水性顔料インク中に光硬化性樹脂を安定的に水分散させる。

さらにこの技術をベースに、水性インクとUV硬化性インク双方の処方技術を組み合わせることで、新たにUV硬化性水性インクを開発。同インクは、これまで水性インク・溶剤インク・UV硬化性インクといった単一インクでは難しかった、印刷時に生じるインクの臭気などを抑え、耐擦性や延伸性を実現し、多彩な印刷基材にも対応する。
用途は、室内サインや壁紙での使用も想定している。

産業用インクジェットインクは、一般的に、水性インク・溶剤インク・UV硬化性インクがある。
サイングラフィックや販促用印刷（POSプリント）などで使用されるワイドフォーマットインクジェット出力では、熱でインクを固める水性インクや、光の照射によるUV硬化性インクが主に使われている。この印刷市場では、メディアや基材が多様化。このため、印刷物に付着するインクには、高い耐久性や、折り曲げ、延伸性、吐出安定性などが求められている。また、溶剤の揮発や臭気などの防止といったニーズも高まっており、新技術はこれに応えたもの。

「AQUAFUZE技術」を用いたUV硬化性水性インクの提供開始は、2024年秋を予定している。