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日本製紙ら 固形物も充填&残らず注げる飲料用紙容器 「NSATOM」のシステム受注開始 

【2020年9月17日】日本製紙と四国化工機は11月から、次世代型アセプティック紙容器システム「NSATOM(エヌエスアトム)」の受注を開始する。

「NSATOM」は、固形物・長繊維・高粘度充填に対応しつつ、常温保存のできる紙容器。
充填機の包材殺菌力は初期菌数を1/106以下に死滅させるキルレート6を達成しており、常温保存可能な世界初の紙容器無菌充填システムを実現した。
容器個別に充填を行うブランクス供給型充填方法により、これまで不可能だった固形物や繊維の入った飲料にも対応する。

容器は開封後も口栓配置と形状デザインで中身の注ぎやすさを向上しており、再度フタをできることからPETボトルのような開封後の持ち運びにも対応する。従来は、注ぎづらかった「タピオカ」や「スープのコーン」「みそ汁の具」なども残らず注げるという。

また、容器角を稲妻形に切った「メッセージパネル」により店頭でのアイキャッチ性も高いという。
森林認証紙採用、使用樹脂量削減による環境負荷低減した。
容量バリエーションは200ml、250ml、300mlの3種類。

両社は、常温長期保存タイプの紙容器としてレンガ型アセプティック紙容器システム「NS-FUJI」を共同開発し、これを30年以上にわたり販売してきた。
2018年、アセプティック紙容器システムでは対応ができなかった固形物・長繊維・高粘度飲料用の新システムとして、「NSATOM」を共同開発。その後、市場投入に向けた検証を進めてきたが、今回すべての検証が終了し、新システムが完成した。

同社では、2025年に10台程度の稼働を目標にしており、50億円の売り上げを目指す。

 

日本製紙 野沢徹社長

9月16日、東京都千代田区のソラシティカンファレンスセンターで行われた記者発表で、日本製紙の野沢徹社長は以下のように述べた。

少子化、IT化の流れで、新聞や印刷用紙は減退している。新型コロナウイルス感染拡大の影響から、さらにその需要は落ち込んでいる。当社も5月を底に回復しているが、元に戻るのは厳しいと考えている。
パッケージ分野と家庭紙・ヘルスケア分野、ケミカル分野、エネルギー分野、木材事業分野の5つに経営資源を集中的に投下している。
中でもパッケージではこの「NSATOM」がPETボトル代替として中心に位置づけられる商品だ。

 

「NSATOM」で固形物入り飲料を注ぐ

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